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映画のコトやら何やら綴りませう
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昨日は久しぶりに映画館へ。。「エクスマキナ」と「ローグ・アサシン」を観てきました。これについては近日中に。
さて、いろいろ古い映画をやってくれて好き者には嬉しい洋画枠、サンテレビの「水曜ザ・ムービー」。本日のお題はこちら。

「ジョーズ2」(1978)
JAWS 2

あれから3年、平和が戻ったアミティ島に再び巨大サメが出現した。ただ一人その存在に気づき警鐘を鳴らすブロディ署長だったが、前作同様例によっての事なかれ主義の市議会によってクビにされてしまう。その翌日仲間と共にヨット遊びに行った息子たちを救出するため、ブロディは再びサメの待つ海へと乗り出していくのだった。

いや~、20年以上ぶりくらいかなぁ、この映画見るの。スピルバーグの第1作目以外は蛇足の極みすらと言われる「ジョーズ」シリーズですけど、この2作目はロードショー公開で観て以来、結構好きなんですよね。もちろん完成度では第1作に遠く及ばないものの悪くない出来だし、正統派の続編としてサメの恐怖を真っ正面から描いているのが嬉しい。今回改めて見るとサスペンス描写もなかなかだし、ブロディ署長が町のために否応なくサメ退治に出かけることになる前作と違って子供のために対決するというプロットも良し。
ブロディ夫人のロレイン・ゲイリーや市長のマーレイ・ハミルトンといった前作に引き続いての出演陣も嬉しい。ブロディに対しては前作同様文句を言ってやっぱりイヤなヤツと思わせつつ、その実ただ一人ブロディのクビに反対する市長のキャラクターにはグッときます。

監督のヤノット・シュワルツはこれの前に撮った異色昆虫パニック「燃える昆虫軍団」(1975)が評価されて「ジョーズ2」に抜擢されたのでしょうけど、その後大傑作「ある日どこかで」(1980)をモノにするなどなかなかの才能。ただ作風が少々地味で「スーパーガール」(1984)や「サンタクロース」(1985)といった大作を撮りながらもイマイチ盛り上がらなかったのが残念。

ところめで今回の放送は嬉しかったのだけど、本作で一番好きだったブロディが一人もくもくと拳銃の弾丸の頭を削って毒を詰めていくというシーンが丸ごとカットされていたのが本当に残念。ブロディのサメに対する恐怖や執念を見事に表した名シーンだと思うのだけど。

放送記録:2007年10月24日PM7:30~09:20サンレビ「水曜ザ・ムービー」


さてさて、慢性的なネタ切れでいまや'70年代はおろか'80年代の映画まで次々とリメイクし始めているハリウッドですが、当然ながら大ヒット作の「ジョーズ」第1作も度々企画に上がっているそうな。でも今のところ実際に手を出してないところはエライ、というか頼むから出さないで。ちなみにスピルバーグ自身は「ジョーズ2」の監督を断り、「ET」の続編制作を拒否しと、いや~判ってるなぁって感じですよ。
で日本映画界も似たような感じでリメイク流行りですが、最近やたら目に付くのが黒澤明作品のリメイク話。織田裕二の「椿三十郎」だけでもうんざり(黒澤映画で一番好きな作品でもあるんで)なんですけど、TVドラマでは「天国と地獄」や「生きる」。なんか知らんけど先頃公開の「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」は「用心棒」(と言うか「荒野の用心棒」の方か?)を元にしてるとか。
でだ、何でも今度は「隠し砦の三悪人」がリメイクされるとか。しかも監督が樋口真嗣だとか。「日本沈没」みたいなクズリメイクをやっておいて、よくもまぁ今度は黒澤に挑戦するなんて気になるもんだなぁと呆れると共に・・・なんか泣けてきますわ。日本にしろハリウッドにしろ、名作の劣化リメイクはホントそろそろ勘弁してください。

