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えっ!? あの「ポセイドン」が早くもTVに登場? 早くも・・・って言うか、いくらなんでも早すぎるんとちゃうん!
てな感じで騙された人多数という噂もありますが。
「ポセイドン 史上最悪の大転覆」(2005)
THE POSEIDON ADVENTURE
豪華客船ポセイドン号はテロリストの仕掛けた爆弾によって転覆。船内は文字通り上を下への大騒ぎになるのだった。
と言うわけで本年公開されたウォルフガング・ペーターゼン監督の「ポセイドン」(2006)とは関係のない、TVムービーとして制作されたもう一本のリメイク版「ポセイドン・アドベンチャー」です。
オリジナルの「ポセイドン・アドベンチャー」(1972)と言えば'70年代のパニック映画ブームの先駆けともなったパニック超大作ですが、昨今のリメイクブームの中でペーターゼン監督によるリメイク「ポセイドン」の制作が進んでいた頃、その一方でこのようなTVムービーが作られていたとは知りませんでした。
リメイク作品を含め「ポセイドン・アドベンチャー」の基本的な設定はどれも同じ。転覆したポセイドン号の中から生存者たちが脱出をはかる生死をかけたドラマというところ。その中で趣向を凝らした危機また危機の連続がこの悲劇的な物語を盛り上げるというわけですね。
ですが、どうにも本作は盛り上がらないのですよ。
まずポセイドン号が転覆する理由ですが、本作では津波ではなくテロリストの仕業と言うことになっています。ですので前半では乗務員の中に潜り込んだテロリスト達が暗躍する様子が描かれるわけですが、これがテンポも悪く安いB級アクション映画を見ている気にさせてくれます。さらにそれに平行して乗客一家のどーでもいい昼メロ調不倫話がダラダラと描かれてさらに気分を低下させてくれます。
まぁテロリストの仕掛けた爆弾はクライマックスの脱出の伏線に、そして不倫話はやはり終盤の家族愛に繋がる伏線になっているのは悪くないのですが、なんともテンポの悪い演出で全ては台無しに。
その他、脱出をはかる人々が一人また一人とピンポイントでまるでコントのように死んでいったり、後ろがつかえてる上に時間がない状況で長々と自分語りが始まったりと、とにかく演出の間が悪い。
そもそも本作のランニングタイムは3時間近くありまして、本国では2時間枠の前後編で放送したと思われます。それを今回2時間枠1回で放送したわけで、オリジナルを半分にぶった切ってるのですからテンポは良くなりそうなもの。しかしそもそもオリジナルが3時間を持て余してしまってるんで、いくら合間をカットしても一つ一つのシーンの間が悪いのはどうしようもなかったといったところでしょう。
リメイク元の'72年版に比べて勝っていると言えるのはCGで描かれたポセイドン号転覆シーンくらいか。個人的にはオリジナル版のミニチュア特撮の方が味があって好きですけどね。
時間が有り余っている分オリジナル版に無かった軍部による救出作戦が細かく描かれていたのは良いところですが、その作戦自体がやたらとショボイのは大減点。3000人から乗客がいる客船の救出に漁船とゴムボートだけというのはいくらなんでもケチりすぎでしょ。
パーティホール他ポセイドン号の内部セットもオリジナル版に比べると大きく見劣りしますし、制作費的に厳しかったのかなぁと思わされます。TVムービーとしては頑張ってはいるのでしょうけど、気の毒ですけどどうしてもリメイク作品としてはオリジナル版と比べられることになるのが宿命ですからねぇ。もっと映像に拘って欲しかったなと。
と言うわけで、本作の敗因は3時間を持たせられるだけの脚本を用意できなかったことと監督の演出力不足。そして資金力不足か。
演技陣もなかなかに豪華ですし、オリジナル版の配役を意識した配置もされているのですが、どれも薄味でイマイチそれぞれのキャラクターが生かされていないのもまた脚本に難ありと感じます。勿体ないね。
放送記録:2006年10月15日PM09:00~10:54ABCテレビ「日曜洋画劇場」
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