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映画のコトやら何やら綴りませう
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ここ数年の海外でのゾンビ映画ブームの立役者でしょうかね。実のところ初見の時にはあまり感心しなかった本作ですが、それから何度か繰り返し見ているうちに徐々に好きになった作品でもあります。

「バイオハザード」(2001)
RESIDENT EVIL

まぁ元々「バイオハザード」は原作ゲームのファンだった(と言ってもプレイしたのは3作目までですが)こともあって、あのドキドキ感ゾクゾク感がどの程度再現されているかと期待していたわけです。ですがこの映画版は、まぁ一応は原作の舞台立てを踏襲しているものの、ゾンビの扱いも中途半端ですしホラー映画としても中途半端であるなぁ、と。
主役アリスも演じるミラ・ジョヴォヴィッチは好きだし魅力的ではあるものの、その超人的アクションを見るにこれは「バイオハザード」なのか?という感じでした。
つまりは映画としてはそれなりに面白いと思いつつ、一方でゲーム「バイオハザード」の映画化という部分に拘っていたのですね。ですがゾンビ映画やホラー映画への拘りを横に置いて見るなら、これはサバイバル・アクション映画としては決して悪くはないのですよ。

監督のポール・アンダーソンは「イベント・ホライゾン」(1997)でもその独特の恐怖演出に感心させられましたし、「エイリアンVS. プレデター」(2004)も面白い出来でしたね。そこそこの制作費で想像以上に面白い作品を作る、B級アクションの名手だと思います。多少のドラマの整合性を犠牲にしても娯楽性を追求するわかりやすい手法は好きです。本作の続編「バイオハザード II アポカリプス」(2004)を自ら監督しなかったのは本当に残念。

ところで中盤のゾンビの群れが襲いかかってくるくだりは初見の時からかなり好きです。ゾンビ映画好きとしてはその後の展開に期待したものでしたが。それに特殊部隊員の女戦士レインを演じるミシェル・ロドリゲスを知ったのも収穫でした。「エイリアン2」(1986)のバスケスを彷彿とさせるキャラクターですが、こういうキャラは大好きですねぇ。部隊の黒人隊長も良かったのですが、活躍の場がなかったのは残念。
そしてラストの無人となったラクーンシティを撮す画が素晴らしく、ここばかりは何度見てもゾクゾクします。見事な作り込みですよねぇ。「死霊のえじき」(1985)の名オープニングや「28日後...」(2002)と同様のイメージですが、ゾンビ映画を始めとする近未来ホラーの終末感が上手く出ていると思います。
このラストシーンを見た時は続編に激しく期待したものですが・・・、まぁ「バイオハザード II アポカリプス」という作品自体は嫌いではありませんが、少々期待とは違う作品になっちゃいました。

放送記録:2006年12月23日PM9:00~10:54関西テレビ「土曜プレミアム」

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さすがテレ東、他局に出来ないことを平然とやってのける!
というわけで「木曜洋画劇場」からのステキなクリスマスプレゼント。今年3月に同枠で放送した「スパイ・エンジェル グラマー美女軍団」(1990)と大同小異のこの一本。
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
 ⊂彡

でお馴染み・・・

「グラマー・エンジェル危機一発」(1986)
HARD TICKET TO HAWAII

組織のダイヤ取引現場に偶然行き会わせたグラマーエンジェル。ダイヤを奪われた組織は次々と頼りない殺し屋を差し向けてくる。一方猛毒を持った大蛇が逃げ出し、何故だか物語の端々に居合わせるのだった。

ストーリーは例によって一山5円みたいなもので、アンディ・シダリス監督の他作品とまさに大同小異。チープなアクションとヘロヘロな演技、まとまりのないストーリー、そしてゲップが出るほどのおっぱいに次ぐおっぱい。そう、シダリス監督の作品はどれもそうですが、本作もまさに「お姉ちゃんたちのおっぱいと尻を見せるためだけの」映画なのですねぇ。そのためだけに、どこまで本気がわからないような狂った脚本が用意されているわけです。

