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旅の途中、病に倒れるゲルダ。薬草を探しに一人森に入ったラギもまた熱を出し、崖から転落してしまうのだった。二人が危機に陥っていた同じ頃、カイは女王の城で楽しそうに歌いながらパズルに熱中していた。
なんかこう、仕方ないとはいえ毎週のゲルダの苦労の旅を見ているとカイの脳天気さにハラ立ってきますな(笑)。まぁ旅の終わりに、人間的に大きく成長したゲルダと成長のない(と言うかむしろ退化している?)カイがどんな再会を果たすのか楽しみであります。
さて今回はいろいろと物語の核心に迫る内容でありました。
ゲルダが語る英雄ホルガーの伝説が雪の女王のホルガーへの思慕の情とリンクし、また女王と(風の化身改め)愚か者との因縁も少し明らかになりました。一方ラギの辛い過去も語られました。予想はされていましたがやはり部下達を死なせてしまったその時、ラギは雪の女王と出会っていたのですね。ラギの旅の最終的な目的は、やはり雪の女王に再び相まみえることなのでしょうか。女王もまたラギのことを気にしている様子。ラギと英雄ホルガーの関係は? 狼ホルガーは単に英雄の名を付けられただけなのか? ラギと女王の再会もまた楽しみになってきました。
それにしても初期には完璧超人にも思えたラギが徐々に人間的な弱さを見せていってくれているのがとても良いですね。かつてゲルダに言った励ましの言葉、それは本当は自分に向かって言っていたのだ。ゲルダという旅の仲間を得るまで、ラギの心情はいかばかりだったのか。ラギもまた、これまでに登場した街の人々と同様にゲルダによって救われていたのでしょう。
でもってエンドクレジットでも「風の化身」から「愚か者」にクラスチェンジしていた雪の女王因縁の敵。コッチの戦いの結末もどうなりますか。しかし女王の城を守る結界と巨大な対空砲の群れ。まるで光子力研究所みたいでいいなぁ(笑)。予想外の物理的(に見える)な攻撃に笑ってしまいました。
さて、本シリーズは全39話でしたっけ。2/3が終了したわけですが、物語はいよいよ終盤戦。この後登場が待たれる盗賊の娘話もあるし期待です。まぁ、これだけ面白い作品の終わりが近づきつつあるというのは寂しくもあるのですが。
しかし、今日のはそんなあからさまな泣きのドラマでは無かったはずなのになんだかジンときました。ゲルダの優しさと力強さ、ラギの思いやりの心、見ていて泣けてくるのですよねぇ。演出の上手さもあるのでしょうけど・・・なんかこう優しさに飢えているのかなぁ・・・(苦笑)。
ここ数年、漫画雑誌というものをすっかり買うことがなくなりました。気に入った作品のみ立ち読みするくらいですね。そんなわけですっかり新たな作品の新規開拓を怠ってしまっているわけで、おかげで購入する単行本の数も減りました。
でまぁ、それでも新規開拓の一環として、アニメ作品で気に入ったのがあると原作にも手を出してみるというのがあります。比較的最近ので言えば「ブリーチ」「金色のガッシュ」「エアマスター」「焼きたてじゃパン」あたりですか。しかし最近これら4作品がことごとく原作の展開がグタグタになりつつあります。やっぱ長く続くとダメになっていく確率が上がりますわな。そうそう面白いネタが無限に溢れ出るわけでもないし、特にアニメ化すると作者の忙しさもハンパではなくなりますし。
それでも「金色のガッシュ」はかなり健闘している方でしょう。「エアマスター」はそれでも時々光る回がありますし、終わりも近いようなので見事なラストを期待しています。現状最悪なのは「ブリーチ」ですかね。その場その場の見せ場にばかり気を遣って全体の整合性を放棄しているぽいのが辛いところ。て言いますか、過去に自分の描いたことを忘れてるんじゃないかなぁと思うこともしばしば。とにかく「完全催眠」の一言でそれまでの伏線を全てうやむやにしてくれた衝撃以来、なかば惰性で読んでますけどね。ああ、アニメの方でももうすぐですか、完全催眠。アレをアニメ化しなくちゃいけないとはアニメスタッフも大変だなぁ(笑)。
で、何か新たに面白い漫画を読みたいなぁと思っていたところで以前に友人から薦められていた「史上最強の弟子ケンイチ」を読んでみました。本屋でも単行本を見かけて気にはなっていたんですよね、あの表紙を飾るレオタード姿の巨乳少女に(笑)。正直言ってエロい体型の萌え系少女格闘漫画みたいなありがちなものだと興味ないなぁって思っていましたが、いやいや予想とは違ってその上面白いじゃない。一気に17巻まで読破し、前身に当たる「戦え!梁山泊 史上最強の弟子」全5巻まで読んでしまいました。
