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ここしばらくまともに映画を見ていなかったこともあってこのブログも開店休業状態ですが、まぁ久しぶりに1本。
でまぁ前々から言っています通り私はゴシックホラー系が好きであります。また19世紀末頃のイギリスの雰囲気が好きだったりします。ので、特に英ハマープロの「ドラキュラ」シリーズを始めとするホラー映画がお気に入りだったりします。
で今回の映画、ネタ的にはド真ん中な設定で一応期待。ですがアクション主体の作品になっていると聞きますし、以前紹介した近い設定の「リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い」(2003)が少々アレな出来でしたので不安もまたあり。
「ヴァン・ヘルシング」(2004)
VAN HELSING
19世紀末期、バチカンの指令によってモンスター・ハンターとして悪と戦い続けるヴァン・ヘルシング。最強の怪物吸血鬼ドラキュラを滅ぼす命を受け、ヘルシングはバチカンで武器開発を担当する修道僧カールと共に海を越えてトランシルバニアへと向かった。
一方ドラキュラ伯爵は狼男等のモンスターを支配下に置き、花嫁達との子供に永遠の声明を与えるためフランケンシュタイン博士の研究を我が物にしていた。
まぁこれはホラー映画ではなくヒーローアクション映画であるというのは承知していたので、そのことについては問題無し。ただし、面白くさえあれば・・・ですけどね。
ヘルシングを単なるモンスター・ハンターに設定してしまったことの愚は一番に感じるところですが、ヴァン・ヘルシングというキャラクターを創造したブラム・ストーカー及びその作品「吸血鬼ドラキュラ」に対してのリスペクトや愛情をまったく感じられない脚本や人物設定には本当に愕然とさせられます。超絶ヒーローアクションの連続もいいんですけど、単に名前を借りただけのキャラクター達にまるで魅力も何も無いのは見ていて本当に辛いものです。
何度も言いますが、作品自体が面白ければ大抵のことは許せるものです。しかし内容のない空虚なドラマの中でキャラクターのまったく立っていない登場人物がいくら派手に暴れ回ったとしても虚しいばかりなんですよね。脈略のない適当な(ぞんざいな、とも言う)謎解きで次々新ステージが開けていく展開も、安いロールプレイング・ゲームみたいで萎え。
監督は「ハムナプトラ」シリーズのスティーヴン・ソマーズですが、この人はもう一つキャラクター描写が得意ではないのかな。「ハムナプトラ/失われた砂漠の都」(1999)も原点のゴシックホラー「ミイラ再生」(1932)の余り愛情を感じられないリメイクでしたが、映画自体はかなり面白いものでした。その前の監督作「ザ・グリード」(1998)はモンスター映画の最近の傑作。ただこの両作にしてもキャラクター、特にヒロインの魅力の無さは問題ですね。今回の「ヴァン・ヘルシング」にしてもヒロインのアン王女の魅力をまったく伝えられていない脚本と演出は致命的。その上見た目も敵側である花嫁達の方が明らかに上というのはどうしたものやら。
最大の敵であるドラキュラにまるで威厳も強大さもが感じられないところも、その倒され方のマヌケさもアクション映画としては最悪であります。
ついでに今作に関しては美術センスの無さも本当に残念なことです。これでは何のために19世紀末期という時代設定にしたのか。単にヘルシングやドラキュラ他の伝説の怪物を一堂に集められるから、くらいの理由しかなかったのではと勘ぐってしまいます。
この監督さん、ミイラ怪人やドラキュラ、フランケンシュタインの怪物、狼男等々・・・こういうゴシックモンスターが別に好きではなく、単に映画を作るためのネタ程度にしか見ていないのだろうなぁ。そんなことが映画から透けて見えてしまうのが一番悲しいところでした。
ところでこういうドラキュラが他のモンスター達を部下にして人間に戦いを挑んでくる映画としては過去に「ドラキュリアン」(1987)という作品があります。マニアックな監督として一部で人気がある(らしい)フレッド・デッカー監督作品でして、今回の「ヴァン・ヘルシング」とは制作費も作品規模も雲泥の差の低予算映画ですが、モンスター愛に満ちあふれた傑作娯楽映画なのですよ。ラストのドラキュラとの戦いから虚をつかれるヘルシング教授の登場までとにかく楽しく、「ヴァン・ヘルシング」に不満を感じたモンスター好きの方にはぜひ見て頂きたい逸品であります。
放送記録:2007年03月18日PM9:00~11:19ABCテレビ「日曜洋画劇場」
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