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映画のコトやら何やら綴りませう
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少年ジャンプで連載中の「NARUTO」ですが、原作もアニメも楽しく見ております。で、昨年公開の劇場版が放送されました。

「劇場版NARUTO-ナルト-大活劇! 雪姫忍法帖だってばよ!!」(2004)

実は公開時の予告を見て、かなり期待しておりました。作画に関しては予想通り極めてレベル高し。今のアニメ業界の中でもスダジオぴえろって頑張ってますよね。作画レベルが(あまり高くないレベルで)平均化されつつあるTVアニメの中でも「NARUTO」と「BLEACH」はなんとか高いレベルを保っています。
ということで作画に関しては文句なし。しかし・・・

雪絵が雪の国に行くことを嫌がることを、雪の国の姫に戻ることを嫌がることを、ただただ責め立てる主人公たちは一体何なんでしょう。幼い頃に父を殺され、命からがら逃げ延びた彼女がそんな生まれ故郷を捨て、わざわざ殺されに戻ることを嫌がることはそんなに悪でしょうか? しかし主人公は命をかけて国を取り戻せと迫る。それも彼女自身の為ではなく三太夫たちかつての雪の国の残党の為にです。
予告で彼女が「わがまま姫」と呼ばれていたことを思い出して、さらに不快感が増します。
いくつかの見せ場を想定し、脚本家がそれらを強引に繋ぐドラマをひねり出す・・・特にアニメ映画やアイドル映画が陥りがちなパターンに、本作も見事にハマってしまったように見えます。
雪絵と主人公たちを雪の国という戦いの舞台に連れて行く。雪絵が女優である意味も、映画の撮影が雪の国で行われることも、ナルトたちが護衛の任務につくことも、すべては強引な展開のためであり、それ以上の理由はまったくありませんでした。

三太夫たち残党は雪絵の帰還を喜び敵に向かって突撃しますが、ここもドラマを盛り上げようとの強引な展開の典型でしょう。戦闘用車両であることが誰の目にも明らかな敵の装甲列車に向かって彼らは刀を振りかざして突撃し、飛び道具によって瞬く間に全滅します。敵の残虐性と物語の悲劇性を盛り上げる為のシーンなのでしょうが、しかし飛び道具に向かって走っていく彼らの姿はあまりにトンマでコントにしか見えません。そして彼らが死んでいくのをすぐ側から見ていただけで何もしなかったナルトが、全滅後にいくら怒りに燃えようと説得力がありません。ついでに言うと、映画全体から見て違和感を感じるほどのこのシーンの不必要な残酷な描写は何だったのでしょうか。
そもそも三太夫たちは10年もの間何をやっていたのか。敵の戦力分析もせず、ただ隠れていたということなのでしょうか。忍びでもない彼らが刀1本持って勝てるとなぜ判断したのでしょうか。あるいはナルトたち木の葉の忍びが加勢してくれるという予測の当てが外れただけ?(笑)疑問が尽きません。

そして一番の疑問であり不快な点。
ナルトも三太夫も、雪の国の覇権を取り戻すという身勝手な思惑の為に一人の女性を(しかも嫌がる女性を)死の危険に強引に巻き込んでいくことに何ら罪の意識を感じなかったのか。
残念ながらそれを感じさせる描写はまったくありませんでした。

キャラクターすら、ドラマのために歪められます。
正義感溢れるはずの主人公ナルトは、嫌がる女性を死地に赴かせ、目の前で多くの人が殺されるのをただ傍観するだけでした。
サスケはあえてやられるのを覚悟の上で敵に突っ込み、「風穴は開けた、ナルト後は任せる」と言い残して倒れます。もちろんこれはクライマックスのナルト最後の見せ場を作るためのものですが、この映画はツナデが木の葉の火影になってからサスケがオロチ丸の元に走るまでの間に起きた話であるはず。その時期のサスケはナルトに追い越されるのではないかという焦燥感と劣等感に苛まれていた頃で、ドラマのためとは言えこの描写には激しく違和感を覚えました。

そう言えば映画監督の存在も意味不明でしたね。何か意味ありげでドラマの鍵になる重要な台詞でもあるキャラクターかと思いきや、まったく物語に関係ありませんでした。映画のためならスタッフや俳優の死をも厭わない冷酷な監督、ひいては映画界の残酷さを表現したかったのでしょうか。
しかしそれならばマキノ監督と言う役名は、実在の名監督マキノ雅弘氏にあまりに失礼ではないかと。

その他思いついたこと。
・この世界の国ごとの技術力や科学力の差ってスゴいなぁ。
・チャクラをパワーアップさせる鎧とやらを着て、サスケはおろかサクラにまでやられてしまう雪忍て、弱っ!
・木の葉と雪の国はこれで仲良くなったみたいだし、あの鎧を技術提供してもらってジライヤやカカシに着せたら、オロチ丸やイタチなんぞ問題にならない最強の国になるんじゃないですかね。
・まー要するに、この映画ってば世界観もバランスも崩しまくりだってばよ。

TVシリーズにおいてもアニメオリジナルエピソードはおおむね原作エピソードには到底及ばない出来ですが、この映画版も同じ評価を下すより他無いようです。
(それでも、原作の面白さを壊しまくりなアニメ「金色のガッシュベル!!」のアニメオリジナルエピソードよりはかなりマシだとは思いますが・・・それはあまりにも比較対象のレベルが低すぎますよね(笑))
序盤、突然板塀の向こうから馬に乗った雪姫が現れる鮮やかなシーンあたりでは結構期待したんですけどね。

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