正義感はあるけれど気が弱いいじめられっ子の少年が一念発起してとある武術道場に入門し、才能の無さを努力でカバーしながら地獄の特訓を耐えつつ強くなっていくという物語。と、こうして書いてみるとこれもわりとありがちっぽいですが、とにかくどの登場人物もキャラがしっかり立っていて物語をぐいぐい引っ張っていっているのがイイ。特に弟子ケンイチに師弟愛を注ぎながら死ぬ寸前までの地獄の特訓を繰り返す「史上最強」の師匠連中の立ちまくったキャラが最高に楽しいのですね。
ギャグのテンポもいいしキャラも魅力的で、これはなかなかいい作品に巡り会えたなぁ、と。
なんだか単行本も売れていて人気は結構あるそうで、それはそれで喜ばしいわけですが、そうなるといずれアニメ化するだろうことがちょっと心配ですね。もちろんしっかりとしたアニメを作ってくれればそれはもちろん嬉しいのですが、そのことをきっかけに上記作品達のように変なことにならないでくれればいいのですが。
ところで女性キャラもそれぞれ魅力的なわけですが、私的にはケンイチの妹ほのかちゃん、女師匠しぐれさんが特によろしいです(笑)。
さてさてさて、ゲルダとラギがたどり着いたのは300年前に双方の軍が全滅するという激戦があった古戦場跡。そこで見つけた遺骨にゲルダは一輪の花を手向けるのだった。
というわけで昨日の、
「雪の女王」第25話「王家の鍵」
古戦場後の星降る丘で一夜を過ごすことになったゲルダが体験する一夜の夢。300年経った今でも亡霊となって戦い続ける兵士達。ゲルダの手向けによって魂を蘇らせ、王妃の待つ城への帰還を、そして延々と続く戦いを終わらせようとする国王の亡霊。
成仏できずに彷徨い、果てしなく戦いを続ける兵士達の物語はどこか日本の昔話を思い起こさせ、哀しみをたたえます。例えば「耳なし芳一」のように怪談話でありながら、その果てしない哀しみの歴史を思うと胸を打たれてしまうのです。兄弟でありながら戦わねばならなかったという部分でもその思いを深くします。
今回のエピソードがこういう話になったのも、現在放送中のNHK大河ドラマが「義経」ということと無関係ではありますまい。
第23話に続いてラギが肝心なときに眠りこけるという小ネタに始まり、降るような星の中で静かに戦い続ける亡霊達の幻想的な風景。幾度殺されても蘇り、愛する妻の待つ城を目指す弟王。妻を失った哀しみ、自分に対して憎しみを向ける兄との終わりのない死闘。そしてゲルダのもたらしたヒントによって300年に及ぶ戦いはついに終わりを迎えます。それは、美しくも哀しい物語でありました。
それにしても王様、ゲルダへのお礼があれだけとはケチりすぎ(笑)。もう少しゲルダの旅へのヒントをくれてもいいのにね。それに兄の最後の言葉、「また生まれ変わっても面白いことしようぜ」ってさわやかに言うのも唐突すぎて笑えました。もっともそういう唐突って部分が「雪の女王」が物語の整合性がないって言われることの多い理由でしょうけど、まぁ出崎監督もそう言われることは承知の上で楽しんで作っているのでしょうし、まぁ私自身もそう言う部分も込みで楽しんでいますよ(笑)。
さて次週は「ホルガー伝説」。パーティの中でも最も頼りになる狼ホルガーがどのような活躍をするのか楽しみであると共に、いよいよラギと雪の女王の因縁が語られそうなので期待です。
しかし・・・ここんとこどうにも「雪の女王」感想ブログになりつつあるので、もうちょっとなんとかせんといかんなぁ、と。
さて本日の「雪の女王」第24話は、アンデルセン童話の中でも「マッチ売りの少女」と並んで有名な、
「人魚姫」
でありました。
内容に置いても「マッチ売りの少女」同様に悲劇性の強いお話なので、正直かなり覚悟して見ましたよ(笑)。
まぁ最近はこうした作品の結末をハッピーエンドに書き換える絵本とか映画とか多いですが、例えばディズニーの「リトル・マーメイド」(1989)などあれはあれで大好きな映画ではありますが、原作の結末を書き換えてしまうことに不満を持つ人がいることも理解できます。
で、今日の「雪の女王」版「人魚姫」ですが、上手いなぁって思いました。
