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映画のコトやら何やら綴りませう
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邦題といい、監督ドン・シーゲルといい、クリント・イーストウッド主演といい、あたかも西部劇かと思わせますが、シーゲル監督らしい乾いた雰囲気いで描く骨太な刑事アクションであります。

「マンハッタン無宿」(1968)
COOGAN'S BLUFF

まず映るのは広大なアリゾナの砂漠。そして岩陰から何者かに銃を向けるインディアンの男。
はて? やはり西部劇だったかしらん? と思わせる楽しい導入部です。
イーストウッド扮するはアリゾナの田舎の保安官補クーガン。一匹狼を気取り乱暴な捜査で上司の覚えも良くないクーガンは犯人引き取りの為にニューヨークへと単身出張することとなります。そして舞台は一転、摩天楼の建ち並ぶ大都会へ。
慣れない都会に辟易しながらも犯人護送の任に付くクーガンは、しかしミスから犯人の逃走を許してしまうと言う大失態を犯してしまいます。ニューヨーク市警からの協力も得られぬまま、クーガンは単身大都会の闇に身を潜めた犯人を追うのです。

まず何より、クーガンのキャラクターが後にやはりシーゲル監督とコンビを組む「ダーティハリー」(1971)のハリー・キャラハン刑事と被っていて面白い。本作があってこそ「ダーティハリー」という傑作を生み出されたのは想像に難くありませんね。大きく違うのはクーガンはニューヨークでは警察官としての権限が無いため拳銃を携帯せず、素手で敵に立ち向かうところでしょうか。逃走犯発見までの道筋がやや安易すぎるきらいはあるものの、執念で追いつめていくクーガンの迫力はさすがシーゲルとイーストウッドのコンビだと言えましょう。

もう一人、ニューヨーク市警の警部を演じるリー・J・コッブの存在感もまた素晴らしい。コッブと言えば「十二人の怒れる男」(1957)でヘンリー・フォンダと激しく対立する陪審員役も印象的でしたが、何と言っても「エクソシスト」(1973)の警部役が見事で、死去の為「エクソシスト3」(1990)での同役が演じられなかったのが残念でなりません。
堅物で融通が利かず怒りっぽい、しかしその実部下思いの上司と言えばこの手の刑事物では必ず出てくるキャラクターですが、この「マンハッタン無宿」でコッブが演じる警部も(主人公の上司と言うわけではありませんが)同様のキャラクターで物語に深みを出していました。

ところでヒロイン役のスーザン・クラークよりもずっと魅力的な、時代を感じさせるヒッピー娘であり逃走犯の情婦を演じるティシャ・スターリングのコケティッシュな可愛さはなかなかに特筆物。でもって彼女が入り浸っているヒッピー達のゴーゴークラブの描写もまた時代を感じさせてくれて楽しいのですが、そのクラブの中で映写されているフィルムの中に一瞬イーストウッドが無名時代に出演した「タランチュラの襲撃」(1955)が映るのがちょいとニヤリとさせてくれました。


しかし・・・裏で「ハリーポッターと賢者の石」(2001)を放送しているというのに、わざわざこっちを見ている人なんてそんなに居ないのだろうなぁ(笑)。

放送記録:2005年11月23日PM7:30~9:15サンTV「シネマ・スタジアム」

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