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さてさて、同僚の復讐に燃えるFBI捜査官と伝説の殺し屋の対決。そこにマフィアの抗争を絡めた軽快なアクション作の登場ですよ。
「ローグ・アサシン」(2007)
WAR
FBI捜査官のクロフォードとトムは伝説の殺し屋と呼ばれるローグを追いつめるものの、すんでの所で取り逃がしてしまう。そして数日後、トムとその家族はローグの襲撃によって皆殺しにされてしまうのだった。復讐を誓うクロフォードだったが、その事件以降ローグの行方はぷっつりと途絶えてしまった。
3年後、サンフランシスコでは日本ヤクザ組織と中国マフィアの抗争が激化しつつあった。ヤクザの経営する日本料理店が何者かによって襲撃された事件を捜査するクロフォードは、それがローグの犯行だと確信する。執念でローグを追うクロフォード。その一方ローグは組織双方に接近し、そのことで抗争はさらに激しくなっていった。はたしてローグの真の目的とは?
伝説の殺し屋ローグにジェット・リー、捜査官クロフォードに「トランスポーター」シリーズのジェイソン・ステイサム。この2人の共演するアクション映画ということで、実はかなり期待して観に行きました。さらに中国マフィアのボスにジョン・ローン、ヤクザの親分に石橋凌と他の共演者も豪華なのですよね。
楽しみにしていたジェット・リーの肉弾アクション的見せ場がほとんど無かったのは少々残念。しかし映画前半の銃撃戦やサスペンスの盛り上げ具合はなかなかな見所。監督のフィリップ・G・アトウェルさん、映画初監督にしてはなかなかやりますな。、この方元々ミュージックPV畑の人で、まぁPV→映画ってのはよくあるパターンですが、そういう監督さんは大抵スタイリッシュな映像に拘るあまり画面がやたらと煩くなることが多いですね。本作もまさにそのパターンで、最初はカッチョイーって思っていても2時間近く続くとさすがに少しばかり疲れます。とは言えこの監督さん、アクション映画の見せ場は心得ていると思います。ストーリー的薄さはあるものの、決して退屈しない出来に仕上がっているのは立派なもの。
ストーリーとしてはローグが2つの組織を手のひらで転がすように対立を煽っていく構図は面白し。この映画を見ていて真っ先に思ったのは黒澤明の「用心棒」(1961)との共通点だけど、ただそこで単なる模倣に留まらずクロフォードとの対決やローグの真意といった要素でドラマを引っ張っていくのが良し。クライマックスはヤクザの親分とローグの日本刀での一騎打ちだが、ここいら少々アクションがもっさりしているのが残念。石橋凌がジェット・リーの動きについて行けなかった感あり。
そしてラスト、ローグとクロフォードの対決。
ここまで映画自体はまずまず(めちゃくちゃ良くもないが)悪くない出来という印象でしたけど、この驚愕のラストはちょっと特筆ものでしょう。こればかりはネタバレは避けますが、ローグの真意やクロフォードの真実が唐突にして一気に描かれ、そして余韻もない幕切れ。スピーディと言えば聞こえはよいけれど、この唐突感と尻切れトンボ感はただ事じゃないです。そりゃないぜアトウェルさん。
その後のエンディングの歌が妙に音割れしていたのは演出?フィルム状態のせい? それがさらに呆気にとられた頭に堪えます。さらにその後の日本語の酷いラップ(日本版主題歌らしい・・・)に至っては・・・(苦笑)。
というわけで全体としてはまぁ悪くはないが普通のアクション映画。ただ最後のオチによって(良かれ悪しかれ)記憶に残る作品となったのは確かでしょう。いやいや、B級映画であることは間違いないでしょうけど、嫌いじゃないですよ。
ところで本作中の日本絡みの描写について、他の方のレビューを読むと結構批判されている模様。相変わらず誤解と偏見に満ちているってわけですが、個人的にはああした描写はわざとやっているような気がします。メインキャストに石橋凌やケイン・コスギといった日本俳優が含まれていることもありますが、なにより20年くらい前の欧米人の日本観って感じで大げさ、やりすぎなんですもの(笑)。いくらなんでも今時アレはないだろーって感じに。
大阪梅田ブルク7 シアター5にて鑑賞
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