ぱい!おっぱい _, ,_ ∩ おっぱい!おっぱい!おっぱい!おっぱい!
おっぱい!  ( `Д´)彡 おっぱい!おっぱい! おっぱい!
おっぱい!⊂l⌒⊂彡 おっぱい!おっぱい!おっぱい!おっぱい!!
い!おっぱい!(_) )  ☆ おっぱい!おっぱ ∩__∩おっぱい!!
おっぱい!  (((_)☆ おっぱい!おっぱい/   /おっぱい!!
おっぱい!おっぱい!おっぱい!おっぱいお |   _ ∩ おっぱい!
 ∩∩_, ,_ _, ,_∩∩ おっぱい!おっぱい! ( ゚∀゚)彡おっぱい!
ミミ(Д´≡`Д)彡 おっぱい!おっぱい!おっ∪⊂彡おっぱい!!
 ミ⊃⊃⊂⊂彡 おっぱい!おっぱい!おっぱい!おっぱい!!
ぱい |   | おっぱい!おっぱい!おっぱい!おっぱい! おっぱい!
ぱい し ωJ おっぱい!おっぱい!おっぱい!おっぱい! おっぱい!!

と言うワケなのです。

いや、潔いと思いますよ。同じセクシー・アクションが売りで内容の無さではいい勝負の「チャーリーズ・エンジェル」(2000)なんぞよりは100倍面白い。制作費の点では1000分の1以下だと思いますが(笑)。

とまぁシダリス監督の(下世話な)心意気だけは褒めたものの、いやいや・・・やっぱり映画としては酷いものですわコレ。行き当たりばったりのいい加減なストーリーと、合間合間に脈絡無く出てくるおっぱいにその内訳がわからなくなってきまして、結局途中でストーリーを追うのを諦めましたよ(笑)。しかし監督の意図したことではないでしょうが、とにかく全てに置いてツッコミどころが満載で楽しい作品には仕上がっています。今回も2時間の間、腹筋が痛くなるほど笑わせていただきましたよ。

特にお気に入りシーン。
その1:
グラマーエンジェルの仲間のマッチョ二人組が殺し屋に襲われるシーンですが、何故か殺し屋はスケボーに乗って片手に拳銃、片手にはダッチワイフを抱いて襲ってきます。すかさず自動車で殺し屋をはね飛ばすマッチョ。そしてロケットランチャーを構えて空中を舞う殺し屋に発射! 爆発四散する殺し屋。続いてやはり宙を舞うダッチワイフにも発射! 爆発四散するダッチワイフ(笑)。
その2:
組織のボス、ロメロに追いつめられたエンジェルの一人がトイレに逃げ込む。と、突然便器の蓋を跳ね上げて巨大な毒蛇が登場。その姿はまるでレッドスネークカモン的だが、それに加えて登場と同時に便器の中がピカピカと光ってモクモクと煙が出てくるというオマケ付き(笑)。
ちなみにやられてもやられても立ち上がって襲ってくるロメロはまるでゾンビの様なのですが、これももしかしたらゾンビ映画の巨匠ジョージ・A・ロメロ監督へのオマージュだかパロディだか・・・なんかそんなモノだったのかもとか思ったり。

いや~、映画自体はどうしようもない程にチンケでバカですが、こういう明快な娯楽作を低予算で作り続けたシダリス監督の才能はなかなかにバカに出来ないと思うわけです。
まぁしかし・・・この年の瀬も押し詰まった頃にこういう映画を見ながら腹抱えて笑っているってのも大概バカですけどね(笑)。

放送記録:2006年12月21日PM9:00~10:55TV大阪「木曜洋画劇場」

「オバンバだよ~!」「まったくハーゲンタフだ!」でおなじみ、ダン・オバノン監督による「バタリアン」(1985)は笑いあり恐怖ありの傑作ゾンビ映画でしたな。で、それから20年、待望(?)のシリーズ最新作が登場です。

