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さて本日のサンテレビ「水曜ザ・ムービー」のお題は「ジョーズ」シリーズ第4作目にして最終作、「ジョーズ'87 復讐篇」(1987)であります。先週の「ジョーズ3」(1983)は見忘れてしまいましたが、今回は無事に鑑賞。これもまた10年ぶりくらいの鑑賞になるのかな。
「ジョーズ'87 復讐篇」(1987)
JAWS THE REVENGE
今は未亡人となったブロディ署長夫人エレン。夫はどうやら知らない間にサメに殺されてしまったらしいが、その父の跡を継いで警察官となった次男ショーンと共にアミティで静かに暮らしていた。しかしショーンがまたしてもサメに襲われ喰われてしまったことで、海洋研究をしている長男マイケルに誘われてバハマで心を癒すことにした。だが、ショーンを喰ったサメはエレンを追ってバハマまでやってきたのだ。ここにブロディ一家とサメとの最後の戦いが幕を開けるのであった。
というわけで、改めて鑑賞してもかなりイカレた映画ですね。原題にもある通り今作は「リベンジ」がテーマになっていまして、過去シリーズで倒された仲間の復讐に燃えているらしいサメと家族の敵討ちに燃える未亡人の対決を描くというストーリーになっています。サメが復讐のために飛行機でバハマに向かうエレンを追ってくるなんていう、前作「ジョーズ3」(1983)がSFパニック映画風味だったのに対して今回はちょっとしたオカルト風味ですかね。ピンポイントでブロディ一族を狙ってくるサメも異様ですが、エレンがサメの出現を何故か関知してしまうという演出もこれまた異常です。
まぁ実を言うとそういう異常なストーリー展開を認めてしまうと結構面白く見られる作品ではあるんですけどね。傷心のエレンがバハマに来て新たなロマンスに心をときめかせるなんて展開もなかなか楽しいですし。しかし監督の演出力が少々追いついていない感じでして、作品全体にまったりとした雰囲気を醸し出してしまっているのは勿体ないところ。全体的にだらだらした演出が緊張感を壊しちゃってるんですねぇ。
また作り物丸出しのサメをこれでもかと大アップで画面に映し出すのも、迫力を出すどころか安っぽさを増幅させてしまってます。サメの姿を極力隠しつつ恐怖感を盛り上げていったスピルバーグは偉大でした。
終盤ついに孫娘までが襲われるに至り、鬼のような形相でヨットに飛び乗ってただ一人で出撃していくエレンの姿にはちょっと吹き出してしまいますが、このエレン・ブロディを「ジョーズ2」(1978)以来久々に演じるはロレイン・ゲイリー。さすがに老けましたね。このエレンとロマンスを芽生えさせる飛行機パイロット役にはマイケル・ケイン。ケインは大好きな役者さんではありますが、この人が出るとどうにもB級臭が漂ってしまうのは困りものです。
監督はスピルバーグの大先輩にあたるジョセフ・サージェント。TVムービー中心に活躍していた監督さんですが、劇場用作品ではSF映画の秀作「地球爆破作戦」(1970)や傑作パニックサスペンス「サブウェイ・パニック」(1974)があり。TVムービー作品でもオーソン・ウェルズ劇団の「宇宙戦争」ラジオドラマによる民衆のパニックを描いた傑作「アメリカを震撼させた夜」(1975)を監督しています。こうした一連の作品に比べると「ジョーズ'87 復讐篇」の褒めどころの無さぶりは異常でもありますが、むしろ「サブウェイ・パニック」のような傑作がまぐれ当たりであった感が強かったりもします。
ところでこの映画、何故かラストの展開が違う2種類のバージョンがあることで知られています。今回の放送がどちらのバージョンなのか気になっていましたが、ヨットの帆先でサメを串刺しバージョンでした。これは劇場公開版と同じオリジナル・バージョンですね。
もう一つのバージョンはと言うと、最後にサメが大爆発するというものです。ずっと以前にTVで見たときはこちらのバージョンだったのですが、爆発シーンが唐突な上にそれが1作目のフィルムの使い回しという安っぽいものである意味ガッカリバージョン。どう考えてもオリジナルの串刺しの方が良いのですが、どうしてこんなバージョンを作ったのやら。しかもDVDではこの爆発バージョンでしか収録してないんですよねぇ。困ったもんです。責任者出てこいと。
それはそれとして、「地球爆破作戦」と「アメリカを震撼させた夜」のDVD化(ちゅうか初ソフト化)を熱烈希望!
放送記録:2007年11月07日PM7:30~09:10サンレビ「水曜ザ・ムービー」
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