オリジナルの「人魚姫」を昔話として紹介し、そのエッセンスを留めつつ新しい人魚姫の物語を作り上げます。
そしてオリジナル通りの悲劇的結末をここでも迎えるのかと思わせておいて、一転しての幸せな結末。過去の人魚姫像とはまったく違うリリーの陽気で寂しげで不思議なキャラクター、住人のほとんど描かれない街の風景、昔話の人魚姫が王子の元で暮らしたのだろう今は廃墟となった城・・・どこか現実味の無い描写の積み重ねがクライマックスの難破船が海に飲み込まれていくスペクタクルかつ幻想的な映像を盛り上げていく、この演出の妙にも感心しきり。
本筋外の楽しいシーンも多くありました。
昔話の「人魚姫」を、微妙にハイテクな人形劇で語るハンス(南に行くと言っていたけど、またそのうち何事も無かったようにゲルダの前に現れるのだろうなぁハンスさん(笑))。ゲルダに怒られて焦るラギ。昔話と違って妙に軽い性格の魔女。
こうした愉快なシーンに笑わされながら・・・ゲルダの優しさリリーの優しさに、やはり今回も泣かされてしまったのでした。
ところで話変わって、
故ピーター・セラーズの人気シリーズでありました「ピンク・パンサー」がリメイクされたんだそうな。主演はスティーヴ・マーティン。なるほど、セラーズに代わる俳優など居るはずもないわけですが、それでもスティーヴ・マーティンという配役はなかなかいい線かと。私的にはオリジナル版を見ていられればそれだけで満足なんでリメイクする意義はあまり感じられませんが、それはそれとしてどんな出来になってるのかは多少の興味はありますね。
まぁこれを期に、またセラーズの諸作品が再び注目される日が来ればいいなぁとかも思ったり。
さて、本日の日曜洋画劇場は「LOVERS」(2004)でしたね。
すっかり忘れてましたよ・・・orz
まぁでも、今日は「雪の女王」だけでお腹いっぱいに楽しめましたからいいでしょう。
「雪の女王」第24話「パラダイスの園」
ついに本性を現す風の化身と雪の女王が相まみえる、一大巨編でありました。
序盤、一人沐浴をする雪の女王の普段とは違うリラックスしたような優しい表情、その美しさにまず見惚れます。しかしその頃、女王の留守を見計らって進入した風の化身が、ついにカイを女王の城から連れ出してしまったのです。帰城した女王はカイを狙っていた者の存在をはっきりと確認し、すぐさまその後を追うのかと思いきや・・・なんとそこでバトルコスチュームへと着替えるのでした。
全身に鎧を纏うバトルモードへと変身する女王。先ほどのたおやかな美しさとは一変したりりしさ格好良さにまたしても見惚れます。
楽しいパラダイスの園へ行こうとカイを誘い出した風の化身。二人が風になって空を飛ぶシーンは実にファンタジックで楽しさに溢れています。しかしカイは風の化身によって闇の底で永久の眠りにつかされようとするのです。カイを眠らせ闇へと連れ去ろうとする風の化身。しかしその前に雪の女王が立ちふさがりました。
ランスを振りかざす女王と、シルクハットを二振りの剣に変えた風の化身の雪上での決闘。
ここいらで、はて?今見ているのはなんのアニメだっけ?と確認したくなります(笑)。
ついに風の化身を圧倒する女王。風の化身は再戦を期して去っていくのでした。
一方ゲルダとラギは、狼の群れが徘徊する森の中で野宿をしていました。ふと、眠りに落ちてしまうラギを見やって森の中に歩み去っていくホルガー。翌朝ホルガーは全身に傷を負いながら帰ってきたのでした。自分たちを守ってくれたのだと知ったゲルダはホルガーに抱きつきながら涙を流したのでした。
カイを守るために戦った女王と、ゲルダとラギを守るために戦ったホルガーの対比は今後何らかのドラマを産むのでしょうか。
いやしかし、全編気合いの入った作画で、しかもこれほどに迫力あるバトルを「雪の女王」で見ることになるとは思いませんでした。毎回良い意味で先の読めない、ある意味何でもありな展開がこの作品の大きな魅力だなぁって改めて思います。そしてその何でもありな物語をしっかりと空中分解することなくまとめ上げる出崎監督の力量。
今回も思いもよらない展開に大笑いしつつ、ラストのホルガーにしっかりとホロリとさせられてしまいました。
これまでのゲルダの旅が中心の展開から、今回大きく雪の女王とカイ側のドラマが動き、ますます今後が楽しみになってきましたよ。
さて次回はいよいよ人魚姫です。