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イタリアンホラーの帝王ダリオ・アルジェントには2人の弟子と呼ばれる監督がいますな。まぁ本人たちはどう思っているか知りませんが。
一人はアルジェントの前の帝王マリオ・バーヴァの息子、「デモンズ」(1985)のランベルト・バーヴァ。そしてもう一人が本作の監督、ミケーレ・ソアビ。
で、このソアビの監督デビュー作品はこれまで断片的にしか見たことがなく、今回ようやく全編通しての鑑賞です。

「アクエリアス」(1986)
AQUARIUS

精神病院を脱走した殺人鬼がミュージカル芝居を練習してる郊外のスタジオに侵入し、ふくろうの仮面をかぶって劇団員を次々と血祭りに上げていくのだった。

というストーリーは過去作られた無数のホラー映画と大同小異で新味は無しだけど、その鮮烈な映像演出は見る者を魅了する。これが監督デビュー作とはソアビ恐るべしですな。シャワールームや、舞台の床下から扉の鍵を取ろうとするシーン等のサスペンスは相当なもの。ヒロインが一人薄暗い廊下を進む恐怖シーンなどは凡百の監督ならアップを多用しそうなところだけど、そうしたシーンを引きで撮り切ってしまう力業も見事なんですよ。'87年のアボリアッツ・ファンタスティック映画祭恐怖映画賞受賞もむべなるかな。きわめて低予算な映画なのは見るからに伝わってきますが、それでも随所に美しさを感じる画面作りは後のソアビ作品でも生かされています。

ミケーレ・ソアビという人物、元々役者もしつつ制作の裏方作業にも才能を発揮するという多才な人だったようですね。監督作としては本作より前に「デモンズ3」THE CHURCH(1989)「デモンズ'95」DELAMORTE DELAMORE(1994)を見ていますが、いずれも並々ならぬ演出力と独特の美意識を感じさせる作品でした。特に異色のファンタジックホラー「デモンズ'95」はシュールで幻想的な美しさに溢れ、ホラーファンに限らず見る価値のある一本と申せましょう。
残念なのはこの「デモンズ'95」を最後に映画界を離れてしまったことですね。デビュー作「アクエリアス」から「デモンズ'95」まで、監督作わずか4本は少なすぎでしょう。'90年代にイタリア映画界に吹き荒れた残酷描写規制(このためエログロで売っていたイタリア映画界そのものがガタガタになったとか)が原因とも、家庭の事情とも聞いたりしますが、いつかまたあっと驚かされるような新作を見ることが出来る日をずっと待っております。
ついでにもう一つ不幸なことだったのは、「アクエリアス」を除いた監督作がことごとく内容も原題も無視してあたかも「デモンズ」シリーズのような邦題を付けられてしまったことでしょうか(「デモンズ3」のみ元々はデモンズシリーズとして企画されていたという経緯はあるのですが)。まぁあの頃のビデオ業界はアルジェントやソアビ、ランベルト・バーヴァあたりが制作に関わっていると何でもかんでも「デモンズ」と付けていたわけですが、このタイトルのおかげでレンタル屋などでも手に取られなかったりしたんだろうなぁと思うと残念です。

ところでこの「アクエリアス」の制作は褐色のエマニュエルのシリーズでも知られるイタリアB級娯楽監督ジョー・ダマトだったりしますね。やたらと多作で、悪名高い「猟奇変態地獄」(1977)「ゾンビ'99」(1979)を初めとしてどうにもならない低予算作品を乱発した監督さんですが、ミケーレ・ソアビという才能を世に出したことだけで十分に存在価値のあった監督さんだったなぁなんてフィルモグラフィを見ながら思ったりします。ついでにその「猟奇変態地獄」(タイトルから想像はつくと思いますが、日本ではポルノ映画として公開されました)を映画館まで見に行った苦い思い出を蘇らせたり(笑)。

追記。
仮面の殺人鬼と劇団員が三重(撮影所の天井の方に作られた通路。舞台なんかでも同じ呼び方なのだろうか)で追いかけっこをするシーンで、日本映画「女優霊」(1995)を思い出した。中田秀夫監督が「アクエリアス」を見ている可能性はとても高いと思う。