「バタリアン4」(2005)
RETURN OF THE LIVING DEAD: NECROPOLIS

軍が開発した薬品から発生したゾンビは全て殲滅され、薬品トライオキシンも廃棄されたはずだった。しかし巨大複合企業ハイブラテック社はロシアのチェルノブイリ原発の廃墟に隠されていたトライオキシンを入手し、秘密裏にゾンビの研究を始めていた。
一方、両親を事故で亡くしたばかりの高校生ジュリアンは精神的に不安定な状態が続いていた。ある日、友人のジークがバイクで転倒して救急車に乗せられた。だが病院には輸送されていないという。ジークが何の目的だかハイブラテック社のビルに運び込まれたことを知ったジュリアンは仲間と共にビルに忍びこむ。だがそれが原因でセキュリティ・システムが故障し、ゾンビたちが閉じこめられていた部屋の鍵が開いてしまったのだ。ビルの中にゾンビがあふれ出し、阿鼻叫喚の地獄図が展開する。
ハイブラテック社の目的はゾンビによる世界征服だった(笑)。そのためにゾンビ化の上サイボーグ手術を受けバイオソルジャーにされてしまったジュリアンの両親もまた襲いかかってくるのだった。

なんつーか、「バタリアン」の続編と思うとちょっと腹立たしく感じるかも。脳みそを喰うことに拘ったり「もっと警備員を寄こせ~」と電話口に向かって言ったりと細かいネタは拾っているものの、最もバタリアンの強烈な特徴であった不死性はどこにもありません。頭部はおろか胴体を何発か撃たれただけで倒れていくゾンビにはがっかり。
さらにもったいぶって終盤に登場するサイボーグ・ゾンビ。見た目が「スター・トレック」シリーズのボーグそっくりなのはご愛敬として、これがまた弱い上にまったく活躍しないのは噴飯もの。ジュリアンの両親という泣ける設定の割にジュリアンとの絡みもあっさりしすぎですし。

全体としては「バタリアン」と言うより「バイオハザード」(2001)に近い内容だったかと思います。ハイテクビルとかの設定をもう少し上手く生かすことができればなぁ。
監督はエロリー・エルカイェムというまったく知らない人だったのですが、あのトンデモモンスター映画「スパイダー パニック!」(2002)の監督さんだったのですねぇ。本作の大味にしてまとまりのない内容に納得。

でもまぁ、作られる90%以上がクズと言われるかな~り基準の低いゾンビ映画ジャンルの作品としてはそんなに悪くもない方だとは思いますよ。ゾンビ映画好きの人間なら皆山ほどのどうにもならない作品を見てきているわけで(笑)、まぁその中では本作は「バタリアン」シリーズではなくただの「ゾンビ映画」としてなら十分に見られる作品ではあったかと。
ちなみに本作と同時制作された「バタリアン5」(2005)もあるわけですが、予告を見るかぎりでは本作よりは面白そうに見えます。まぁ監督スタッフが同じなんで、そんなに期待はしない方が良さそうですけどね。

