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あれれ~~~?(江戸川コナン風に) 今日の土曜プレミアムは確かドラマ「東京タワー」であったはずなのですが、TVから流れてくるのは映画「オーシャンズ11」の前説。これはどうしたことか、もしかしてと思って「東京タワー」のキャストを見てみるとやはりそこには山本圭一の名前が。
極楽とんぼ山本の事件はもうしばらく様々なところで尾を引きそうですね。「東京タワー」はフジテレビ的にも結構力を入れていた様なので少々残念ではあります。
さて「オーシャンズ11」ですが、考えてみると私この映画見た記憶が無いなぁということで鑑賞することとしました。
「オーシャンズ11」(2001)
OCEAN'S ELEVEN
と思っていたのですが、しばらく見ていて気づきました。この映画、やっぱり見たことあるわ。なんつー印象の薄い作品であることか。まぁ細かいところはかなり記憶が薄れていましたんで、そのまま鑑賞続行。
ところで本作のオリジナルである「オーシャンと十一人の仲間」(1960)は好きな作品です。フランク・シナトラとその仲間達、いわゆるシナトラ一家が集まってなかばお遊び的に作り上げた伝説の映画ですね。その豪華キャストもさることながら、皆それぞれに楽しんで出演しているのが微笑ましく楽しい作品でした。物語自体は単純でさほど大した脚本でもなかったわけですが、いわばお祭り騒ぎ的にシナトラ一家の面々が大暴れするだけで嬉しい、文句なしの娯楽作品でした。
で、そんなある意味奇跡的な作品を大まじめにリメイクしちゃったのがこの「オーシャンズ11」。シナトラ一家にならって豪華キャストを集めてみたものの、11人ものキャストを持て余し気味なのが辛い。また変にシリアスぶった展開にオリジナルにあった楽しさも大きく減退。
元々が大したストーリーではないのだから、もっと展開をお笑いの方に振るべきだったのじゃないかなぁ。最新の技術を駆使した泥棒シーンにしても何でもあり的な小道具は緊張感を削ぐし、変にリアルな展開は様々な脚本上の穴を大きくしてしまっています。そして何より、オリジナルに比べてドラマ的にもキャラクター的にも「粋」じゃないというのが何とも残念。せっかくリメイクするのにオリジナルの一番の魅力を再現できていないのでは意味がないなぁと。
とまぁ色々と文句をつけましたが、でも軽~く見るには悪くない映画だとは思いますよ。やはり豪華キャストの競演を見るだけでも楽しいですし、特にエリオット・グールドの登場は嬉しかったですねぇ。
しかし本作で一番の問題と思うのは、ジュリア・ロバーツ扮するヒロインのキャラ付けがあまりに適当で、こんなバカ女を必死に取り戻そうとするオーシャンもまたバカにしか見えないというところでしょう。ジュリア・ロバーツという女優さんは結構好きなだけに、こういう魅力のない(しかしおそらくスタッフもキャストも魅力的な女性として描いているつもりの)役を演じているのを見るのは残念なことでした。
まーそれはそれとして思い出話を一つ。
オリジナルの「オーシャンと十一人の仲間」は子供の頃から何度もTV放送で見ているのですが、最後に見たのは10年ほど前でしょうか、サンTVの今は亡き「火曜ロードショー」でのことでした。で、その枠の解説は山城しんご氏がやっていたのですが、放送後の解説でやたらと怒っていたのが記憶に残っています。
何がそんなに気に入らなかったのかと言うと、悪役の声の吹き替えが関西弁だったこと。
「なんで悪役ゆうたらいつも関西弁で吹き替えられんねん! 関西をバカにしとんのか!」と(笑)。
いや、気持ちは分からないでもないけど、映画の解説してくれ(笑)。でもそのことがあってから、映画解説者としての山城氏が少し好きになりましたよ。
放送記録:2006年07月29日PM09:00~11:24関西テレビ「土曜プレミアム」
