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日本発アクションパニック超大作!
というわけで、とても良く頑張ってたと思いますよ。
某国テロリストの一団と、それに協力する海上自衛隊士官達によってイージス艦が占拠された。彼らは日本政府にある要求を突きつけ、それが呑まれない場合は毒ガス兵器を弾頭に設置したミサイルを東京に撃ち込むと言うのだ。
だが、そのイージス艦内には最強のコックが居ることに彼らは気づいてはいなかった。
海上自衛隊、航空自衛隊、防衛庁の協力による「ホンモノのイージス艦」等は大きな見どころ。艦内セットの完成度も高く、演技陣もまた良し。しかしどうにも現場の頑張りに比べて脚本の完成度が追いついていない感じ。描写が散漫で2時間を持て余していると言いますか、あるいは長編原作を映画脚本として絞りきれなかったのか。
序盤、真田広之扮する先任伍長の人物紹介のいい雰囲気からイージス艦シージャック、行く手を阻む他の自衛艦とのミサイル戦と、まずは好調。これはもしかして傑作か?と思いきや、中盤からのグダグダぶりがなんとも残念無念。
各キャラの描写不足はこれもまた演出的にアリとは思いますが、しかし自衛官側のシージャック首謀者たるイージス艦副長(寺尾聰)のキャラクター付けがあまりにされていないのは大きなマイナスかと。またシージャックまでした士官達の覚悟の無さはどうしたものか。前半で友軍艦を平然と撃沈した描写はなんだったのか。
そして力尽きたのか終盤のイージス艦自沈に至るあたりの適当っぷり。
ついでに、邦画ってどうしてどんな映画でも泣かせの設定を付け加えてしまうのかなぁ。それ自体は別に嫌いじゃないですけど、本作ラストの墓参りのシーンとか、繰り返しになりますけど副長のキャラクターをしっかりと描写してこそ生きるシーンでありましょう。これに限らず「取って付けた」感の強いシーンがやたらと散見される作品でもありました。
特に取って付けたと言えば、中井貴一扮する某国テロリストの妹と思しき女もまったく意味がありませんでしたね。男臭い映画なだけに彩りが欲しかったのかもしれませんが、映画としては余計な存在以外の何物でもありませんでした。
そんな感じで、日本映画としてはこれだけのスケールの大きなアクション大作を撮ったことにまずは素直に感動。そして様々な面でかなり恵まれた環境での作品と感じますが、ですがそれを「良い作品」に押し上げるだけの力が演出や脚本には無かったと。
ところで本作の原作は未読なのですが、原作者の方はかなりの映画ファンと見受けられますね。まぁはっきり言ってしまえばオリジナリティの方面でイマイチということですが(笑)。
まぁ乗っ取られた戦艦の中で最強のコックならぬ最強の先任伍長が大活躍とくると「沈黙の戦艦」(1992)。そこに毒ガス兵器が搭載され、目的地到達までに爆破しなくてはならないというサスペンスは「エグゼグティブ・デシジョン」(1996)他、色々ありますかね。ラストでイージス艦が暴走して陸地に激突か、ってのは「スピード2」(1997)じゃないかという説もありますが、まぁこれは良くある展開ということで。
まぁその他「どっかで見たような」シーンや展開がつるべ打ち、と言うかそれしか無いというのはちょっと困りもの。その中でも一番影響を受けていそうだなぁって思ったのは「合衆国最後の日」(1977)でしょうか。これは我が愛する傑作映画ですので、機会があれば是非見て頂きたい作品です。
放送記録:2006年10月29日PM09:00~11:24ABCテレビ「日曜洋画劇場」
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