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このブログの最初の方にも書きましたが、私は「タワーリング・インフェルノ」(1974)が大好きです。そしてこの映画を語るとき、忘れてはいけない人物がいます。
それが、アーウィン・アレン。
「ホセイドン・アドベンチャー」(1972)と「タワーリング・インフェルノ」という2本の超大作を制作。自ら火を付けたパニック超大作映画ブームの頂点に君臨した大物プロデューサーであるアレンを語るならば、まず1960年代まで遡る必要があります。
(1)1960~:SF映画の時代
'50年代、アレンは様々な映画の制作を手がける一方、動物の世界などを記録したドキュメンタリー映画を自ら監督をしていたようです。ところが'60年代に入って、突如古典SF小説を原作にしたSF映画を制作・監督し始めます。
コナン・ドイル原作の「失われた世界」THE LOST WORLD(1960)
ジュール・ヴェルヌ原作の「気球船探険」FIVE WEEKS IN A BALLOON(1962)
そしてこの2本の間に、アレン自ら原案・脚本・監督を担当したSF映画が作られ、それがその後のアレンの進む道を決定づけたのでした。
「地球の危機」VOYAGE TO THE BOTTOM OF THE SEA(1961)
地球を取り巻くバンアレン帯が燃え始め、地球の表面も焼かれて人類滅亡の危機が迫ります。危機に陥った地球と人類を救うため、平和のために建造された最新鋭の原子力潜水艦シービュー号が活躍するのでした。
そう、この映画こそが後に大ヒットとなるTVSFシリーズ「原潜シービュー号/海底科学作戦」の原点となった作品だったのです。
(2)1964~:SFドラマの時代
'64年スタートの「原潜シービュー号/海底科学作戦」を皮切りにアレンはその主舞台をTVに移し、次々とヒット作を制作し続けることとなります。
「原潜シービュー号/海底科学作戦」VOYAGE TO THE BOTTOM OF THE SEA(1964~68)
地球の危機、人類の危機に立ち向かうスーパー潜水艦シービュー号の活躍。厳しくも部下思いなネルソン提督と正義感溢れるクレイン艦長のやりとりも楽しく、またシービュー号や搭載小型飛行艇フライングサブなどのメカニックも魅力的な娯楽SFシリーズです。
ただ各エピソードに広がりが無く、いくつかのドラマパターン(宇宙人の侵略・あっちの国のスパイ・深海の怪物・等)でローテーションを組んでいた風なのがやや単調なイメージを醸し出していたのが勿体なく感じたものでした。
「宇宙家族ロビンソン」LOST IN SPACE(1965~68)
1998年の「ロスト・イン・スペース」のオリジナル。某国のスパイ、ドクトル・スミスの工作で宇宙の迷子になってしまうロビンソン一家の冒険物語。宇宙版「ロビンソン・クルーソー」と言うわけです。
毎週登場する様々な宇宙人や宇宙モンスターにワクワクさせられたものです。間抜けな小悪党ドクトル・スミス、「禁断の惑星」(1956)のロビーを思わせるロボットのフライデーの活躍も大きな楽しみの一つでした。
「タイム・トンネル」THE TIME TUNNEL(1966~67)
実験中のタイムマシンの故障で時間の渦の中に巻き込まれた2人の研究員の物語。毎週2人が様々な歴史上の事件の中に放り込まれるという設定がアイデア抜群。また、それらの歴史上の事件を描くのにFOXの倉庫の中の様々な映画の大量のフッテージフィルムを最大限に利用したアイデアもお見事。タイタニック事件やアラモ砦の攻防など、この番組で知った知識も多し(笑)。
またタイムトンネル自体のデザインもそれまでのタイムマシンのイメージを覆し、まさにセンス・オブ・ワンダーを体感させてくれたものでした。
「巨人の惑星」LAND OF THE GIANTS(1968~70)
実験旅行に飛び立った宇宙船がたどり着いたのは巨人たちが住む惑星だった。惑星の軍事政府によって「未知の異星人」「危険分子」と見なされ追われる主人公たち。
とまぁ人類が他の惑星で侵略者扱いされるとい、良くある侵略SFの逆転の発想が当時としては新しい。また巨人の世界を表現するための「縮みゆく人間」(1957)や「モスラ」(1961)の小美人シーンのような巨大セットや小道具を見るのも楽しい驚きがありました。
ただ、巨人たちの国や街、文化などが地球とまったくそっくりというのは制作費的な問題も大きかったのでしょうけど、どうしても安く思えてしまうのが勿体なくもありました。
そう言えば昔読んだ何かの本で読んだのですが、
「スター・トレック/宇宙大作戦」を制作したジーン・ロッテンベリーがその「宇宙大作戦」の企画書を持って色々な制作会社を回っていた頃の話。「スター・ウォーズ」(1977)の企画書を持って回っていたジョージ・ルーカスのごとく断られまくっていたロッテンベリーに、ある制作会社の担当者が言ったそうです。
なかなか面白そうな企画だ―――
これは脈アリかと期待したロッテンベリーに担当氏は続けました。
しかし、我々はこれと似たような番組をもう制作することになっているんだ―――
がっかりして帰るロッテンベリー。後にその「似たような企画」というのが「宇宙家族ロビンソン」だったとわかったそうです。
さて、こうしてSFドラマの世界で大成功したアーウィン・アレンですが、'70年代に入っていよいよ超大作映画の制作に取りかかることになります。
というところで、長くなりましたのでアレンの栄光と転落の時代についてはまた次回。
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