アンディ・ラウ主演の戦う僧侶の物語。
という知識くらいしか持たず、いつもの大味な香港アクションかな~と思いつつ見てみましたが、いやいやこれはなかなかに面白い作品です。公開当時のアクションシーンを前面に押し出した作りの予告編とも随分印象が違いますね。
「マッスルモンク」(2003)
RUNNING ON KARMA
人気の男性ストリッパーであるビッグガイはかつては僧侶だった。修業時代に大切な女性が犯罪者に殺されたことで人の持つ業(カルマ)を悟り、僧衣を脱ぎ捨てたのだった。また彼はその時から他人の前世の姿を見通す力と、その前世の業によってその人物が死を迎える時期を知る力を得たが、彼はその力から目を背けて日々を過ごしていたのだった。
そんなある日、彼はストリップ劇場の取り締まりで出合った女刑事の背後に中国人を惨殺する日本兵の姿を見る。その前世の業によって、いずれ彼女は殺されることになるのだろう。最初は見て見ぬふりをしようとしたが、しかしその女刑事に徐々に心惹かれていく彼は彼女を死の運命から救うために戦う決意をするのだった。
前半はいかにも娯楽アクション調で楽しい展開。開幕早々に登場のアンディ・ラウのムキムキ肉襦袢姿に笑わされます。この全身特殊メイクによるムキムキボディは結構良くできているのですが、でもどう見ても作り物なのが味でもありますね。その動きにくそうな特殊メイクで軽快なアクションを繰り広げるラウは大したもの。このラウと女刑事が互いに心惹かれていく描写はどこかコメディチックでもあり、微笑ましくもあります。
最初の見せ場は殺人を犯したインド人格闘家との対決ですが、その相手の中にも前世の業を見て助けようとするビッグガイの姿は爽やかです。嫌みで暴力的なくわえ煙草の特務刑事とビッグガイのやり取りやその顛末も臭い展開ながら心温まります。
女刑事フンイーに扮するセシリア・チャンは美人というほどでもありませんが、とても愛嬌があって魅力的です。映画前半のコミカルな展開に相応しいキャラクターと言えるでしょう。しかしだからこそ、終盤に至る展開がさらに衝撃的なものになります。
いずれ死ぬのなら世の中の為に、ビッグガイの為に命をかけようとするフンイー。そして自分自身の業と対峙することになるビッグガイ。それぞれの辿る結末は厳しいものでした。終盤、観念的で説明不足な感もありますが、その物語の持って行き方はなかなか見事。僧衣を纏ったビッグガイがくわえ煙草で歩み去る爽やかなラストシーンと共に、心に残る一本となりました。
ところで自分の姿をビデオカメラで撮影しながら記録を残していくフンイーは、ちょっと「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」(1999)ぽかったなぁと思ったり。意識しているのかな。そのカメラに犯人に襲われるフンイーの姿が映っているのは「ブレア」の元ネタの「食人族」(1981)ですかね。実はすごくそれっぽい、ちょっと鬱になりそうな嫌ショットもあったりして・・・。
放送記録:2006年06月28日AM01:59~3:54読売テレビ「CINEMAチューズデー」
先週に続きましてリュック・ベッソン制作、脚本によるアクション作の登場です。
金さえ払えばどんな物でも秘密厳守ルール厳守で運んでみせるクールな運び屋の物語。開幕早々、銀行強盗グループを乗せて追跡するパトカー集団を振り切って見せるあたり実に快調。犯人を契約通りに必ず逃がして見せると言うと、ライアン・オニール主演ウォルター・ヒル監督の快作「ザ・ドライバー」(1978)を思い出しますな。
「トランスポーター」(2002)
THE TRANSPORTER
