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稲垣メンバーが名探偵金田一耕助に扮する、「犬神家の一族」(2004)、「八つ墓村」(2004)に続く好評シリーズの第三弾いよいよの登場です。前作前々作とTVドラマとしては力の入った作品で、今回の作品も楽しみにしていました。
今回の「女王蜂」も「犬神家の一族」や「八つ墓村」と同様、何度も過去に映画化やドラマ化された作品ですが、そのため新作を作ると必ず過去の作品と比べられる運命を背負っています。もっとも傑作とされる映画版のある「犬神家の一族」「八つ墓村」と違って「女王蜂」の過去映像化作品はどうにもピリッとしないものが多いので、今回は幾分スタッフとしても気が楽だったかもしれませんが。
「女王蜂」映画で言えば市川崑監督、石坂浩二主演の「女王蜂」(1978)と岡譲二主演の「毒蛇島奇談 女王蜂」(1952)を見ています。「毒蛇島奇談」の方はオリジナリティに溢れていて比較しにくいのですが、1978年版が市川崑と石坂浩二のシリーズ5作の中で極めて評価が低いのは脚本の混乱ぶりと、そして何よりもヒロイン智子を演じた中井貴恵の大根ぶりでしょう。
今回の智子(と母親琴絵の二役)を演じるのは演技力には定評のある栗山千明。
女優としてもルックス的にもわりと好きな栗山千明ですが、しかしその個性的な風貌は男達を引きつけてやまない絶世の美女という役所には違和感あり。言い方は悪いですが栗山のどちらかというと下品な顔立ちも厳しいところですが、旧家のお嬢様と言うには上品さがまるで感じられない立ち居振る舞いが致命的かと。栗山本人も頑張って演技しているのは分かるのですけどね。演出家としてもそこら辺が分かっているのか琴絵に波打ち際を走らせるなどやや現代的なキャラクター付けもしていたようですが、残念ながらそれも中途半端な努力にしか見えませんでした。
栗山、稲垣以外の役者陣を見ると、大道寺当主役の石橋凌はさすがの存在感。しかし全体的には小粒感が強いです。市川崑版の豪華な配役が印象に強いせいも大きいでしょうけど。
さてドラマですが、
事件を淡々と時系列通りに描く脚本は正直退屈。もともとこの物語は横溝の他作品に比べてそんなに面白いものでも無いので1978年市川崑版などでも精一杯ドラマティックに盛り上げようとしていたものですが、それを妙に淡々と描く本作は少々手を抜きすぎかな、と。「女王蜂」という題材も難しいものだったでしょうけれど、シリーズも3作目となって残念ながら少々スタッフ的にもマンネリ気味になってきたのかもしれません。
今後もシリーズが続くとしたら(そして個人的には続くことを望みますが)、横溝作品の中でもこれまであまり映像化された事のない原作を選ぶか、知名度の為にメジャー作品から選ぶとしてももっと映像的に見栄えのする原作を選ぶべきでしょう。
ところでこのシリーズでは毎回最初と最後に原作者の横溝正史自身(演じるは小日向文世)が登場して金田一耕助と会話するシーンがあるわけですが、今回初めて横溝が金田一に同行して事件に出くわすというのは、今後毎回やられても困りますが面白い設定でした。あまり生かされているとは言えませんでしたが。
と言うわけで次回に期待。次作るとしたら何だろ。メジャー作品から選ぶとすれば、「獄門島」あたりが妥当かな?
放送記録:2006年01月06日PM9:00~11:20関西TV「金曜エンタテイメント新春特別企画」
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