最後に「バタリアン」シリーズ全作。
第1作「バタリアン」(1985)
THE RETURN OF THE LIVING DEAD

第2作「バタリアン2」(1987)
THE RETURN OF THE LIVING DEAD PART II

第3作「バタリアン・リターンズ」(1993)
THE RETURN OF THE LIVING DEAD PART III

第4作「バタリアン4」(2005)
RETURN OF THE LIVING DEAD: NECROPOLIS

第5作「バタリアン5」(2005)
RETURN OF THE LIVING DEAD: RAVE TO THE GRAVE

「ラスト・サムライ」(2003)
THE LAST SAMURAI

明治初期、時代の大きなうねりの中で押しつぶされ消えゆく武士の姿を描く。

白人兵士が異文化の人々の魂に触れ、その世界で生きていくことを選ぶ筋立てはケビン・コスナー監督主演の「ダンス・ウィズ・ウルブズ」(1990)を思い出させます。本作でトム・クルーズ扮するオールグレン大尉がインディアンと戦ったことのある人物で侍とインディアンを重ね合わせるあたり意識はしているのだと思います。と同時に本作の監督エドワード・ズウィックは南北戦争での黒人部隊の壮烈な戦いを描いた「グローリー」(1989)を撮っています。「グローリー」もまた、一人の白人指揮官が黒人部隊という異文化に飛び込んでいく物語でした。そう言えば本作クライマックスの合戦シーンはなんとも「グローリー」のクライマックスと似ていることか。

日本の四季を描く映像の美しさも特筆すべきでしょうか。また作中で描かれる様々な殺陣も想像以上に良く出来ていました。役者に関してはもちろん渡辺謙も良いのですが、真田広之がこれも想像以上に良かったのは嬉しいところ。

この映画について考証がなっていないという意見もありましょうし確かに首をかしげる部分も多々あるのですが、それでもこれは武士の生き様を真っ正面から描いた近来稀な優れた時代劇だと思います。本作が外国人監督の手によって撮られたことを誇りに思うと同時に、今の日本でこうした時代劇が作れないことを悔しくも思います。

放送記録:2006年12月10日PM09:00~11:39ABCテレビ「日曜洋画劇場」

内容無いけどとにかく派手だぜ!大味大作映画なら任せとけ!でおなじみローランド・エメリッヒ監督、渾身の一作。「GODZILLA」(1998)に続くニューヨーク・シティ受難の一幕でありますね。

「デイ・アフター・トゥモロー」(2004)
THE DAY AFTER TOMORROW

刻々と悪化する温暖化が、ついに全地球規模の気象異常を引き起こした。襲い来る巨大竜巻や大津波、そして大寒波。人類絶滅の危機かと思われたが、メキシコの国境を越えるとそこは平和だった。

ああ、エメリッヒ監督らしい映画だ。ストーリーらしいストーリーは無く、人間が描けてないのでドラマ的盛り上がりも皆無。しかしド派手な特撮映像を見ているだけで十二分に楽しく、2時間はあっと言う間のパニック超大作です。内容はツッコミどころ満載ですが、まぁいいまぁいい。いちいち上げてたら切りがないですしね(笑)。

ところで本作のストーリー、序盤の流れは「日本沈没」(1973)そっくりなんですねぇ。これくらいの映像で「日本沈没」もリメイクされたなら、それだけで価値があったのですが。

放送記録:2006年10月29日PM09:00~11:09ABCテレビ「日曜洋画劇場」

ホラー映画好きではありますが、基本は英ハマープロなどのゴシック・ホラー好きが原点なもので苦手とするジャンルがけっこうあったりします、私。例えば「ギニーピッグ」のようなエゲツないグロテスクなものとか、ミミズやナメクジみたいな軟体系が大量に襲ってくるのとか、「ジャンク」とかの本物の死体系とか、あまり積極的に見たいとは思いませんですね。
で、同様に苦手なのが食人族の系統。同じ人喰いホラーでもゾンビ映画なんかは大好きなんですけど、食人族系の妙な生々しさがイヤなんですよね。
まぁしかし、一度は見ておかないといけないかなぁなんて作品もありますし、ここらへんのジャンルも少しずつでも見ていこうかとは思っています。
ちなみに過去に見たことのある食人族映画は、昔劇場で見た「猟奇変態地獄」(1977・ビデオ題「アマゾンの腹裂き族」)とDVDで見た「食人帝国」(1980)くらい。かつて日本でも食人ブームを巻き起こした大御所「食人族」(1981)はいずれ見なくちゃいけないなぁ。

