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ニューヨークで子供達の間に謎の奇病が蔓延していた。この奇病を媒介するゴキブリを絶滅させるため昆虫学者のスーザンはゴキブリの天敵となる新種の昆虫を遺伝子操作で生み出し、街に放った。ゴキブリは全滅し、奇病の発生も収まった。新種の昆虫も一世代だけの生命しかなく、やはり絶滅したはずだった。
それから3年、あの新種の昆虫は突然変異を繰り返して高度な知能と人間への擬態能力を身につけていたのだ。彼らは今は使われていない地下鉄跡の地下坑道で繁殖し、人間を食料にしながらコロニーを増やしつつあった。
「ミミック」(1997)
MIMIC
この作品が公開される少し前に「レリック」(1997)という似たタイトルのモンスター映画も公開されたりして紛らわしかったですね(笑)。
「レリック」がわりと正統派の怪獣パニック映画に仕上がっていたのに対し、この「ミミック」はホラー色の強いモンスター映画でした。
昆虫が敵となる映画って沢山ありますが、高い知能を持った昆虫との対決というとあのウィリアム・キャッスルが制作した異色作「燃える昆虫軍団」(1975)を思い出します。ヒッチコック作品などのタイトルデザインを手がけたソウル・バスが監督した「フェイズ IV 戦慄!昆虫パニック」(1973)なども不思議な後味を残す奇妙な作品でした。共に好きな作品です。
一方地下坑道での巨大昆虫VS人間の傑作と言えば「放射能X」(1954)でしょうか。核実験の影響で突然変異した蟻の群れと軍隊の下水道での対決がサスペンスフルです。同年の「ゴジラ」(1954)同様、ある意味人類が生み出してしまったモンスターによって人類が危機に陥る設定は、本「ミミック」にも通じるところ。
さて「ミミック」をこうした作品と比べるとどうもピリッとしない。自らが生み出したモノにしっぺ返しをくらう展開も、人間に擬態するという設定ももう一つ上手く使ってくれていないのですね。物語はあくまでサスペンスホラーの常道といった感じに進みます。それはそれで悪くない出来ではあるものの、折角の突然変異をした怪物という美味しい設定が生かされていない、展開に驚きが無いというのは勿体なし。
メキシコ出身のギレルモ・デル・トロ監督のハリウッド進出第一作となる本作の演出は落ち着きがあって安心して見ていられます。が、物語的にまで安心させられては困るんですよね。良い点は多々あるのに残念です。
もう一つ残念な点と言うと、展開や画面作りが「エイリアン」(1979)に似すぎているところ。オーソドックスな演出を心がけるとどうしても似てしまうのは分からなくもないですが、これは本作に対する印象をかなり落としてしまっています。終盤、無数の卵が蠢く産卵室を爆発で焼き払うところや、最後に残ったエイリアンクイーンならぬオスの昆虫から子供を護るために主人公の女学者が大活躍するあたりは「エイリアン2」(1986)のパロディかと思ってしまいました。いやまぁオマージュのつもりなのだとは思いますが、ちょっとやりすぎかと。
ところで公開当時、本作のタイトルデザインをカイル・クーパーが担当したことで話題になったものですが、今日の放送ではスパッとカットされていたような・・・。昨年末の「ゴジラ FINAL WARS」(2004)の放送でも同様でしたが、クーパーさん日本のTV局に嫌われてんのかって思ったり(笑)。
放送記録:2006年02月16日PM9:00~10:55TV大阪「木曜洋画劇場」
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