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映画のコトやら何やら綴りませう
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まず最初に、
当ブログでは場合にもよりますが基本的にはネタバレしまくりです。
まぁウチで扱うのは古い作品が多いので問題ないと思うのですが、本作は本年6月に公開されレンタルが始まったばかりの新作でもありますし一応記しておきます。

「フォーガットン」THE FORGOTTEN(2004)

公開当時TVのCMでやたらと見ましたね。
一児の母である主人公の回りから我が子の存在した証拠が消えていく。回りの人々の記憶からも消えている。愛する息子の存在が徐々に消えていく恐怖―――。
と言うような感じのCMで、なかなかに怖そうなサスペンス・スリラー映画として興味を引かれました。おそらくその背後には組織的陰謀があるのだろうなぁ、いわゆる巻き込まれ型のサスペンスか。それにしても家族写真から子供の姿だけが消え失せるというのはどういうトリックと説明するのだろう。
面白そうとは思いつつ「見たい映画優先順位」的には後ろの方に置かれていた本作ですが、最近妙な噂(笑)を聞いて俄然興味が沸いてきました。

「フォーガットン」のオチは「サイン」だよ。

「サイン」(2002)と言うとシャマラン監督のアレですよね。と言うことは・・・「フォーガットン」の黒幕もアレなのか!?
本格的なサスペンス・スリラーと予想していた本作ですが、その話が本当なら予想外のバカ映画なのかもしれない・・・と言うことで、急遽優先順位を繰り上げて見てしまいましたよ(笑)。

オープニングタイトル、冬枯れのNYの街を真上から舐めていく空撮が美しい。やがて空撮がいつの間にかクレーン撮影に切り替わってカメラが地上へと舞い降りる。うん、なかなか期待させる良い出だし。この映画の監督ジョセフ・ルーベンさん、調べてみると'70年代から監督しているベテランなんですね。作品数があまりないのと、これと言った代表作がないのが辛いところですが。

子供達の乗った飛行機が墜落。その事故で一人息子を失ったテリーは1年以上が過ぎた今でもショックから立ち直れず精神科医のカウンセリングに通う毎日。やがて彼女の周りで奇妙なことが。家族写真から息子の姿だけが消え、続いてアルバムやビデオまで消えていく。夫や精神科医は元々子供など居なかった、病んでいたテリーの精神が回復しつつあるのだと言い出す。思わず家を飛び出したテリーは同じ事故で娘を失った男アッシュを訪ねるが、彼もまた娘の事を覚えていないと言う。なんとか娘の記憶を取り戻すアッシュ。何故みんなが子供の記憶を失ったのか、そのことを調べ始める二人は国家安全保障局の調査官に追われることとなるのだった。

映画前半はまさしく予告編通りのサスペンス展開です。ヒッチコック作品かフィンチャー監督の「ゲーム」(1998)を思わせる、周りが誰も信じられない疑心暗鬼型スリラーといったところでしょうか。ただそれらの作品に比べると本作の脚本は随分と淡泊で、主人公テリーも悩むより行動というタイプなので設定の割に軽い作品という印象を受けます。まぁスピーディな展開は現代の観客には合っているのでしょうね。国家的陰謀も感じさせ、まずまずの恐怖感も与えてくれる前半の展開と言えます。
数々の謎を、はたしてどのように見事に解きほぐしてくれるのか、監督の手腕に期待が寄せられます。

ところが後半、物語は徐々にタガが外れ始めます。
だいたい何の伏線もなく主人公が突然「こんなこと人間に出来るわけ無い。犯人は○○だわ」とか言い出したかと思うと、何のひねりもなくその通りでしたというトボケた展開は何だろう。前半の幾多の謎は全て、アレが黒幕だから仕方ないよね、で済まされちゃいますし。て言うか、アレが犯人と分かった時点でみんな考えるのやめてますし。
面白いのは主人公に協力しようという人物が出てくると、突然その人物はバビューンと空の彼方に飛んでいってしまいます。いやマジで(笑)。人の記憶を簡単に操作できる能力を持ちながら、どうしてそんな派手なことをしなくちゃならないのか分かりません。まぁそれより、そのシーンの特撮映像(て言うかCGですが)の見事さと、それに反して画面的マヌケさが相まって愉快なシーンに仕上がっています。

さて、ついにアッシュまでもがバビューンされ、テリーは単身アレと対峙することに。アレの目的は子供の記憶を親から消し、親子の絆を断ち切る実験だったのだ!

なーんやそれ!

しかしテリーの息子への愛は強く、実験に失敗したアレは仲間によって粛正されてしまうのでした。

まぁアレによる侵略SFのジャンルでは古典的な設定ですね。超越した技術だか能力だかを持ちながらやたらと回りくどいアレの行動といい、取って付けたようなハッピーエンドといい、ルーベン監督の仕事は実に丁重な仕事をしていると言えます。
嫌いじゃないですよ、こういう映画。
でも、このバカSF映画をあたかも本格サスペンス映画のように見せかけた予告は詐欺だなぁとは思います(笑)。劇場まで観に行って唖然とした人は多いのではないかなぁ。そういう意味でも確かに「サイン」と似ていますね。


ところで、「犯人の正体は実はアレだった」てな(ある意味不誠実な(笑))映画は過去にもいろいろありますが、特にその突拍子もないどんでん返しで記憶に残っている作品が2本あります。
「宇宙から来たツタンカーメン」(1982)「ザ・ダーク」(1979)です。
共に箸にも棒にもかからない作品ではありますが、しかし忘れたくても忘れられない(笑)愛すべきクズ映画なんですよねぇ。

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