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映画のコトやら何やら綴りませう
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B級SFの帝王、B級ホラーの巨匠・・・その名を語られる時、とにかく「B級」という部分が強調される監督ロジャー・コーマン。しかしこの場合の「B級」は決して揶揄するような意味合いではなく、常に低予算短期間でありながら並以上の水準作品を作り続ける氏に対しての一種尊敬の念のようなものが込められていると思うのです。
そしてそんなコーマン監督が早撮りの手腕を遺憾なく発揮したのがこの・・・

「古城の亡霊」THE TERROR(1963)

terror01 部隊からはぐれたフランス人青年将校が出会った一人の美女。だが近くに住む老婆は若い女など付近には住んでいないと言う。果たしてあれは幻だったのだろうか。女の幻影を追って、青年は崖の上に建つ古城へと向かうのだった。
夜な夜なさまよい歩く美女は幻なのか、それとも亡霊なのか。古城の隠し扉の向こう、地下に隠されたものとは何か。古城の主が心に秘めた秘密とは?

古城の主に扮するのは、かの古典「フランケンシュタイン」(1933)で人造人間を演じて一躍人気スターとなったボリス・カーロフ。
奇怪な出来事に翻弄されつつも古城の謎を解き明かしていく青年将校に、無名時代のジャック・ニコルソン。

ところでこの映画の凄いところは、当初制作が予定されていたものでは無いというところなのです。
当時ロジャー・コーマン監督はエドガー・アラン・ポーの原作を次々と映画化し、好評を博していました。「アッシャー家の惨劇」(1960)「恐怖の振子」(1961)「黒猫の怨霊」(1962)「姦婦の生き埋葬」(1962)等々。これらの作品の脚本の多くをリチャード・マシスンが書いていたことも見過ごせない事実ですね。そしてポーの「大鴉」を元にしたコメディタッチの作品「忍者と悪女」(1963)を撮ったのですが、同作品に出演していたボリス・カーロフの契約期間がまだ3日ほど残っていたことでコーマンはもう1本映画を撮ろうと考えます。まぁコーマンはこういうこと度々やってます(笑)。脚本を急遽新たに用意し、「忍者と悪女」の室内セットなどを使い回し、ニコルソンを始め出演者やスタッフが駆け回って衣装や小道具を揃え、そして実に2日間でこの「古城と亡霊」を撮り上げたのでした。

たとえすでにセットやキャストが揃っていたからと言って、この映画を準備期間も含めて2日で撮ったというのは驚異です。しっかりとしたドラマ作り、切り立った崖の上に佇む古城や湿り気さえ感じられる不気味な墓場といった見事な美術と、そこには安っぽさなどは微塵も無く確かな演出力がありました。
この映画に描かれるおどろおどろしくも不気味なシーンの数々は、今の目で見るなら怖くはありません。
しかし・・・
冒頭の謎の美女との幻想的な邂逅からクライマックスの地下の巨大聖堂が雪崩れ込む海水に飲み込まれていく予想外の大スペクタクルシーンまで、この映画は実に心地良くゴシックホラーの世界に引き込んでくれたのでした。

ところでロジャー・コーマン組と言えばジェームズ・キャメロンやジョー・ダンテを始め多くの名監督やスターを輩出したことでも有名ですが、本作でも若かりし頃のフランシス・フォード・コッポラやピーター・ボグダノビッチ、ジャック・ヒルと言った面々がスタッフに加わっています。想像するまでもなく、低賃金でこき使われていたのでしょう(笑)。

余談。
本作を含めコーマン作品の多くが大蔵映画によって日本で配給されました。この大蔵映画の社長が今や伝説とも言える大蔵貢。大蔵貢は大蔵映画を立ち上げる前、倒産寸前の新東宝の社長に就任し、社員スタッフの反感を買いながらエログロ路線を推し進めて新東宝を(一時的にせよ)立て直した人物です。
映画とは何よりもまず娯楽であると、その手法は良かれ悪しかれそういう信念には共感を覚えます。そのB級娯楽指向の部分で日本のコーマンとも思える大蔵貢の、その興味深い人物像もまた語ってみたいところではあります。



さらにところでアニメ「雪の女王」、今日も良かったですね。作画はヒドかったですが(笑)。
出崎監督の切れた演出が大爆発で、不自然なほどに幸せな物語を盛り上げてくれていました。心地良いですよ。
先週の「赤い靴」についても少し。
原作のように両脚を切り落とされないのは甘いのではないかというような意見をちらほらと目にしましたが、自分の罪の身代わりに父親が命を落とすというのは自分自身が罰を受けることよりもキツいことではないかな、と私的には思えます。まぁアニメ的に残酷描写が出来ないことでの変更なんでしょうけどね。
優しい人々の心温まる幸せアニメと思って見続けている「雪の女王」ですが、こういう話がポンと投げ込まれると想像以上にショッキングですね。
まぁアンデルセン作品には他にも残酷な話はありますから、このアニメでどのように描かれるか楽しみではあります。

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