見る前は同じベッソン制作の「TAXi」(1997) をちょっとシリアスにした程度のカーアクション映画かなと、まぁあまり期待もしないで見たわけですが、オープニングの見事なカーアクションから序盤の展開はテンポも良くてなかなかに期待が膨らみます。自らのルールの為ならば人死にも厭わない主人公の冷徹さも良し。演じるジェイソン・ステイサムも良い感じ。
ところがとある組織に頼まれた荷物に異常を感じ、荷物は決して開けないというルールを破って中を見てしまったことからやっかいな事態に巻き込まれることに。中から出てきたのは中国人のお姉ちゃん。とにもかくにも契約通りお姉ちゃんを約束の場所に届けたものの、その後大事な愛車は爆破されるは命は狙われるはの大騒ぎ。怒りに燃えた主人公は相手の屋敷に乗り込んで大暴れするのであった。
でまぁ、そのまま成り行きでお姉ちゃんも助けてしまうわけですが、ここら辺りから序盤のクールさはどこへやら主人公が急に中途半端な善人になってしまうのが困ったところ。そしてそんな彼を見て「これは使えるわい」とばかりに調子よく懐柔にかかる中国女が非常にイヤだ。父親が殺されるとか大嘘つきまくるわ、自分の肉体を道具に使うわ、最終的な目的が善意に基づく物だったとしてもやり方が小狡すぎてどうにも好きになれないヒロインというのも困りもの。
そんなお姉ちゃんに振り回されて愛車はおろか家まで爆破されてしまう主人公はちと気の毒ですね。
あ、でも組織は最初から主人公を口封じに殺すつもりだったわけだし、主人公を巻き込んだ上に組織を潰された悪党連中の自業自得とも言えますかね。
さて、まんまと女に騙されて組織のボスのところへ乗り込んでみると、組織のボスは中国女の父親でした(笑)。
ここら辺りから物語がハチャメチャになっていきます。
組織のやっている人身売買の秘密を知った主人公をあっさりと警察に引き渡すボス(笑)。組織への反撃と中国女の奪回を誓う主人公に期待をかけ、自ら人質になったふりをして拘置所から逃がしてあげる警部さん(笑)。主人公は車や飛行機を(盗みながら)乗り継いで敵を追うのであった。
まーなんと言いますか、いつものベッソン制作映画らしく掴みはオッケーだけど中身はグダグダ感の漂う作品であります。設定から予想されたカーアクションもオープニングと終盤に少しくらいでちょっと期待はずれかな。格闘アクションに関してはちょっと面白い演出もあり。全体的に狭い空間での格闘シーンが多かったり、全員オイルまみれでツルツル滑りながら戦ったりと、どこかジャッキー映画に通じる感もあります。本作の監督をルイ・レテリエと共につとめるコリー・ユンは「ロミオ・マスト・ダイ」(2000) 等で武道指導やアクション監督をしている人ですが、そこら辺の香港アクションテイストが良く出ていた感じです。
ところで組織のやっていたことですが、本当に人身売買だったのかどうか疑問が残ります。彼ら自身が否定していたのもありますが、コンテナに詰め込まれた中国人達の画がどうにも難民に見えるのですよね。中国の蛇頭みたいに金を受け取って難民を他国に逃がすみたいなことをやっていて、それを娘が誤解していたようにも思えたり。
でもって、どうして娘を運ぶのにわざわざ鞄に詰めて主人公みたいな組織と無関係な人間に任せたのかも謎。物語からすると警察ですら手出ししにくいほどの組織みたいですし、娘の輸送くらい自前でやっていれば無意味に主人公を怒らせて組織を壊滅させられることもなかったのにね~。
と言うわけでベッソンさん、制作脚本作品を狂ったように乱発する前にもう少し脚本を練りましょうよ。
放送記録:2006年05月28日PM09:00~10:54ABCテレビ「日曜洋画劇場」
と言うわけで見ました。しかし前半あたりは他の用事をしながらの鑑賞となったので、ややストーリーがわからなくなってしまったり。そう言えば前作「クリムゾン・リバー」(2000)がTV放送された時も途中で電話が掛かってきたりしてワケわかんなくなったなぁ。このシリーズとはどうも巡り合わせが悪いのかも。
「クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち」(2004)
CRIMSON RIVERS 2: ANGELS OF THE APOCALYPSE
雨に濡れたキリスト像を接写していくタイトルバックにまずはワクワク。うら寂しい修道院の壁から血が流れ出し、塗り込められた死体が発見されるオープニングも期待を煽ります。そして謎の修道僧達によって繰り返される連続殺人の被害者がみなキリストの12使徒と同じ名前であることがわかっていきます。
こういう宗教絡みのミステリって好きなんですよね、「薔薇の名前」(1986)とか。本作も陰鬱な修道院や宗教絡みの連続事件が、美しい映像も相まって物語を盛り上げていきます。
が、殺人修道僧がその超人的な身体能力を見せ始めたあたりからどうも雰囲気が変わってきます。自在に飛び跳ねて屋根やら列車の上やらを駆け抜けていく姿に、思わずお前ら「YAMAKASI」(2001)軍団かいと言いたくなります(笑)。さらに拳銃で撃たれても平然と襲ってくる姿に、あれれ?この映画ってミステリやサスペンス映画ではなく オカルト映画なのかな?なんて思ってしまいます。
まあでも、スーパーでの襲撃等緊張感のあるシーンが次々展開するのは良し。やがてドラマに第二次大戦時のドイツ軍地下壕の秘密など絡んできて、私の好き要素満載的な展開になっていくのが実に嬉しいところでした。
が・・・終盤に至って様々な謎が明かされていくところで激しく失望。元ナチスのおっさんの狙いは財宝のみ? 宗教絡みの理由が無かったということは、それまで散々描いていた宗教絡みの伏線は全て雰囲気作り以上の物ではなかったと? キリストと12使徒を模した人々の連続殺人も特に意味は無かったみたいだし・・・。で、最後は地下坑道を舞台に「インディ・ジョーンズ」か「ダイハード3」かと言うような脱出劇を繰り広げ、ラストに笑えない会話で落ちを付けてチョン。
・・・うーん。
前作はベストセラー小説の映画化でしたが、今回はリュック・ベッソンによるオリジナル脚本。どうもベッソンさん、ハリウッド的アクション映画の作りに変に捕らわれちゃってるのかなぁ。オリヴィエ・ダアン監督の演出そのものは概ね悪くなかったとは思います。
事件を追う2人の刑事にジャン・レノとブノワ・マジメル。レノの上手さはもちろんですがマジメルも良く、このコンビはなかなか良い感じ。
2人に協力する宗教に詳しい女刑事(?)に扮するカミーユ・ナッタは無駄に美人(笑)。結局大した活躍も無かったのは残念。しかし彼女が首から下げているロザリオが逆さ十字ぽく見えるので何か重要な意味があるのかと思ったのですが・・・。
敵黒幕の元ナチスのオッサンにクリストファー・リー。しかし昨今リーのメジャー大作への氏湯津園が続いているのは往年の怪奇映画ファンとしては嬉しい限りなのですが、本作を含めて折角のリーのキャラクターが生かされていないゲスト出演みたいな使い方なのは勿体ないと言うか、大きく不満ではあります。
あそうそう、不死身の殺人修道僧軍団ですが、もちろんオカルト的存在ではなくて麻薬によるドーピングという説明が付いていましたよ。でもアンフェタミンて、痛みを感じさせにくくするのはともかくとして、体力筋力を通常時の10倍にするという説明はちと嘘くさいような。撃たれても倒れないというのも普通にローブの下に防弾着を付けていたという方が納得いく気がします。
主役である2人の刑事も、終盤では物語的に何の活躍もしていないのは脚本に問題があるかと。2人はあっけなく敵に捕らわれ、その後悪の組織は勝手にトラップに掛かって自滅だもんなぁ。別に2人が乗り込まなかったとしても勝手に自滅していたのでしょうし。ここら辺の展開は本当に不満。
