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ジブリ作品、「千と千尋の神隠し」(2001)以降劇場に観に行かなくなりました。まぁそれは作品云々の問題よりも、今のジブリの拝金主義的な部分が気に入らないというのが大きいです。例えば今回出た「ハウルの動く城」のDVDにやたらとヴァージョンが多く(5種類? 6種類?)、本編ディスクの仕様も一部違っているので全ヴァージョン&特典全てを見ようと思ったら2種類は買わないといけないようになってるとか、「千と千尋の神隠し」のDVDは明らかに色がおかしいのに異常なしと言い切るとか。公開数日で制作費を回収して大儲けしているのにジブリ作品のDVDの値段設定がやたらと高いというのも、どこまで儲けたいのかと言いたくもなります。
特に、「千と千尋の神隠し」に関しては大好きな作品だけにDVD買ってもいいと思っていただけに、あの赤い画面には盛大にガッカリさせてもらいました。綺麗な画面で出し直してくれればこんどこそ飼いたいと思うのですが、近所のレコード店にいまだ「猫の恩返し」(2002)の劇場割引券付き初版が売っていたりするので無理でしょうね。
「千と千尋」のDVDって(赤いにもかかわらず)めちゃくちゃ売れたはずなんですけど、いったいどれだけ作っていたのかと。
明らかな不良品を売ったり、同じ作品をいろいろなヴァージョンで売ったり、それでも熱心なファンは買っちゃうんですよね。こうしたジブリ信者宮崎信者をお金としか見ていないやり方には腹立たしさを感じます。まぁ、信者と書いて儲けと読んでいるのかもしれませんが(笑)。
どうしてファンをないがしろにするような体質になってしまったのか。同じく拝金主義に染まっている今のディズニーの影響か、あるいはあの目立ちたがりの胡散臭い鈴木某プロデューサーに問題あるのかなぁと思ったり。宮崎監督自身はそういったことには首を突っ込まず、ただ自分が作りたい作品を自由に作れる環境さえあれば満足なんだろうなぁ。まぁあくまで想像です(笑)。でも本当にファンを大事にする気持ちがあるのなら今の体質を変えていって欲しいと、これはファンの一人として願います。
で、
「ハウルの動く城」(2004)
HOWL'S MOVING CASTLE
劇場公開時あまり良い評判を聞かなかったもので、まぁTV放送かレンタルでいいかという感じで見逃していたのですが、この度DVDが出ましたので鑑賞。普通に面白く見ることができました。
公開前から心配されていた木村拓哉さんと倍賞千恵子さんの声の出演は思っていたより悪くありませんでした。映像も「千と千尋」ほどの密度は感じられないものの流石という感じ。CGモーフィングの多用が少しばかり気になりましたが。物語も原作ファンには不評だと聞きますが、原作未読者の私としてはこれはこれで良しといったところです。
ただ、見終わっての印象は「記憶に残らない作品だなぁ」でした。
自分に自信の持てない少女ソフィと子供の心のまま成長した魔法使いの青年ハウルの恋を中心に据えた物語は良かったと思います。しかしその恋も、二人を取り巻くドラマも全ての描写が薄く説得力を持たすに至っていません。主人公二人を含む登場人物全般に渡って心情描写が(おそらくはあえて)ほとんど描かれないのも演出としてはわかるのですが、映像でそれをカバーするところまで至っていないのも厳しいところです。だからソフィの恋愛感情が唐突にも見えるし、物語後半それぞれに呪いの魔法をかけられた人々が共同生活し、最終的に互いの呪いをとき合う本来なら感動的な展開にもカタルシスはありません。ドラマの重要なバックグラウンドである戦争に関しても踏み込みが甘く、おそらくすさまじい数の戦死者(それも多くの一般市民を巻き込んでの)を出しているだろうにその痛みは伝わってこず、戦争ごっこにしか見えません。(だいたいラストのサリマンの「戦争をやめましょう」って台詞は何なのか。そんなに軽い描写をされると物語の色づけ程度のものとしか見れなくなりますって)
まぁ監督としてはそういう部分はどうでもよかったのだと思いますが。
深みはないがサラリと見られる映画。見ている間はそれなりに満足できて、その後記憶から消えていく映画。そんなタイプの映画ですし、それでいいとも思います。宮崎監督としてはある種今までと違う脱構築な作品を作りたかったのだろうなぁ。でも、正直言ってあまり成功はしていなかったようです。
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