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何度も何度も見ているのに、TVで放送しているとついまた見てしまう。そんな映画って結構ありますが、これもその一本です。
先日「エイリアンVSプレデター」(2004)を見たばかりでもあり、タイミングの良い放送でした。
「プレデター」(1987)
PREDATOR
名匠ジョン・マクティアナン監督の出世作。ですが、この翌年の「ダイハード」(1988)であれほどの傑作をものにするとは読めない、本作はまぁ典型的なB級アクション作品であります。
とは言えアーノルド・シュワルツェネッガーやカール・ウェザース始めとする出演陣も良く、大作の風格も持っています。そして何より面白い。
誘拐された要人救出のため、ダッチ隊長率いる特殊部隊は南米のジャングルに潜入。人質は殺されていたもののゲリラの本拠を殲滅した一行。しかし彼らの前に想像を絶する敵が現れたのでした。カメレオンのようにジャングルに溶け込み、強力な武器を駆使する謎の怪物。隊員は一人また一人と殺され、最後に残ったダッチは単身怪物に戦いを挑むのでした。
ジャングルに潜む怪物と戦闘のプロ達の戦いを描くストーリーはこれ以上はないほど単純明快です。人間ドラマ的な部分が特に掘り下げられることもなく、ただただ戦闘シーンのつるべ打ちだけでここまで面白く見せてしまうのは監督の腕というところですね。ただ本音を言えばその人間ドラマの弱さが非常に残念な部分でもあるわけですが。キャラクター的に面白いと思っていたインディアン系の隊員が単身謎の敵に挑むシーン。銃を捨て、部族に伝わる(のだろう)戦いの儀式をして待ちかまえる場面は見ているこちらも気持ちが高揚してきます。ところがその後戦うシーンどころか倒されるシーンも映像で見せてくれず、ただ遠くから聞こえてくる悲鳴だけで処理されてしまうのは何度見ても勿体なく思えるのですよね。ゲリラの女性ももう少し良い使い方はなかったのかとも思います。
前半であっけなく部隊は全滅し、シュワルツェネッガー扮するダッチ隊長とプレデターの一騎打ちに持ち込まれる展開についてはシュワルツェネッガー主演が最大の売りであった本作としては正しい作り方でしょう。多数の火器を備えた特殊部隊vsプレデターの戦いから、武器を失って素手で挑むシュワルツェネッガーvsプレデターへの流れはワクワクさせられます。ただここでも、前半で特殊部隊の凄さをもっと描写されていたなら全滅に至る展開により面白みが出ただろうと残念ではあります。
より強敵と戦って倒し、その頭蓋骨をコレクションすることに喜びを覚えるハンター宇宙人というプレデターの設定は公開当時とても目新しいものでした。過去地球侵略にやってくる異星人は無数にいましたが、ただ強力な獲物を求めてハンティングにやってくるという宇宙人は初めてでした。その後だかにTV洋画劇場で見た「吸血エイリアン・宇宙からの警告」(ビデオ題「ニンジャリアン」1979)もそんな設定だったという気がしますし、制作年も「プレデター」より前なのですが、しかしこちらはどうにも褒めどころのない作品でした。
一方の特殊部隊も殺人と戦闘のプロ。ハンターとプロの戦闘集団の戦い。そしてその中でも図抜けた戦闘能力を持ったシュワルツェネッガーとハンターの一騎打ちは興奮を呼びます。これはまさしく設定の勝利。そしてまだ荒削りではあるけれどマクティアナン監督の演出力ゆえの完成度でありました。
ところで本作で個人的に一番楽しかったシーン。
隊員のブレイン(ジェシー・ベンチュラ)がプレデターに倒され、復讐に燃える黒人隊員マック(ビル・デューク)がブレインの持っていたミニ・ガンを抱えてジャングルに向かって乱射しまくる。強力なミニ・ガンの威力でみるみるうちに樹木がなぎ倒されて鬱そうとしたジャングルの中にぽっかりと空き地が出来上がるというシーンです。
当時はミニ・ガンというものの存在は知らずに映画オリジナルの火器かと思っていたものですが、通常は戦闘ヘリなどに搭載するこの強力なガトリング銃を携帯用に改造して撃ちまくる光景は見ていて感動的ですらあったものでした。
このミニ・ガン、今回放送の吹き替えではチェーン・ガンと呼称していましたが、劇場公開時の字幕「無痛ガン」という呼び名が好きでした。
放送記録:2005年12月29日PM9:00~10:55TV大阪「木曜洋画劇場」
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