「マッチ売りの少女」でもマリアのキャラクターデザインに驚かされましたが、今度の人魚姫の少女も予告で見て予想もしないデザインに驚いてしまいました。このこれまでのイメージを覆す少女がゲルダと共にどんな物語を紡ぐのか、期待されます。
今更ながらですが見ました。
「装甲騎兵ボトムズ/赫奕たる異端」(1994)
そもそも1983年から1984年にかけて放送されたTVアニメ「装甲騎兵ボトムズ」は元々さほどロボットアニメ好きとは言えなかった私が「機動戦士ガンダム」に次いでハマった作品でした。「ガンダム」以上にリアルな戦争描写や世界観、機動兵器AT(アーマード・トルーパー)の兵器としての魅力、意外性に満ちたドラマ展開。そしてそれまでのアニメでは考えられなかった主人公キリコのキャラクター描写。
「ガンダム」以降「太陽の牙ダグラム」や「宇宙戦士バルディオス」「伝説巨神イデオン」等、所謂リアル系ロボットアニメが人気を博したわけですが、それらの作品がどうしても子供がロボットを操って戦うというある種の決まり事の中で作られたのに対し、戦争のプロが戦う物語であり過酷な世界での恋愛を描いた「ボトムズ」は群を抜いて大人びた雰囲気と魅力に満ちていたのでした。
以降「ボトムズ」を作り上げた高橋良輔監督は私のお気に入り監督となり、「機甲界ガリアン」「蒼き流星SPTレイズナー」「鎧伝サムライトルーパー」「ガサラキ」等、期待に違わぬ作品を見せてくれました。
無論「ボトムズ」放送後に作られたOVAも見逃せません。「ザ・ラストレッドショルダー」(1985)「ビッグバトル」(1986)「野望のルーツ」(1988)の3作はいずれもTVシリーズの骨太なイメージを保った完成度の高い作品でした。
さて、その後TVシリーズから10周年記念として1994年に作られた全5話からなるOVAシリーズ「赫奕たる異端」ですが、実は今まで見ていませんでした。「野望のルーツ」からの6年の歳月のうちに「ボトムズ」熱が薄れたというのも確かですが、それ以上に今回の作品がTVシリーズのその後を描くということに大きな不安を感じていたのです。
過去に作られたOVA3作はいずれもTVシリーズの中で語られなかった空白の時間を埋める形で作られており、その作りには大賛成でした。そもそもあれだけ綺麗に終わった物語に、その後の物語など必要だというのでしょうか。キリコとフィアナはコールドスリープカプセルに入り、平和な世界を求めて宇宙に旅立ちました。そしてきっと、そんな世界で目覚めて幸せに暮らしたはずなのです。過酷な戦乱の中で互いの愛を貫いた二人にとって、それはどこか切なさはあるけれど幸せな結末だったはずです。そんな二人を再び戦いの中に呼び戻そうというのは無粋というものではなかろうか。そんな想いがあったのでした。
そして「赫奕たる異端」制作から11年。見たいという気持ちと見たくないという気持ちがせめぎ合う中で、ええ、ついに見てしまいました(苦笑)。
キリコとフィアナが眠りについてから32年後、二人のカプセルが宇宙の回収業者に拾われるところから物語は始まります。蘇生したキリコの目の前でいまだ眠り続けるフィアナは連れ去られ、キリコはフィアナを追って再び戦いの中に身を投じていくのです。
戦争を続けているギルガメスとバララントに加え、巨大な宗教組織という第三勢力の存在。TVシリーズでは細かに描かれなかった謎の組織の実態。TVシリーズ冒頭から常にキリコの監視者であり記録者であったロッチナの登場。「ボトムズ」ファンにとってファン心をくすぐられるドラマ作りはさすがといったところでしょうか。加えて完成度の高い作画はみものでした。最もキャラクターデザインに関しては個人的にはあまり好みとは言えませんでしたが。
総合的に見て、「赫奕たる異端」はそれ単体の作品としては非常に面白いものでした。
ですが、やはりTVシリーズのその後を描く必要があったのかという想いが残ります。特にTVシリーズでは描かれなかった・・・と言うか、後付け設定なのでしょうから当然ですが・・・フィアナの意外な事実など、詳しくはネタバレになりますので言いませんが、例えば「エイリアン2」(1986)で苦労の末生き延びたニュートやヒックスが続編「エイリアン3」(1992)の冒頭で無意味に殺されたのを見た時の不快感や裏切られた気持ちに近いかもしれません。