さて今回のお題は食人族だけでなく、ゾンビにマッドサイエンティストまで登場するググッとホラー寄りの作品。ゾンビ好きとしては見てみたかった逸品ですが、かな~りエゲツないとも聞いていましたので少々ビビりながら鑑賞です(笑)。
しかしこの作品と言うとその昔、神戸新開地の映画館で「人喰族」(1984)と食人映画2本立てで公開されていまして、劇場前のグログロ看板が見たくなくて前を通るのを躊躇していた記憶がありますねぇ。

「人間解剖島/ドクター・ブッチャー」(1981)
ZOMBI HOLOCAUST

病院の死体安置所で手や心臓など死体の一部が何者かに盗まれる事件が続発。盗んだ心臓を喰おうとしていた犯人は病院の看護士だったが、彼は窓から飛び降りて自殺してしまう。胸の入れ墨から犯人は今なお食人の風習を残す原住民の暮らすとある島の出身者と判明。人類学者のピーター率いる調査団が現地へと向かうことになる。
現地で研究所を持つ知人のオブレロ博士の協力を得て調査を開始するピーターたちだが、さっそく食人族の襲撃を受けて次々と仲間を殺されていく。そんな食人族たちを追い散らしたのは、突如出現したゾンビだった。
ピーターは救出に来たオブレロ博士の行動に疑問を感じ、その動向を調べようとするがゾンビの群れに捕らえられてしまう。一方ピーターと共に調査に来ていた女医のローリーはゾンビの手を逃れたものの、食人族に捕らえられ、生け贄にされようとしていた。

まぁ要は「モロー博士の島」なわけですよ。孤島でゾンビを作り続けるキチガイ博士に食人族まで詰め込んで、実にサービス精神旺盛な設定と言えましょう。しかしそのために恐怖の対象が定まらず、ホラー映画としては全体的に薄味で散漫な印象を与えることにもなってしまっています。何でも盛り込めばいいってもんじゃないですよねぇ。
グロに関しては食人族によるお食事シーンやキチガイ博士による脳移植シーンなど、個々のシーンは恐ろしいもののシーン自体が短いのでやはり全体として薄味。ゾンビもメイキャップはなかなか良いものの、博士に命じられて動くだけのブードゥゾンビ的な存在なのも残念。しかし調査団に同行する女性カメラマンが脳移植の為に頭皮を剥がされた姿で拘束され、悲鳴を封じるために声帯を切除されるシーンは結構くるものがありましたね。

ところで本作の「都会で事件発生→孤島のジャングルへ」という導入部がゾンビ映画の名作「サンゲリア」(1979)に類似しているとの声があります。本作のロケ地が「サンゲリア」と同じ場所だということらしいですし、主演俳優も同じ方ですし、まぁいろいろと関連はあるらしいです。
けど「都会の病院で食人事件発生→犯人の出身地判明→調査団が現地のジャングルへ」と考えると、どちらかと言うと「猟奇変態地獄」の導入部にそっくりだったりしますね。
まーここいらのイタリア製ゾンビ映画や食人映画はパクりパクられですし、そもそもスタッフもいろいろと被っていたりするので驚くにはあたらないような気もしますが。

そんな感じで本作、いろんなジャンルを詰め込みまくってストーリーもグダグダですが、しかしテンポ良く進むドラマに次々と登場する残酷シーンに退屈することなく最後まで一気に見てしまいました。娯楽性は高いですよ。

最後に、本作を見ていて思わず「そりゃないだろー!」と突っ込んだ最大のトホホシーン。
序盤の病院で窓から飛び降りた犯人の看護士。そのまま地面に叩き付けられた彼の片腕がちぎれ飛んだ! が、次のシーンでアップになると普通に腕が付いてますよ???
地面に叩き付けられるシーンの犯人は見るからに人形丸出しでして、腕が外れてしまったのも予想外の偶然だったのでしょうけれど・・・人形落とすシーンくらい撮り直そうよ・・・。