というわけで、以前より実写映画化の話が出ていたハリウッド版「ドラゴンボール」の出演者募集オーディション情報が出たというニュース。
おお、20世紀フォックスで制作なんだ。結構お金かけてくれそうかな。監督はジェームズ・ウォンに決まったみたいです。ウォン監督の作品って「ファイナル・デスティネーション」シリーズくらいしか見たことなくてまぁ面白かったんですけど、派手なアクション映画の演出となるとどんな感じだろ。てな具合にいろいろと期待と不安が入り交じるわけですが・・・しかしこの募集要項のキャラクター設定はどうしたものやら・・・。

・ハリウッドコメッツ オーディション情報一覧
http://www.hollywoodcomets.com/audition/index.html#nowaudition
ID No.218 長編映画 『ドラゴン ボール』03Oct.2007

{悟空} 18才男性、悟空は学校で目立たないが、実は隠れた才能のある武道家。彼のトレーナーでもあるお爺さんが悪魔のピッコロ大魔王に殺されてしまった。彼はピッコロの野望をくじくために7つのドラゴンボールを探す。主役。(071003-9)
{ブルマ} 20代女性、かわいくてインテリな女性。父親の5つのドラゴンボールをピッコロ大魔王に盗まれたことで戦うこと決意する。悟空とチームとなり、マスター・ロシとヤムチャに会う。主役。(071003-10)
{ヤムチャ} 20代。三枚目のバッドボーイ。(071003-11)
{マスター・ロシ} 悟空のお爺さんの良き友人。老人。悟空はお爺さんを殺された後にマスター・ロシに助けを求める。ロシは世界的に恐れおおいファイターの一人。(071003-12)
{マイ} 20代後半女性。セクシーでエキゾティック。武器を背負って、武道に長けている。主役。(071003-13)
{ピッコロ大魔王} 世界征服を企む悪の権化。主役(071003-14)
{チチ} 魅力的でおてんば女性。武道に長けており悟空と結婚する。(071003-15)
{ゴハン} 悟空のお爺さん。70才に見えるが実はジェット・リーのように素早い。(071003-16)

・・・学校? なんかこれは、現代の都会を舞台にしたカンフーアクションとか、そんな感じになりそうなイヤな悪寒。ある程度の原作改変は面白くなるのなら良いと思うのですが、基本はスーパーヒーローアクションってところを外さないでくれるといいのですが。
この手の日本作品原作のハリウッド映画化っていうと「スーパーマリオ」とか「ストリート・ファイター」とか「ガイバー」とかあまり印象の良い作品がないんですけど、さて今回はどんなものかな。

・痛いニュース
“悟空は学校で目立たない…” ハリウッド映画「ドラゴンボール」の役者募集
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1042778.html

「グーニーズ」と言えばスピルバーグ制作、名匠リチャード・ドナー監督による良質なファミリー向け冒険映画でした。1985年公開でもう22年も前の作品ですが、突如この映画の続編企画が浮上した模様。

・『グーニーズ』の続編、製作決定か
http://journal.mycom.co.jp/news/2007/10/10/015/index.html

いやいや、最近やたらと多い安易なリメイクではなく、正統な続編として考えているってのが嬉しいですなー。そしてスピルバーグとドナーが再び手を組むのであれば、ドナー監督久々の面白いファミリー向け映画が見られるかもってのも嬉しいところ。なぜ今更「グーニーズ」?って思いもすれど、しかしここは素直に期待ですねぇ。

内容についてもいろいろと妄想が広がりますが、今度の主題歌もまたシンディ・ローパーが歌ってくれると嬉しい。「グーニーズはグッド・イナフ」のPV、実に楽しくて当時のMTVなんかで繰り返して見ていたもんです。
というわけで久しぶりにyoutubeで見てみました。うん、今見ても十二分に楽しいし、この歌唱力はやっぱり凄いですわ。