ついでにトラップによってドーピング超人軍団があっけなく全滅するのに、ロープで縛られていた2人だけが脱出できるってのも無理矢理だなぁ、と(笑)。
と言うわけで、掴みも雰囲気作りも良し。しかしクライマックスでぶち壊しという一編でありました。
放送記録:2006年05月21日PM09:00~10:54ABCテレビ「日曜洋画劇場」
邦画は面白い。そう最初に思わせてくれたのが市川崑監督による'70年代の金田一シリーズでありまして、特に「犬神家の一族」(1976)「悪魔の手毬唄」(1977)のその面白さと完成度の高さに惚れ込んだものであります。同時に名探偵金田一耕助役は石坂浩二氏こそが最適であると、まぁ頭にしつかりとこびり付いてしまいました。以降、古谷一行氏や最近の稲垣メンバーまで様々な俳優さんが金田一探偵を演じ、それぞれに頑張っているもののどうしても石坂金田一と比べてしまいます。
というわけで長年の私の夢は、もう一度市川監督演出で石坂金田一の活躍を見てみたいというものでした。
古谷一行氏が老けまくってもなお現役で金田一耕助を演じているのを見るに、まだ比較的若々しい石坂氏でも十分に金田一が演じられるのではないか。
まぁでも、実際問題実現はあり得ないだろうとは思っていました。また、久しぶりに市川監督が撮った金田一ものである「八つ墓村」(1996)の(これは石坂金田一ではなく豊川悦司氏が金田一を演じていたわけですが)ダメ映画ぶりに、もう今の市川監督には金田一ものは無理ではないかとも思ったものです。
ところが今年になって突然・・・
復活「犬神家の一族」(2007)
http://www.toho.co.jp/lineup/inugamike/
最初に話を聞いた時は、どうして今更という思いが強くありました。市川石坂コンビの復活は単純に嬉しいと思いつつ、どうして「犬神家」なのか。すでにして完成された作品をリメイクする意味があるのか。どうせなら'70年代のシリーズで映像化しなかった原作を選んで欲しかったと。
発表された配役を見ても確かに現状では錚々たる俳優を集めてはいるものの、どうしても'76年版と比べると見劣りしますし、市川監督もインタビューで自身の撮ったオリジナル版を超えることができるか悩んだと言っておられます。ならばなおのこと、もっと他の原作を映画化して欲しかった。まぁ・・・商売上の理由として「犬神家」を選んだのも分からないではないし、記念すべき第一作である「犬神家」をリメイクしたいと思う一瀬隆重プロデューサーの気持ちも同年代の者として分からないでもないんですけどね。
とは言うものの、1月の制作発表以来出てくる報道を見ているとそれでもやはりワクワクは大きくなりますね。
昭和版超える!!「犬神家」の恐怖…市川崑監督「前作に負けたくない」
http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20060505-OHT1T00060.htm
「犬神家…」撮影順調 菜々子は緊張
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2006/05/05/03.html
「犬神家の一族」1億円セット公開…細部もこだわってます
http://www.sanspo.com/geino/top/gt200605/gt2006050505.html
制作に一億をかけた犬神家大広間セットでの撮影が始まったようで、豪華な広間に居並ぶ俳優さんたちの写真に昔を思い出させられます。
まぁなんだかんだ言って、市川監督の演出や、富司純子や加藤武、仲代達矢といった名優の演技は期待されます。でも野々宮珠世役に松嶋菜々子というのだけは納得できないなぁ。
公開は2007年。オリジナル版を超えることは無理だとは思いつつ、公開の暁には期待半分不安半分で見に行きたいと思います。
