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清水崇監督と言えば「呪怨」シリーズだけでハリウッドまで行っちゃったという監督さんです。まぁ実際にはTVなどを中心に他にもちらほら撮っているわけですが、でもメインはいつも「呪怨」、デビューから延々と「呪怨」です。それでハリウッドまで行ってセルフリメイク「THE JUON/呪怨」(2004)を大ヒットさせちゃうんですから大したものですし、私自身「THE JUON/呪怨」を含めた「呪怨」シリーズを高く評価しています。
ですが、その一方で清水監督の真価を確認する意味でも「呪怨」以外の本格的な映画作品を見てみたいと思っていました。
「感染」「予言」(2004)に続く「Jホラーシアター」の第2弾として今年頭に公開されたのが本作です。輪廻転生をテーマとした恐怖作品はこれまでにも多々あり「リーインカーネーション」(1975)や「オードリーローズ」(1977)など印象深い作品でしたが、清水監督がそのテーマにどういう切り口で挑んだのか楽しみでありました。
35年前にあるホテルで11人が無差別に惨殺された。その事件の映画化作品で主役に抜擢された新人女優杉浦渚は奇妙な夢を見ると共に、付きまとう少女の霊に怯える。同じ頃、女子大生木下弥生もまた奇怪な夢に悩まされて今は廃墟となったホテルへ向かうのだった。
今回の清水監督はお化け屋敷映画として高い完成度を誇った「呪怨」と違った、ドラマ性を重視した作品作りに挑んでいます。タイトルの輪廻自体にはさほど重きを置かずに魂の普遍と復讐を正面から描いたドラマは面白く、救いのないラストまで一気に見せてしまう監督の力量はやはりなかなかなもの。メイン3人が誰の転成なのかというミスリードも堂に入ったもので見事に騙されましたね。登場人物達にとって理不尽すぎるストーリー展開も「呪怨」シリーズ的ですが、輪廻転生を絡めることでより悲劇性が増しているところも良し。
まぁ理に落ちすぎる展開と複数存在する疑問点が不満と言えば不満ですが、それはさしたることでも無いでしょう。それよりも優香扮する杉浦渚と香里奈扮する木下弥生という2人のヒロインのドラマが映画の中で一切絡むことなく両立していることが映画のバランスをやや居心地悪くしているのが問題かなと。しかし監督の並以上の力量を確かめることが出来た良い作品でありました。
それにしても最初主演が優香だと聞いたときにはかなり不安でした。どうしてもバラエティタレントというイメージでしたし。しかし本作を見て立派な女優さんじゃんと認識を改めました。
後細かい事ですが、
かつて惨殺事件のあった古いホテル、どこまでも続く赤絨毯の廊下、幼い少女の幽霊・・・と来たところで当然ながら「シャイニング」(1980)を思い出します。映画好きの清水監督らしいお遊びでしょうか。
本作で重要な(怖がらせ)アイテムとして出てくる人形の不気味さは「サスペリアpart2」(1975)の自動人形に匹敵するなぁ。でも人形の不気味な造形はちょっとやりすぎ且つわざとらしすぎかも。
35年前の事件の唯一の生き残り役を演じるのは大ベテランの三條美紀さん。出番は少ないものの流石の迫力。
そんなわけで、清水監督の次回作にも期待します。次はハリウッド版「THE JUON2」ですかね。
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