日本発アクションパニック超大作!
というわけで、とても良く頑張ってたと思いますよ。

「亡国のイージス」(2005)

某国テロリストの一団と、それに協力する海上自衛隊士官達によってイージス艦が占拠された。彼らは日本政府にある要求を突きつけ、それが呑まれない場合は毒ガス兵器を弾頭に設置したミサイルを東京に撃ち込むと言うのだ。
だが、そのイージス艦内には最強のコックが居ることに彼らは気づいてはいなかった。

海上自衛隊、航空自衛隊、防衛庁の協力による「ホンモノのイージス艦」等は大きな見どころ。艦内セットの完成度も高く、演技陣もまた良し。しかしどうにも現場の頑張りに比べて脚本の完成度が追いついていない感じ。描写が散漫で2時間を持て余していると言いますか、あるいは長編原作を映画脚本として絞りきれなかったのか。

序盤、真田広之扮する先任伍長の人物紹介のいい雰囲気からイージス艦シージャック、行く手を阻む他の自衛艦とのミサイル戦と、まずは好調。これはもしかして傑作か?と思いきや、中盤からのグダグダぶりがなんとも残念無念。
各キャラの描写不足はこれもまた演出的にアリとは思いますが、しかし自衛官側のシージャック首謀者たるイージス艦副長(寺尾聰)のキャラクター付けがあまりにされていないのは大きなマイナスかと。またシージャックまでした士官達の覚悟の無さはどうしたものか。前半で友軍艦を平然と撃沈した描写はなんだったのか。
そして力尽きたのか終盤のイージス艦自沈に至るあたりの適当っぷり。
ついでに、邦画ってどうしてどんな映画でも泣かせの設定を付け加えてしまうのかなぁ。それ自体は別に嫌いじゃないですけど、本作ラストの墓参りのシーンとか、繰り返しになりますけど副長のキャラクターをしっかりと描写してこそ生きるシーンでありましょう。これに限らず「取って付けた」感の強いシーンがやたらと散見される作品でもありました。
特に取って付けたと言えば、中井貴一扮する某国テロリストの妹と思しき女もまったく意味がありませんでしたね。男臭い映画なだけに彩りが欲しかったのかもしれませんが、映画としては余計な存在以外の何物でもありませんでした。

そんな感じで、日本映画としてはこれだけのスケールの大きなアクション大作を撮ったことにまずは素直に感動。そして様々な面でかなり恵まれた環境での作品と感じますが、ですがそれを「良い作品」に押し上げるだけの力が演出や脚本には無かったと。

ところで本作の原作は未読なのですが、原作者の方はかなりの映画ファンと見受けられますね。まぁはっきり言ってしまえばオリジナリティの方面でイマイチということですが(笑)。
まぁ乗っ取られた戦艦の中で最強のコックならぬ最強の先任伍長が大活躍とくると「沈黙の戦艦」(1992)。そこに毒ガス兵器が搭載され、目的地到達までに爆破しなくてはならないというサスペンスは「エグゼグティブ・デシジョン」(1996)他、色々ありますかね。ラストでイージス艦が暴走して陸地に激突か、ってのは「スピード2」(1997)じゃないかという説もありますが、まぁこれは良くある展開ということで。
まぁその他「どっかで見たような」シーンや展開がつるべ打ち、と言うかそれしか無いというのはちょっと困りもの。その中でも一番影響を受けていそうだなぁって思ったのは「合衆国最後の日」(1977)でしょうか。これは我が愛する傑作映画ですので、機会があれば是非見て頂きたい作品です。

