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映画のコトやら何やら綴りませう
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さてさて、「キング・コング」(2005)に引き続いて先日見たのが本作。まぁちょっとしたリメイク特撮大作の日米対決ってところでしょうか。

「日本沈没」(2006)

原作はご存じ小松左京で、それをSF大作映画として1973年に東宝が映画化。今回はそのリメイクということになりましょうか。
正直言ってまったく期待していなかった作品でした。様々なレビューを見ても悪評ばかりでしたし、志の低い配役や原作ストーリーの激しい改変など「日本沈没」(1973)のような骨太なドラマは見せてもらえそうにないな、と。
まぁ結論から言いますと映画としては「日本沈没」(1973)には到底及ばぬ凡作ではありましたが、思っていたほどには悪くはなかったかな?

まずは特撮面から言いますと、日本映画としては初の本格的なCG特撮によるSFパニックとして、まずまずの説得力をもった映像を作り出していたと思います。京都や東京といった馴染みの都市が崩壊していく様はかなりリアルで衝撃的。
本作の監督である樋口真嗣氏は平成「ガメラ」シリーズ等を始め多数の作品で特撮監督を務めた元々特撮畑の人。ここいらの特撮的見せ場の作りに関してはお手の物といったところでしょう。
ただその一方で大都市崩壊シーンの中で、自然の驚異に翻弄される人間が描かれていないのは残念と言うか勿体ない。つまりは特撮シーンが映画の中に溶け込むことなく、ドラマと乖離して点在してしまっているのですね。ここら辺は特撮監督出身という本編慣れしていない弱点が出てしまったのか。あるいは予算的都合か。
また良くできたCG特撮ではあるのですが、全体的に平面的な絵作りになってしまってダイナミックさを殺してしまっているのは、昨日の「キング・コング」の項で述べたCGクリエイターのセンスというものが不足しているのを感じます。

でもまぁとやかく言いつつ、日本特撮映画の歴史でかなり画期的な作品ではあったと思いますし、一見の価値は十分にありました。
問題はドラマの方ですね。

冒頭で早々と日本が沈没することが明かされ一気呵成なパニックドラマが展開するのかと思いきや、どうしてこんなにもモタついたドラマになっちゃうんだろ。視点が定まらない落ち着きのない脚本だものだから監督が何を描きたいのかも定かでなく、緊張感もぶつ切り状態になってしまってますね。それなりの腕のある監督が作ればそれなりに纏まったのかもしれませんが、どうにも何もかもが力不足。政治を描くのか、市井の人々を描くのか、それとも危機的状況の中での男女の悲恋を描きたいのか、何もかもが中途半端でもっと的を絞ったドラマ作りをするべきだったのでしょう。
そしてもう一つ問題なのは、メインキャラクターたちにしろ政府関係者にしろ登場人物達からまったく緊迫感が感じられないこと。これは演技の責任というより演出の問題だと思いますが、そのため「日本沈没」(1973)にあったような重苦しいほどの緊張感が本作では皆無というパニック映画としては信じられない作品に仕上がってしまったのは本当に勿体ない。キャラクターが全くと言っていいほど掘り下げられないので、感情移入できる人物が居ないという。
特に主人公であるはずの小野寺の存在感の薄さはどうしたものか。ほとんどの時間、映画の本筋とは関係ない所であちこちウロウロ彷徨っているだけ。そして取って付けたような恋愛話と、最後は唐突な特攻ヒーロー美談。今回の映画をコミカライズして今も連載中の一色登希彦氏による漫画版では小野寺の特異なキャラの掘り下げが出来ているので説得力があるのですが、映画版ではいったい彼がどういう人物だったのかまるでこちらに伝わってきません。

ついでに言うと本作で大きな売りにしていたラブストーリーの部分も、その演出や脚本のアホらしさ加減で失笑モノになってしまってます。
映画終盤、レスキュー隊員として働く阿部玲子の元にやってくる小野寺。きっとイギリスに渡って一緒に暮らそうと約束をし、一夜を共にする二人。そして玲子が眠っている内にそっと出て行く小野寺だが、実は彼は日本の沈没を食い止めるために決して生きては帰れぬ作戦に志願していたのだ。
とまぁここまでなら泣ける展開なのですよ。ところが本編での小野寺はその事実を綴った置き手紙をしていくのですなぁ。目覚めて手紙を読んだ玲子は素早くバイクにまたがり、出発直前の小野寺に追いつくとヒシと抱き合うのですが・・・何、この無駄な展開。

小野寺の命を捨てた行為で日本が救われるという展開の「アルマゲドン」(1998)との類似がよく取りざたされたものですが、こういうのはわりとありがちな展開なので何も申しますまい。日米合作の大凡作「クライシス2050」(1990)なんかもそうでしたな。ただ原作のストーリーをねじ曲げて陳腐なSFドラマにしてしまったことについては少々腹立たしくもありますが。

まぁしかし、草なぎ剛と柴咲コウという主演二人に関しては、これはもうキャスティング時点で大いに問題ありだったかと思いますよ。草なぎくんの演技に関しては期待もしていなかったので、まぁこんなもんでしょ、と。しかし最近やたらと出演作の多い柴咲コウに関しては、うーん、こんなにヘタだったかなぁ。
どんな映画に出ても三船敏郎は三船敏郎なんてよく言われるのはその存在感の大きさを褒めてのことだったりしますが、柴咲コウはどんな作品にどんな役で出ても「悪い意味で」柴咲コウにしか見えないのですよねぇ。
本作序盤、この主演二人が長々と語り合うシーンで、これが映画館でだったら早々に居眠りしてしまいそうだなぁと思った次第。まぁ二人の演技に問題ありなのは当然として、脚本の方にも大きな問題あったと思いますけどね。
こうした(実力が伴っているかは無関係に)人気のある人物をキャスティングしないとスポンサーが集まらないので大作を作れず、またヒットさせることも出来ないという現状は本当に問題ありますねぇ。

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