制作ジョエル・シルヴァーと監督アンジェイ・バートコウィアクが「DENGEKI 電撃」(2001)に続いて放ったアクション快作。「DENGEKI 電撃」でのスティーヴン・セガールに変わって、今回はジェット・リーのアクションが炸裂です。シャープな実戦向けアクションとしてこの二人のアクションタイプは似ていますよね。ジェット・リー、いいですよ。
なんだけど、本作はどちらかというとやはり「DENGEKI 電撃」にも出ていたDMXに物語の比重が置かれぎみ。ジェット・リー主演作として見ると、ちょっと物足りないかも。
「ブラック・ダイヤモンド」(2003)
CRADLE 2 THE GRAVE
宝石保管所から黒いダイヤモンドを盗み出したDMXと仲間達。だがその黒いダイヤには恐るべき秘密があったのだ。犯罪組織に娘を誘拐され黒いダイヤを要求されるDMXは、やはりダイヤの行方を追っていた台湾諜報部のジェット・リーと協力して組織壊滅に向かうのだった。
まぁ、今作も特にどうということもないストーリーです。リーやDMXのカッコイイアクションがテンポ良く披露できたらそれていいわけで、まードラマに期待している人はそんなにいないだろうからこれはこれで良いのでしょう。
でもって単純なアクション映画として見るならかなり爽快感高し。DMXもアクションに関しては見劣りするのは仕方ないとしても、なかなか良いヒーローぶりですよ。今回のジェット・リーや前回のセガールさんみたいな本格的アクションスターと競演しているところが不利ではあるわけですが、今回は良き父親ぶりも見せて悪党だけど実は良い人なんだぜ~ぶりをアピールしてます。
リーに関しては中盤の地下格闘場での1対多の戦いは大きな見せ場。ちょっと無敵すぎやしませんか(笑)とも思いますが、作品的にも役者的にも第2のセガール的位置を狙っているのかなぁって感じでもあります。で、ラストの敵ボスとの対決は他の登場人物のアクションにも喰われた感じで、ちょっと喰い足りず。折角の本物の格闘アクションが出来る人なんだし、もっと長丁場でクライマックスを盛り上げて欲しかったところです。
それにしてもラストの敵ボスを殺すシーンにはかなり不快感。映像自体がショボいのもありますが、あんな殺し方をする意味がまったく理解できず、あのシーンのおかげで盛り上がりに水を差された感じです。
そんな感じで、娯楽アクション作品としてはまず悪くなし。ただ記憶に残りづらそうというのはこの手のハリウッドアクションの共通項なんで仕方ないですな。ジャッキー作品なんかでもハリウッドで撮った映画はどれも印象薄いんですよねぇ。
しかし「DENGEKI 電撃」と間をおかずに本作を放送する日曜洋画劇場さんの意図はいかに?(笑) 監督が同じ人なんで全体の印象が似てしまうのは当然として、それ以上にDMXを始めとして登場俳優が被りまくっているのが気になりますな。あたかもシリーズ作品のように。もう少し間を空けて見たかった感はあります。
放送記録:2006年04月30日PM09:00~10:54ABCテレビ「日曜洋画劇場」
副題の「時空を超えた戦い」とはいったい何のことでしょうか。見る前はタイムスリップ物かと思ってしまいましたよ。ジュブナイルホラーの良作「ドラキュリアン」(1987)みたいなのかと。こういう誤解を招く詐欺的邦題を付けるのはいかがなものかと思いますねぇ(笑)。
さておき、
「リーグ・オブ・レジェンド 時空を超えた戦い」(2003)
THE LEAGUE OF EXTRAORDINARY GENTLEMEN
謎の仮面の男ファントムの暗躍によってヨーロッパの各国は一触即発の状態になっていた。このままでは世界戦争が始まってしまう。英国情報部のMはそれぞれに特殊な能力を持った者達を集め、超人同盟を結成。彼らにファントムの組織壊滅と戦争回避の期待をかけるのだった。
