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映画のコトやら何やら綴りませう
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Phantom_of_the_opera 昨日買い物ついでにふらりとダイソーに立ち寄ると映画のDVDを売っていました。版権切れの古典作品とは言え、税込み315円でこの名作を見られるとは良い時代ではありますね。元の保存状態があまり良くなく、画質はそれなり。字幕は手紙の文面等の翻訳がされてなく、また字幕翻訳そのものもあまり出来は良くない感じ。まぁここらも値段なりというところですかね。
ところで本作のオリジナル邦題は「オペラの怪人」のはずですが、昨今の「オペラ座」ブームに合わせて改題された模様ですね。

「オペラの怪人」(1925年)
THE PHANTOM OF THE OPERA

原作のガストン・ルルーの古典怪奇小説はこれまで何度も何度も映画化やドラマ化されています。特に舞台で大ヒットしてからは頻繁に映像化されていますね。それらの原点と言いますか、まぁ最初の映像化作品が1925年公開の本作です。
基本白黒映画でしかも無声映画の本作は、最近の舞台や映画の「オペラ座の怪人」に慣れ親しんだ人にとっては辛い部分もあるでしょう。けれどその面白さは制作から80年経った今でも色褪せていません。無声映画ならではの大仰な演技も、時代を感じるのんびりした雰囲気もこれはこれで味となっていますし、たまにはこういう古典の世界に浸るのも良いものです。
それにしてもこのオペラ座やその地下の迷宮の豪華にして絢爛な美術は素晴らしい。クライマックスの怒濤のモブシーンも迫力ありますし、怪人が赤き死の仮面に扮するマスカレードのシーンにパートカラーを盛り込むなど力の入った大作ぶりです。怪人の醜さ故に愛する女性に裏切られる悲劇。この愛と狂気の物語を風格を感じさせつつ、しかしあくまで怪奇映画としての本分を見失わずに描ききった脚本演出もまことに良し。

まぁなんと言いますか、「オペラの怪人」は確かに恋愛要素の強い物語ではありますが、私にとっては怪奇映画なのですよね。そういう意味では最近の文芸作品や恋愛ドラマとしての位置づけは少々肌に合わない感じです。先日の「デッドゾーン」の項でも書きましたハーバート・ロム版の「オペラの怪人」(1962)は監督が「吸血鬼ドラキュラ」(1957)や「フランケンシュタインの逆襲」(1957) といった傑作ホラーで有名なテレンス・フィッシャーということもあって見事な怪奇映画に仕上がっていました。ブライアン・デ・パルマ監督が撮った「オペラ座」ロック版「ファントム・オブ・パラダイス」(1974)も恐ろしくて哀しい大好きな作品であります。

さて本作で怪人に扮する主演のロン・チェイニーですが、千の顔を持つ男の異名を持つ変装(今で言う特殊メイクアップ)の名手にして伝説の俳優です。多数の怪奇映画に出演していますが、「ノートルダムのせむし男」(1923)や本作での怪人役がやはり代表作でしょうか。本作でヒロインによってマスクをはがされて奇怪な素顔を初めて顕わにするシーンはよく雑誌のスチールやホラー映画特集などで目にしたものですが、やはりなんど見てもショッキング。しかしその醜さゆえに悲劇的な最期をとげることとなる怪人の悲劇は、チェイニーの演技もあって見る者の心を打つことでしょう。
ちなみにチェイニーの息子さんのロン・チェイニー・Jrもお父さん同様に特殊メイクを得意とする俳優さんで、数多くの怪奇映画に出演していましたね。私的には狼男役者というイメージが強かったりしますが、それ以外にも多様なモンスター演じています。かの悪名高き(笑)「死霊の盆踊り」(1965) などにも出ていたそうですが、やはりあの狼男役だったのだろあなぁ。

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