Cyndi Lauper - gonnies are good enough part.1
それにしても「グーニーズ」、昔は頻繁にTVで放送してたんですけど、もう随分長いこと見かけなくなりましたねぇ。聞くところでは例の奇形の大男の存在がマズいってんで放送出来ないんだとか。なんかねー、映画の根本を否定されたようで悔しいですな。

久しぶりに映画観てきました。今日が上映最終日だった劇場版「仮面ライダー電王」。最終日ってことでシネコンの一番小さい箱だったのは仕方ないけど残念。客の入りは20人くらいかな。親子連れが一組しかいなかったのは平日最終回としては当然でしょうけど、残りのほとんどが大きなお姉さんだったのは平成ライダーシリーズの特徴でしょうか。

「劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!」(2007)
TVシリーズの方は実のところ飛び飛びに数回見た程度なんですよね。TVシリーズを知らないとこの劇場版は理解しづらいと事前に脅されたりもしていたのですが、いや、特に理解できない部分はなかったですよ? 逆に劇場版を見るとTVの方の不明だった部分が理解できるという作りなんじゃないかなぁ。
物語は単純で、すべての時間を支配できる神の列車を手に入れようとする仮面ライダーガオウとそれを阻止しようとする主人公たちの活躍。それなりに主人公の過去を掘り下げたり、劇場版ならではのスケールの大きな危機に陥ったり、過去の様々な時代を旅するシーンも楽しい。アクションシーンの見せ場もさすが東映特撮スタッフ心得ていて、いやいや良くできた娯楽映画に仕上がっていました。ここ長らくTVの特撮ヒーロー番組は見ていませんでしたが、いやいやなかなか子供番組とバカにできませんなぁ。
ところで敵役仮面ライダーガオウ役の渡辺裕之さん、TVシリーズの方でもちらちらと顔を見ていて何か曰くありげなキャラクターなのであろうと想像していたのですが、意外と底の浅い悪役だったのですねぇ。そこはちょっと残念ですが、1時間強の映画ではこれ以上の掘り下げは無理だったかな。

ついでに併映。
「電影版 獣拳戦隊ゲキレンジャー ネイネイ! ホウホウ! 香港大決戦」(2007)
TVシリーズの方は実のところ1回も見たことがありません。というわけで新鮮な気持ちで鑑賞。いや~、最近の戦隊モノのアクションは凝ってるなぁ。ロボットの作りも昔の段ボール箱くっつけたみたいなのじゃなくて動きやすそうなデザインになってるし。
物語は「電王」よりググッと低年齢層向けを意識してかかなり単純なものですが、まぁ話の中身は無いにしても派手なアクションシーンの連続で退屈はしません。それに終盤、新たな巨悪を倒すために主人公たちとそれまでの敵が手を組んで戦うっていう展開はかなり好き。元々主義主張が違う者同士が手を組んで巨大な敵に立ち向かうっていう展開に燃えるものでしてね。「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー2」とか。まずは子供向けのヒーロー映画としては悪くない出来だったかなと。
ところでこの手の戦隊モノの楽しみの一つに戦う美少女や色っぽいお姉さんを鑑賞するというのがあったはずなのですが、今回見たところ(TVシリーズの?)敵の女幹部らしきキャラ(カメレオンメカに乗っていた人)は美人でまことに良かったのですが、それ以外の女性キャラがことごとく微妙なみなさんだったのはどうしたものか。

大阪梅田ブルク7 シアター4にて鑑賞



さて話変わって、昨夜例の試写会がありAT-Xでも放送された「SchoolDays」最終回。ネットに上がっていたキャプチャー画像だけ見ましたが・・・それまでは現実の事件のために放送中止に追い込まれて制作者のみなさんが気の毒って思っていましたが、前言撤回、深夜とはいえ見ようと思えば誰でも見ることのできるTVでコレを流そうとしていた人たちはどうかしているのではないか。こういうのが作りたければOVAとかでやれば良い。基本的に私は「規制」というのは好きではありませんが、でもある程度のモラルとかは必要ではないかなぁ。今はアニメ作品も頭打ちな状況なのはわかりますが、やたらと刺激だけを高めて知名度を上げようと言う風潮は好かんです。

