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6日分の続きです。
(3)1972~:パニック超大作の時代
'60年代、TVの普及によってハリウッドの映画産業は危機的状況に陥っていました。しかしそんな中、20世紀FOX社を蘇らせたのがアレン制作の「ポセイドン・アドベンチャー」(1972)だったといいます。
「ポセイドン・アドベンチャー」THE POSEIDON ADVENTURE(1972)
大津波によって転覆、上下逆さまになった豪華客船からの脱出を描くパニック巨編です。
すべてが逆さまになった船内を船底に向かって「上って」いくというユニークなシチュエーション。そして様々な危機が次々と行く手を阻むスリリングな脚本を、目を見張る豪華な船内セットや当時としては見事と言える特撮、そして重量感のあるオールスターキャストがしっかりと支えます。
この作品の大ヒットによって、時代はパニック映画ブームを迎えることになるのでした。そしてアレンは、パニック映画の金字塔とも言える作品に着手します。
「タワーリング・インフェルノ」THE TOWERING INFERNO(1974)
当時、20世紀FOX社とワーナー・ブラザーズ社は「The Glass Inferno」「The Tower」という2冊の小説の映画化権をそれぞれに持ち、パニック映画ブームに乗って映画化の企画を進めていました。しかしどちらの小説も高層ビルでの火災を扱った内容であり、このままでは互いの客を食い合うのは確実。そこでアーウィン・アレンが2つの企画をまとめ上げ、1本の映画として制作。ここにハリウッドの2大メジャー制作会社の史上初の共同制作が実現しました。
2本分の予算をつぎ込んだ文字通りの超大作。
業火に焼かれる地上138階建ての超高層ビル、グラスタワー。このグラスタワーの巨大感を実現するため実に33メートルの高さのミニチュアセットが建てられ、57もの豪華な内部セットがスタジオ内に組み立てられました。アレンは「ポセイドン・アドベンチャー」のスタッフを再結集し、「ポセイドン・アドベンチャー」を上回るオールスターキャストをもってこの作品を空前のパニック大作として完成させたのでした。
危険な超高層ビル火災に果敢に挑む消防隊長にスティーヴ・マックィーン。
手抜き工事が原因とはいえ、グラスタワーを設計した責任から救助にあたる設計士にポール・ニューマン。
この二人を中心に、逃げまどう人々や命がけの消火活動に従事する消防士たち、様々な人間ドラマが見事に描き出されていきます。特撮や特殊効果も素晴らしいけれど、こうしたドラマこそがこの映画の魅力を大きく引き上げていました。
「ポセイドン・アドベンチャー」で自ら作り上げたパニック超大作ブームの中、アーウィン・アレンは「タワーリング・インフェルノ」で頂点に君臨しました。しかし・・・これが自身の最後の絶頂期となるとは神ならぬアレンに分かろうはずもありません。
スティーヴン・スピルバーグ監督の「ジョーズ」(1995)の記録的大ヒットにより、時代は災害パニック映画ブームから動物パニック映画全盛時代へと向かっていました。
この項続く。
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