とまあ、超能力を持った複数のヒーロー達が悪の組織と戦うというアメリカンコミック的アクション映画です。ただ時代が100年ほど前で、出てくるヒーローが好き者には堪らない面々というところが売り。まあ「ファンタスティック・フォー 超能力ユニット」(2005)や「X-MEN」(2000)のアナクロ版というところですか。
で、その堪らない超人同盟の面々。
「キングソロモンの秘宝」の冒険家アラン・クォーターメイン、潜水艦ノーチラス号を操る「海底2万マイル」のネモ船長、「吸血鬼ドラキュラ」でドラキュラを魅了したミナ・ハーカー嬢、「ドリアン・グレイの肖像」の不死の男ドリアン・グレイ、ジキル博士とハイド氏、透明人間、そしてアメリカから参戦のトム・ソーヤ。それに加えて英国情報部のMは007シリーズからだろうし、敵は怪人ファントム、「シャーロック・ホームズ」の登場人物まで登場。
子供の頃に古典SFや怪奇小説、冒険小説を読みあさった人、その手の映画を見まくった人ならこの顔ぶれだけでワクワクしますよね。
はい、ワクワクしました。特に私はブログ始めた頃にも書いた通り19世紀末頃のロンドンが大好きなのでなおさらワクワクします。
が、そのワクワクがキャラクター設定の部分で止まってしまっているのがなんとも残念。映画自体はいつものハリウッドのアクション大作的大味作品になってしまっているんですよねぇ。それぞれが主役級のヒーロー達を一堂に会しながら、それぞれのキャラクターが一向に生かされていない。見どころは派手な殴り合いと大爆発では何のための彼らなのか。
原作は未読ですがそれぞれのキャラを生かしたとても良いパスティーシュ作品だと聞きます。それを元ネタを知らないでも楽しめるようにと薄めまくり、ハリウッド的味付けをしたらこういう「いつものアクション大作」が出来上がったというところでしょうか。
後ねぇ、序盤でファントムの部下がファントムのことをジェームズと呼ぶの、普通にこの時代の小説等が好きな人なら誰もがファントムの正体にピントきますんで、伏線としては唐突感もありましたし最低かと。
とまあ、元ネタ好きとしては不満もありますが、アクション娯楽作品としては普通に楽しめる出来ではあったと思いますよ。
ところで、過去様々な映像作品やイラストなどで描かれてきたノーチラス号ですが、本作でのデザインはかなり好きな部類です。こういう優雅さのあるデザインは良いなぁ。
今回最も活躍していたキャラはネモ船長でしたし、もし続編を作ることがあればネモ船長を主役にこのノーチラス号の大活躍を見てみたいところ。
放送記録:2006年04月28日PM09:30~11:24読売テレビ「金曜ロードショー」(野球中継延長により30分押し)
追記。
本作の監督スティーヴン・ノリントン氏は吸血鬼アクションの快作「ブレイド」(1998)の監督でしたが、今回フィルモグラフィーを見てみるとイギリスの異色ロボットホラー「デスマシーン」(1994)の監督でもあったのですね。これがデビュー作なのかな? いやいや、好きなんですよデスマッスィーン。低予算で荒削りながら勢いのある怖い映画でした。「デスマシーン」と「ブレード」が同じ監督の手によるというのはちょっと納得。でもこの2本に比べると今回の「リーグ・オブ・レジェンド」は、ちと頼りない出来ではありましたねぇ。大衆向けファミリー向けと考えると仕方ないことかもしれませんけれど。
近年のホラー映画としては出色の出来だと思うのですよ。
ファイナル・デスティネーション(2000)
FINAL DESTINATION
パリに修学旅行に出かける直前、アレックスは自分達の乗る予定の飛行機が空中爆発する夢を見る。大騒ぎしたアレックスは数人のクラスメイトと共に飛行機からつまみ出されるが、彼らの目の前で離陸した飛行機が現実に爆発してしまったのだ。奇跡的に命の助かったアレックスを含む7人だったが、しかし生き残った彼らは一人また一人と奇怪な死をとげていくのだった。