ああ・・・日本、初戦黒星スタートですよ。
と言うわけでワールドカップの日本vsオーストラリア戦を見終わりまして、ちょっと脱力というところです。

まぁそれはそれとしまして、
ようやく久々の参加イベントが終わりましたんで、またこのブログにも時間をかけられるかなと。
またちょこちょこと映画の感想などを書き綴っていきますので、どうぞよろしくです。
さて、こちらも久しぶりにTVでの映画鑑賞でした。

80デイズ (2004)
AROUND THE WORLD IN 80 DAYS

かの「80日間世界一周」(1956)は、実に豪華絢爛たる超大作でした。実は映画そのものは単調なドラマ運びもあって娯楽作としてはあまり褒められたものでもないのですが、豪華なスターたちの競演や世界各国の誇張された描写など、イベント映画として大変楽しい映画となっていました。余裕とユーモアを忘れないイギリス紳士然としたデヴィッド・ニーヴンもまた実に良し。

さて、そんな「80日間世界一周」が突如リメイク。どうして今更という感は拭えませんし、ジャッキー・チェン主演というのも不安を煽ります。
が、実際に見てみて、これはこれでアリかなという印象です。
まず本作はリメイクとは言い難いものがあります。いわば「原作:ジュール・ヴェルヌ」ではなく「原案:ジュール・ヴェルヌ」くらいの違いかと。ドラマの中心を80日間での世界旅行ではなくジャッキー・チェンと彼をつけ狙う犯罪組織との戦いに置くことで、まったくオリジナルとは印象の違った作品に仕上がっています。
まぁヴェルヌの原作をカンフー・アクション映画にしてしまったことには異論もあるでしょうし、私自身も嬉しくはないところですが、しかしオリジナル同様に豪華なゲストスターたちをあちこちに散りばめながらテンポ良く進む本作は正しくお祭り映画として成り立っていると思います。

しかしジャッキーアクションに比重を置きすぎ、世界の旅というイベント的見せ場がおざなりになったこと。そして肝心の仏像を巡る争奪戦のドラマがありがちで面白みが無いというのが問題ですね。少なくとも原作として上げている以上、物語の舞台設定程度のおざなりな扱いではなく原作の面白さも生かして欲しかったものです。
大体主人公一行の旅の障害が犯罪組織の襲撃だけで、それが無ければ80日どころではなく楽々と世界一周できそうな雰囲気はいかがな物か。
そしてジャッキー映画として見てもアクション的見せ場は少なく、正直言ってやや中途半端な雰囲気が漂います。

と言うわけで何も考えずに子供と見るファミリー映画としてはディズニーらしいまずまずな出来とは思いますが、全体としてはやや残念。
ところで国々を移動する際のCGで描いたいかにもファンタジックな街の全体像から展開が始まる映像は面白し。しかしこれもあまり生かされているとは言えないところがこれまた残念ではありました。

放送記録:2006年06月12日PM08:00~9:54テレビ大阪「各国スター勢ぞろい!夢の世界一周!大冒険シネマスペシャル」

なんかこう、アクションといい設定といい「リベリオン」(2002)ぽいなぁと思いながら見ていましたが、同じ監督さんだったのですねぇ。

「ウルトラヴァイオレット」(2006)
ULTRAVIOLET

近未来の管理社会を舞台にしたアナクロな設定とスタイリッシュなアクションという、まぁ「リベリオン」のカート・ウィマー監督らしい新作です。しかし圧倒的に低予算だった「リベリオン」の方が圧倒的に面白いというのはどうしたものか。「リベリオン」に比べて舞台設定の描写も足りず、ドラマも単調でバカバカしすぎる。そして派手な見せ場は多いものの肝心のアクションは退化していて爽快感に欠けるし、どこかで見たようなシーンも多し(子供が井戸に落とされるシーンとかさぁ、既視感ありすぎでクラクラきます)。基本「リベリオン」に「バイオハザード」やら「ブレード」やら「マトリックス」やらなんやらかんやら混ぜ込みまくって、作品の印象を薄めまくってしまったような。ランニングタイムも短めだし派手は派手なので時間つぶしにはいいかと思いますが、何かしら心に残るものがあれば良かったのですけどね。