はたしてあの感動的なTVシリーズのラストをぶち壊してまで作るだけの価値があったのか。しかし高橋監督自らキャラクターデザイン兼作画監督の塩山紀生氏との制作時の対談の中でTVシリーズ最終回を否定してしまっているので何をか言わんやですね。本作発売当時、世の「ボトムズ」ファン達がどんな感想を持ったのか、ちょっと知りたい気分です。
つか・・・11年も前のOVAを今になって熱く語ってること自体妙なものですね(笑)。
【地上波映画鑑賞】ミクロの決死圏(1966)
本日サンTVにて放送していましたので、後半だけですが見ていました。
手塚治虫氏がネタをパクられたと激怒された本作ですが、まぁそれはそれてして(笑)何度見ても美術が素晴らしい。今ならCGを多用してもっとリアルな画面をつくるのでしょうが、1966年当時の持てる技術をつぎ込んだ映像はそれはそれで今見ても見応え有ります。ドラマ的にツッコミたくなる部分も多々あるわけですが、それもまた今となっては味という物でしょう。
それにしてもラクエル・ウェルチ嬢の美しさセクシーさはやはり格別ということで(笑)。
放送記録:2005年10月19日PM7:30~9:15サンTV「シネマ・スタジアム」
心が落ち着きを取り戻したので日曜の「雪の女王」について少し。
余りに有名な童話「マッチ売りの少女」ですが、過去幾多の絵本などが出版されていますし、アニメ等で映像化されたこともあります。これまでそう言ったものを何度も目にしてきたわけですが、今回の「雪の女王」版がそれらと決定的に違っていたのはマッチ売りの少女マリアのキャラクターでした。
絵本などの中に描かれたマッチ売りの少女はいつも雪降る街の中、辛そうな哀しそうな表情でマッチを売っていました。ところが今回のマリアはどんな悲惨な状況にでもいつも笑顔を絶やしません。今の自分の置かれた状況を不幸とは思っていないのか、それともそもそも理解出来ていないのか、心からの笑顔で主人公ゲルダを(薪すら無いため)冷たいお茶でもてなすマリア。
このマリアの明るさが、不幸の中でも他人を思いやる優しい心が、物語の悲惨な展開をさらに強烈なものにしていきます。
出崎監督の演出は情け容赦がありません。何かと童話などの結末をとにかくハッピーエンドに書き換えようという世の中ですが、原作以上に容赦のない展開を今のTVアニメで作ることが出来るのは出崎監督くらいかもしれません。
宛先不明で戻ってきた手紙を無邪気な笑顔でゲルダに見せるマリア。その時の絶句するゲルダの姿は我々視聴者の姿に他なりません。怒濤のごとくたたみかける不幸の中、マリアを救おうと奔走するゲルダ。けれどTV画面のこちら側にいる我々同様、どんなにあがこうとも結末を変えることは出来ないのです。
原作にある非道な父親は本作には存在しません。本作のマリアは早くに亡くなった両親に、そして最後まで面倒を見てくれた祖母に愛されて育ったのでしょう。「雪の女王」のこれまでのエピソード同様、本作にも本当の悪人というのは登場しません(まぁ大家はかなりアレではありましたが、家賃を滞納し続けてもギリギリまで住まわせてくれたという点で極悪人ではないかと)。でもだからこそキツい。
ほんの少しのボタンの掛け違えで坂を転がり落ちていく物語。天に召されることが唯一の救いであった原作の少女と違い、もしかしたらマリアを救うことが出来たのかもしれなかった物語。優しさ故にこれから永遠に後悔し続けなくてはならないゲルダ。
このあらゆる意味でキツい物語は、制作者のまさに情け容赦のない悪意の固まりでした。でもそこまでやったから、だからこそこれほどまでに心に突き刺さるのです。そしてそこまで真っ正面からやり切った出崎監督以下本作のスタッフを賞賛します。
そうそう、
「雪の女王」で以前に放送されたエピソード「幸運の梨の木」は本作の対になった物語に思えます。身寄りのない子供達を引き取っては面倒を見るものの、大家から追い立てを食らっている貧しい男。その男と子供達がゲルダの機転によって救われるというそんな物語でした。子供達の一人の少女の声が、今回のマリアと同じ声優さんだったことは偶然ではないでしょう。
アニメ「雪の女王」第19話、「マッチ売りの少女」です。
本当なら出崎監督の圧倒的な演出力とか、あまりに有名な原作について語るべきなんでしょうけど・・・。
あきません・・・。
涙で曇って前が見えないよ・・・。
こういう話は本当に弱いです。
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