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クリプトン星の爆発から一気に宇宙を飛び交いつつ地球までの旅を1カットで見せるオープニングは、CGの威力をまざまざと見せつけつつ爽快感溢れる名オープニング。
さらにそこに流れるのがあの懐かしいジョン・ウィリアムズのテーマ曲。
コレコレコレ!!待ってました!!って感じですわ。
さらにさらに、当時話題になったスリットスキャンによって飛び出してくるタイトルロゴやスタッフ名も再現してくれて、ああわかってるなぁ~、旧シリーズを愛しているのだなぁと思わせてくれるのが嬉しい。
「スーパーマン リターンズ」(2006)
SUPERMAN RETURNS
崩壊した故郷クリプトン星への長い旅を終え、5年ぶりに地球に帰還したスーパーマンことクラーク・ケント。無事にデイリー・プラネット社に再就職できた彼はかつて愛した女性との再会を楽しみにしていたが、その彼女ロイス・レーンが別の男性と同棲し、子供まで出来ていることにショックを受ける。ロイスの乗るジャンボ機を墜落から救ったのを期に再びスーパーマンとしての活動を再開するクラーク。だがそうしながらもロイスへの想いを忘れられないクラークだった。
一方同じ頃、刑務所から出所した悪の天才レックス・ルーサーはクリプトン星のクリスタルを手に入れ、十数億の人間を犠牲にして新しい大陸を作り上げるという計画に着手していた。ついにレックスはクリスタルを発動し、巨大な地震が街を襲う。さらに大規模停電を取材していたロイスとその息子がレックスの手に落ちてしまったのだ。
十数億人類とロイス母子の命運はスーパーマンの双肩にかかっていた。
スーパーマンと言えばクリストファー・リーヴのシリーズが世代的にド真ん中です。第一作「スーパーマン」(1978)から「スーパーマン4 最強の敵」(1987)まで4作が作られました。まぁ4作目辺りはいささか低調な出来でしたが、クリストファー・リーヴの好感の持てるさわやかさが光る良いシリーズでした。
さて今回の「スーパーマン リターンズ」は、旧シリーズとは関わりないまったくの新作かと思いきや、旧シリーズ第二作「スーパーマン II 冒険篇」(1981)の直接の続編という位置づけが面白い。
クリプトン星出身の3悪人を倒し、一時は愛し合ったロイス・レーンの記憶を消し去ったスーパーマン。その後謎の失踪を遂げたスーパーマンが5年ぶりに帰ってきたというのが今回のお話。旧シリーズに親しんだ人には懐かしいキャラ達との再会(新キャストですが)は楽しく、同時に変わってしまった人間関係に悩むクラークの気持ちにも共感できるという上手い設定です。
ただこの悩めるスーパーマンというのが今回のテーマの一つなのは分かりますが、正直言って悩めるヒーローはバットマンやスパイダーマン、X-MEN等で見飽きていますので、スーパーマンでくらいは脳天気なスーパーヒーローを見たかった気もしますが。スーパーマンがロイス恋しさのあまりほとんどストーカーと化して、ロイス達3人家族の幸せな家庭を覗き見て落ち込むあたりは少々やりすぎかと。
監督のブライアン・シンガーといえば「X-MEN」(2000)「X-MEN2」(2003)の監督さんで、まぁこういう悩めるヒーローものはお手の物でしょうか。シリーズ最終作「X-MEN ファイナル ディシジョン」(2006)の監督を蹴ってスーパーマンに挑んだ心意気は十分に感じられましたね。
配役も予想以上に良しでした。スーパーマンのブランドン・ラウスはクリストファー・リーヴに負けず劣らずのさわやか好青年でしたし、レックス・ルーサー役のケヴィン・スペイシーも旧シリーズのジーン・ハックマンと比べられるのは少々気の毒ですが、それでも十分な貫禄と存在感をアピールしていました。嬉しかったのは脳天気な同僚ジミー・オルセンのサム・ハンティントンが旧作でのイメージそのままのキャラクターを演じてくれていたことですね。
しかしロイス・レーンに関しては旧シリーズのマーゴット・ギッダーが良かったかなぁ。
今作での残念な部分と言えば、尺的に入らなかったのでしょうけどクラーク・ケントとロイスの絡みがほとんど無かったこと。スーパーマンとロイスの恋物語もいいのですけれど、クラークとしてのロイスへの愛情も見たかったですね。またロイスの内縁の夫リチャードの報われなさぶりも気の毒でなりませんし。
リチャードはおそらく、ロイスの気持ちも息子のことも全て承知の上でロイス母子と暮らしていると思われますが、そんな良い男なだけにロイスのスーパーマンに対する愛情が描かれる度に思わず涙してしまいます。この映画、ラストはスーパーマンとロイスが互いの愛情を確認するような形で終わりますが、これって2人の精神的不倫みたいなもので、原作コミックでこういう設定が実際にあるのかどうか知りませんが「スーパーマン」という作品にこういうドロドロした男女関係は持ち込むべきではない気がします。
それと旧シリーズを見ていること前提で作られているのも、前作に当たる「スーパーマン II 冒険篇」(1981)から25年が過ぎていることを考えると優しくないかな。今回旧シリーズを見ていない母と一緒に鑑賞したのですが、いろいろと解説が必要でした。
アクションに関しても最大の見せ場が映画前半のジャンボ機救出シーンというのはバランスが少々悪い感じ。クライマックスにはそれ以上のアクションシーンを期待したいところですが。またクライマックス後のロイス母子との交流シーンが地味に長いのも、まぁこういうシーンはそれはそれで好きではあるのですが、ヒーロー映画観賞後の爽快感を薄めてしまっているのが残念。
ついでにレックス・ルーサーを逮捕しないままに終わったのはこれも片手落ちかと。
まぁそんな感じでおよそ20年ぶりに銀幕に甦った元祖スーパーヒーロー。当然シリーズ化されるでしょうし、次回以降も爽快感溢れる楽しい作品が期待されます。
最後に、観賞後の老母の感想。
「スパイダーマンに比べるとヒロインが美人で良かった」
いや、そりゃあアレと比べたらどんな映画でも・・・(笑)。
それはそれとして、今日スーパーに行ったら納豆が山積みでした。大量発注かけたであろうスーパーは気の毒ですが、まずは良かった良かった。
もりしげ氏が「チャンピオンRED」で連載している「こいこい7」が最終回だと言うので、普段はコミックス派なんですけど読んでみました。うーむ、終盤思い切りもりしげ氏らしいキャラ死にまくりのグロ展開になっていると聞いていたもので、何がどうしたらこの最終回に繋がるのかわからん(笑)。しかし平和でのほほんとした、しかも全裸出まくりのオチはこれもまたもりしげ氏らしいでしょうか。なんにしろ「花右京メイド隊」に続いて「こいこい」も終了で寂しくなりますな。次なる新作に期待です。
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