ところで主演のミラ・ジョヴォヴィッチ。好きな女優さんではありますが、「バイオ」シリーズといい妙に画一的なアクション女優として使われることが多いのはちょっと勿体ない感じ。そもそも正直なところ、あんまりアクション上手くないよね。まぁそこら辺も監督さんがカッコ良く撮ってあげればいいんですけど、その点でもこの「ウルトラヴァイオレット」ではワリ食った印象です。

なんだか久しぶりのTVの洋画劇場鑑賞。ここのところ今一パッとしないウォルフガング・ペーターゼン 監督の、豪華キャストによる超大作史劇ですね。トロイの木馬伝説は知っていてもその舞台となるトロイ戦争そのものの知識はあまりないので、興味深く見させていただきました。

トロイ (2004)
TROY

トロイのバカ王子とスパルタの不倫王妃が恋に落ちたことで、トロイを滅亡に導く大戦争が勃発するのであった。

トロイの王子パリスが恋するスパルタ王妃ヘレナをさらってしまったことで国を滅ぼしてしまうことになるわけで、その割にこの二人の描写はあっさりしたもの。あくまでブラッド・ピット扮するギリシャの英雄アキレスを主人公として物語は進みますね。そう、アキレス腱の語源となった人物です。ではこのアキレスの戦いぶりを描いた英雄譚かと言うと、これがそうでもない。何かこれは、アキレスとトロイの第一王子ヘクトルの戦い軸にしつつ、その実ペーターゼン監督はあくまでオーソドックスな群衆劇、史劇大作を今の世に作ろうとしたのではないかと思うのですね。

ペーターゼン監督らしいダイナミックな映像や編集の数々に目を見張りつつ、その一方でドラマ自体は実にオーソドックスで予想を覆すような展開はありません。見ていてどうにも懐かしい、'60年代あたりの史劇大作を見ているような気分になってくるのですよね。最新技術が可能にした大群衆による城攻めのシーンなどは「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズを思い起こさせますが、英雄譚でもある「ロード・オブ・ザ・リング」と違って「トロイ」では極力ケレン味を廃した演出を心がけているのも監督の意向通りなのでしょう。クライマックスのトロイの木馬作戦から炎に包まれるトロイの街の映像まで、実に史劇らしい史劇を久しぶりに見ることが出来たと少々嬉しい気分でした。ただ勿体ないのは、そのクライマックスのトロイ陥落戦にまったくと言っていいほど迫力が無かったことでしょうか。なんだか最後の最後で気が抜けてしまったような。

人間ドラマ部分の希薄さはTV放送時間の影響もあるのでしょうか。オリジナル・ランニングタイムが163分もありますから、今回の放送では40分くらいはカットされた計算でしょうか。こういう群衆劇としては厳しいところですね。しかしそんな中でも俳優陣の、特にヘクトル王子を演じたエリック・バナや巫女プリセイス役のローズ・バーンは良いものでした。そして特筆すべきはトロイ王を演じた名優ピーター・オトゥールの素晴らしい演技。過去数々の作品で名演を見せてくれたオトゥールですが、本作でも見事に作品に深みを与えていました。

ところで物語の発端となるヘレナ王妃ですが、戦乱を巻き起こして国を滅ぼすに足るほどの魅力が感じられないのが難でしたねぇ。パリス王子共々人物描写に深みがなく、あっさり描きすぎたことの弊害でしょう。
後これは翻訳の問題でしょうけど、史劇にしては登場人物達の言葉使いが変に現代的なのが気になりましたね。
それにしても・・・見せ場であるトロイの木馬作戦ですが、映像化すると予想以上にマヌケに見えるというのも問題と言えば問題でありました(笑)。

放送記録:2007年04月29日PM9:00~11:24ABCレビ「日曜洋画劇場」

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