予知夢によって死を回避した7人が、しかしそれでも決められた運命から逃れられないのだろうかという物語。逃れようとしても、また逃れたと思っていても死が付きまとってくるという発想が面白いですね。そして身近に死の運命が迫るのを感じるのは恐怖です。
と言いつつ、実のところこの映画の最大の見どころはその「死」そのものなんですけどね。彼ら7人がいかな死に様を見せるのか。そんな不謹慎な期待を見事なエンタテイメントとして映像化したのが本作。あっと驚く死に様から、これはどんなアトラクションかと思うような凝りに凝った仕掛けまで、人の死をエンタテイメントとする奇抜な娯楽作品に仕上がっています。いや面白い。
多数の死の中で一番驚いたのはバスのシーン。そのあっけなさぶりが恐ろしいと同時に、ラストに向けての伏線になっているところも良し。逆にクライマックスのクレアに死が迫るシーンはやりすぎ感強し。
それにしても小さな出来事から運命の死へと向かって転がっていく仕掛けはピタゴラスイッチを見ているようでもあります(笑)。
放送記録:2006年04月28日AM01:40~02:25読売テレビ「シネマtrip」
でまあ、出来が良い作品だったので当然続編が作られていますね。
「デッドコースター」(2003)
FINAL DESTINATION 2
日本では妙な邦題が附いたおかげでシリーズ物と気づかない人も多かったようですが、こういうストーリー的に繋がりのある続編はちゃんと分かるようにしておいて欲しいところです。
で、本作の展開は前作とほぼ同じです。しかし説明的な部分を省略した分「死のエンタテイメント」部分にさらに力を入れてド派手にショーアップし、「面白い続編」パターンに見事に乗っています。一作目ももちろん傑作だと思うのですが、それよりもさらに面白い娯楽ホラー映画に仕上がっているのですよ。
友人達と共に車で旅行に出かけるキンバリー。車がハイウエイに差し掛かろうとした頃、彼女は恐ろしい白昼夢を見る。大型トラックの荷崩れによってハイウエイを走る多数の車が阿鼻叫喚の大事故に巻き込まれるのだ。彼女は車を止め、ハイウエイに向かう道は渋滞となる。道を空けろと詰め寄るドライバー達。だが次の瞬間彼らの目の前で凄まじい事故が発生したのだ。奇跡的に生き延びることの出来た人々。しかし彼らは一人また一人と奇怪な死を遂げていくのだった。
というわけで、最初の事故が飛行機から自動車に変わっただけでやっていることは同じです。しかし先にも書きました通り、より派手により残酷に、そのショーアップぶりが見事ですし、その驚かせる仕掛けも堂に入ったものです。
終盤の混乱ぶりが残念ではありましたが、娯楽作品としては前作よりもかなり好きですね。
お気に入りシーンはガラスでぺったんこと、エアバッグでグッサリ。こういう予想だにしない死にぶりはお見事。飛んできた有刺鉄線でバラバラもその酷さが良し。しかしまぁ、本作の一番の見せ場はやはり最初のハイウエイ事故の壮絶さでしょうか。どうやって撮影しているのか、最初から度肝を抜いてくれます。
前作よりもかなり制作費もアップしたのか、序盤の事故シーンを含めて全体的に映像のクオリティーは高いですよ。
それにしてもラストの爆発は・・・何度見てもモンティーパイソンを思い出してしまいます(笑)。
でまあ、この第2作目もヒットしたのか3作目も作られたようですね。
日本での公開が延期されているようですが、クライマックスの電車事故シーンが余りに酷い内容なので昨年の尼崎列車事故に配慮してとの噂もあるようです。
シリーズ第1作のジェームズ・ウォン監督が再び手がけているということもありますし、評判も良いようなので早く見てみたいところではありますね。
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