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6日の稲垣版「女王蜂」に触発されたわけでなく、以前より再見したかったので新年の三が日に鑑賞しました。
「八つ墓村」(1977)
TV放送では何度か見てそれでも5~6年ぶり。ノーカット・ノートリミングで見るのはロードショー公開時以来ですから、実に28年ぶりですか。
感想は以前にもウチのHPで書いていますんで、良ければそちらも見ていただければと思います。
で、少しだけ書くなら、改めてムードが素晴らしいなぁって思いました。
市川崑監督の一連のシリーズがどこか醒めた本格ミステリー作品を目指しているのに対して、この松竹版「八つ墓村」は実におどろおどろしい雰囲気に包まれた半ば和製ホラー作品として仕上がっています。
野村芳太郎監督を始めとする「砂の器」(1974)のスタッフが制作ということで当時本格ミステリーを期待していた向きも多いと思われますが・・・と言いますか私もそうだったのですが、その期待は良い意味で裏切られたと感じたものです。
まぁ「砂の器」自体本当に本格ミステリーかと言われると若干の違和感は感じるのですが。
八つ墓村等のロケーションや多治見家の美術なども実に見事で、当時の松竹がいかに力を持っていたかと偲ばれます。
役者陣も市川崑監督の金田一シリーズに劣らず豪華で、芸達者を揃えていて良いです。渥美清の演じる金田一耕助は当時から賛否有りましたが、個人的には作品に合っていて悪くないかと。
ただ、クライマックスの洞窟の中で辰弥(萩原健一)が死にそうな目に遭っているのに、その外で金田一さんがのんびり淡々と事件の謎解きをしている構図が・・・これはこれで良いと頭で分かっていてもつい笑ってしまいますが。交互に展開する真犯人の狂気と金田一さんのぼくとつさの対比なわけですが、ここで渥美清という配役が生きてくるわけですよねえ。
同じ題材を扱いながらまったく方向性の違う市川崑監督の「八つ墓村」(1996)と比べ見るのもまた楽しいかと思います。
もっとも市川版「八つ墓村」は先の石坂浩二の金田一シリーズと違っていろいろと制作上の問題も多かったようで、決して市川崑監督のベストワークに仕上がっていないのが残念ですが。
と言うわけで、いろいろと記憶を新たにした「八つ墓村」鑑賞でありました。
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