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映画のコトやら何やら綴りませう
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と言うわけで、
昨年のTV放送が見れなかったので、正月に改めて鑑賞。

「猫の恩返し」(2002)
THE CAT RETURNS

0601ongaeshi01 これは秀作「耳をすませば」(1995)の番外編と言いますか、同作のヒロイン雫が劇中で書いていた小説の映画化という設定でしたっけ。すっかり大艦巨砲主義となっているジブリ作品の中で極めて小品であり、娯楽に徹した作品でもありました。
結論から言いますと、とても楽しく良くできた作品でした。

女子高生ハルはある日一匹の猫を助けたことで不思議な世界をかいま見ることとなる。猫たちの恩返しは、まことにありがた迷惑なものであった。

昨今の宮崎駿監督作品とは違って肩肘の張らないドタバタコメディは心地良いものでした。状況に安易に流されるヒロインの何も考えてない感も作品に合ったキャラクターで、作品全体にどこか現実味のないファンタジックな風味を与えています。まぁここら辺が本作に対する賛否の元ともなっていると思いますが、個人的にはハルの大きな魅力となっていたと思いますよ。

やもすれば押しつけがましく感じるような問題意識を廃し、スラップスティックに徹した内容は75分程度という短い上映時間もあってスピーディに展開。特に「長靴をはいた猫」(1969)を意識したであろうクライマックスの塔の螺旋階段での追いかけっこなどは「まんが映画」を見ているような懐かしい楽しさに満ちています。
ジブリには大作の合間にでも、これからもこういう出来の良い小品を作っていただきたいものです。

ですが・・・たぶんもう無理なんでしょうね。
今のジブリは常に大ヒット作を作らねばならない状況に置かれています。つまり宮崎駿監督作品が常に望まれ、宮崎駿監督作品でなくてはスポンサーも乗り気にならない。そして本「猫の恩返し」の成績が今一つだったことで更にそういう状況が加速されたわけです。
本作の森田宏幸監督にとってはまことに気の毒な状況であったと思いますし、ジブリが後進の育成を決定的に怠っていたツケが回ってきた感じです。宮崎監督の最大の後継者と目されていた「耳をすませば」の近藤喜文監督が1998年に若くして亡くなられたのも本当に惜しまれます。

ジブリ作品だからといって、それだけで大ヒットするわけではない。そのことが明らかになりました。
観客はジブリ作品だから見に行くのではなく、宮崎駿監督作品を望んでいる。
・宮崎監督作品ではない。
・キャラクターデザインがこれまでのジブリ作品と比べて違和感がある。
・大作ではない。
・併映(「ギブリーズ episode 2」)が面白く無さそう。
「猫の恩返し」にとっては厳しすぎる条件が整っていました。

しかし数年前から宮崎駿監督が引退をほのめかしている現状で、ジブリは生き残りをかけた後継者探しに躍起になっています。本年公開予定のジブリ最新作は大作ファンタジー作品となる「ゲド戦記」ですが、昨年12月に正式発表された監督には目を疑いました。

宮崎吾朗 第一回監督作品。

宮崎駿監督の息子さんである吾朗氏は、そのプロフィールを見ても分かるとおりこれまでアニメ制作に関わったことのない方です。それがいきなりジブリの大作映画の監督とはどういうことでしょう。しかも「ゲド戦記」と言えばファンタジー小説好きの間でも熱狂的なファンの多い作品であるため、この発表に不安を感じたファンの人も多いと思います。

実を言えば私自身は映画「ゲド戦記」の出来にさほどの不安は感じていません。優秀なスタッフの多いジブリのことですから、誰が監督をしたところで水準以上の作品を作り上げるだろうことは想像に難くありません。「ゲド戦記」も長大な原作ですから「ハウルの動く城」(2004)のように原作を下敷きにして大幅な改編やオリジナルな展開をして一部ファンを嘆かせることがあったとしても、作品そのものの完成度は高い物になると信じています。
ですが宮崎吾朗氏にとって初監督作でジブリ大作の監督をするということは決して良いこととは思えません。「ゲド戦記」が失敗すれば、やはり素人ではと言われ、親の七光り監督と言われるでしょう。成功してもそれはジブリのスタッフのおかげと言われ、どちらにしても宮崎吾朗氏にとっては厳しい評価がなされることになると思われます。
吾朗氏の演出家としての才能は未知数で、それこそやってみなければ分からないというところでしょう。個人的には誰が監督しようが「面白ければ」問題はないんですけどね・・・。でも、今回のジブリの人選には疑問を感じます。ジブリにも有能な演出家は多数居るはずなのにもかかわらず、まったくの素人を持ってきたこと。これはつまり「実」より「名」を取ったということであまり良い印象はありません。またジブリの演出家以下、多くのスタッフにとっても面白くないことではないでしょうか。
この時、ジブリの崩壊が始まっていた・・・と後の世で言われないことを祈るばかりです。

さて、宮崎吾朗氏の監督日誌によると氏が「ゲド戦記」の監督に就くことを父親の宮崎駿監督は反対だったとのこと。
では誰が吾朗氏を監督の座に押し上げたのかと言えば、それはもちろん悪名高きプロデューサーの鈴木敏夫氏であるわけです。ジブリ存続のためになりふり構わず活動する氏の姿は企業トップとしては不思議はないのかも知れませんが、そのあまりにも映画への愛の無さは一ジブリファンとしては暗たんたる気分にもなります。
そう言えば「猫の恩返し」の併映作「ギブリーズ episode 2」は鈴木氏の落書きからスタートした実験作でしたね。いったいどういう経緯で映画になったのか知りませんし、その技術的な凄さは認めるものの、ああいう「猫の恩返し」とまったく方向性の違う実験的作品を無理に併映にして金を取るというのはどうにも納得のいかないものがありました。

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