放送記録:2006年10月29日PM09:00~11:24ABCテレビ「日曜洋画劇場」

えっ!? あの「ポセイドン」が早くもTVに登場? 早くも・・・って言うか、いくらなんでも早すぎるんとちゃうん!
てな感じで騙された人多数という噂もありますが。

「ポセイドン 史上最悪の大転覆」(2005)
THE POSEIDON ADVENTURE

豪華客船ポセイドン号はテロリストの仕掛けた爆弾によって転覆。船内は文字通り上を下への大騒ぎになるのだった。

と言うわけで本年公開されたウォルフガング・ペーターゼン監督の「ポセイドン」(2006)とは関係のない、TVムービーとして制作されたもう一本のリメイク版「ポセイドン・アドベンチャー」です。
オリジナルの「ポセイドン・アドベンチャー」(1972)と言えば'70年代のパニック映画ブームの先駆けともなったパニック超大作ですが、昨今のリメイクブームの中でペーターゼン監督によるリメイク「ポセイドン」の制作が進んでいた頃、その一方でこのようなTVムービーが作られていたとは知りませんでした。

リメイク作品を含め「ポセイドン・アドベンチャー」の基本的な設定はどれも同じ。転覆したポセイドン号の中から生存者たちが脱出をはかる生死をかけたドラマというところ。その中で趣向を凝らした危機また危機の連続がこの悲劇的な物語を盛り上げるというわけですね。
ですが、どうにも本作は盛り上がらないのですよ。

まずポセイドン号が転覆する理由ですが、本作では津波ではなくテロリストの仕業と言うことになっています。ですので前半では乗務員の中に潜り込んだテロリスト達が暗躍する様子が描かれるわけですが、これがテンポも悪く安いB級アクション映画を見ている気にさせてくれます。さらにそれに平行して乗客一家のどーでもいい昼メロ調不倫話がダラダラと描かれてさらに気分を低下させてくれます。
まぁテロリストの仕掛けた爆弾はクライマックスの脱出の伏線に、そして不倫話はやはり終盤の家族愛に繋がる伏線になっているのは悪くないのですが、なんともテンポの悪い演出で全ては台無しに。
その他、脱出をはかる人々が一人また一人とピンポイントでまるでコントのように死んでいったり、後ろがつかえてる上に時間がない状況で長々と自分語りが始まったりと、とにかく演出の間が悪い。

そもそも本作のランニングタイムは3時間近くありまして、本国では2時間枠の前後編で放送したと思われます。それを今回2時間枠1回で放送したわけで、オリジナルを半分にぶった切ってるのですからテンポは良くなりそうなもの。しかしそもそもオリジナルが3時間を持て余してしまってるんで、いくら合間をカットしても一つ一つのシーンの間が悪いのはどうしようもなかったといったところでしょう。

リメイク元の'72年版に比べて勝っていると言えるのはCGで描かれたポセイドン号転覆シーンくらいか。個人的にはオリジナル版のミニチュア特撮の方が味があって好きですけどね。
時間が有り余っている分オリジナル版に無かった軍部による救出作戦が細かく描かれていたのは良いところですが、その作戦自体がやたらとショボイのは大減点。3000人から乗客がいる客船の救出に漁船とゴムボートだけというのはいくらなんでもケチりすぎでしょ。
パーティホール他ポセイドン号の内部セットもオリジナル版に比べると大きく見劣りしますし、制作費的に厳しかったのかなぁと思わされます。TVムービーとしては頑張ってはいるのでしょうけど、気の毒ですけどどうしてもリメイク作品としてはオリジナル版と比べられることになるのが宿命ですからねぇ。もっと映像に拘って欲しかったなと。

と言うわけで、本作の敗因は3時間を持たせられるだけの脚本を用意できなかったことと監督の演出力不足。そして資金力不足か。
演技陣もなかなかに豪華ですし、オリジナル版の配役を意識した配置もされているのですが、どれも薄味でイマイチそれぞれのキャラクターが生かされていないのもまた脚本に難ありと感じます。勿体ないね。

放送記録:2006年10月15日PM09:00~10:54ABCテレビ「日曜洋画劇場」

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