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人 ボエェ~~~
(´・ω・)
川
トライポッド、いい声してましたねぇ(笑)。
と、その前に。昨日のエピソード3についてですが、ちょっと誤解されそうなきがしたので補足を。
舞台劇のような演技と演出というのは映画を貶すために言っているのではありません。むしろ私は「スター・ウォーズ」シリーズを宇宙を舞台にしたおとぎ話と捉えているわけでして、だからその演出は正しい物だったと考えています。しかし実際の作品を見るかぎり、その演出が生かされてないと見えるのが残念だったのです。
映画自体を面白いと感じつつどこか満足感が低かったことにしても、こちらの期待値が高すぎたことも要因の一つだったのでしょう。
さて、では本題に。
H・G・ウェルズの「宇宙戦争」はご存じの通りかつて一度映画化されています。'50年代に数々の傑作SF映画を制作したジョージ・パルによる「宇宙戦争」(1953)です。
これは異星人の侵略と人類との攻防を真っ正面から描いた娯楽大作で、私自身大好きな作品であります。
このパル版「宇宙戦争」という作品にまったく不満は無いのですが、ただ、この映画が原作の舞台設定とは違って舞台が制作当時のアメリカに移されていたのは少しばかり残念ではありました。異星人のウォーマシンと近代兵器の戦いを描くのはそれはそれで面白いのですが、でももし今後リメイクされることがあるなら原作通り19世紀末期のイギリスを舞台とした作品であってほしいと願ったものでした。
スピルバーグがこの「宇宙戦争」をリメイクすると聞いたときは期待しました。もしかして長年の夢が叶うのかもしれない。100年前のロンドンの街をアナクロな3本足のウォーマシンが闊歩する光景を見られるかもしれない。英国艦隊とウォーマシンの壮絶な死闘を大画面で見られるかもしれない。舞台を100年前とするだけで大変な予算がかかるだろうことは想像に難くありませんが、スピルバーグ作品となれば予算に困ることもないでしょう。
しかし予告を見てみると舞台は元代のアメリカで、しかも家族愛がテーマなんて話も漏れ伝わって来て・・・その時点でかなり興味が奪われたのは事実でした。
しかし蓋を開けてみると、こりゃ面白い!
主人公を単なる一般市民としたのは科学者や軍人を主役としたパル版との差別化だったのかもしれませんが、このことは大成功だったと言えるでしょう。逃げまどう群衆の中の一人にすぎない主人公の視点から見る異星人の侵略戦争は、見事な特撮映像も相まって驚くほどのリアル感と緊張感を醸し出しています。一般人視点であるから侵略の全貌や米軍vsトライポッドというような戦争映画的見せ場はほとんど描かれません。でもそこがまた不安感を盛り上げ、主人公たち難民と観客の気持ちを一体化させていくんですよね。
物語はこれ以上ないというほど単純なものです。しかしそれを支えるのがスピルバーグならではの演出力。スピーディな展開と骨太な演出で2時間はあっという間でした。
それにしてもカメラワークも良かったですね。常にトライポッドを難民視点であおるように撮るのが素晴らしく、この巨大感や恐怖感は円谷英二氏が特技監督を務めていた頃の怪獣映画を彷彿とさせてくれます。
パル版の「宇宙戦争」では戦況を見せるために俯瞰の構図が多く使われていました。これは例えば戦闘機のパイロットの視点であり、また地球でのトラブルを眺める神の視点でもあります。そう言えばパル版のクライマックスで逃げ遅れた市民達が教会に集まり神に救いを求めましたが、今作では誰も神に縋ろうとはしない上に序盤でトライポッドが出現した時にいきなり教会を破壊したのが対照的で面白い脚本でしたね。
カメラワークで言えば、やはり序盤で主人公と子供達を乗せた車が高速道路を疾走するシーンの縦横無尽に動くカメラも見事で驚かされました。
地下室での異星人との接触やトライポッドのカメラを斧で襲うシーン、ラストの異星人の手など、パル版へのオマージュも押しつけがましくなく良い感じでした。ただ、異星人のデザインに関してはありふれていて残念。トライポッドもちょっとカッコ良すぎるんで、もう少しアナクロでダサいほうが良かったかな(笑)。まぁここら辺のデザインセンスはパル版に一歩譲るってことで。
と言うわけで、(各種デザインは別にしても)多少の不満は無いわけではありませんが、スピルバーグ作品としては「ジュラシック・パーク」以上に「ジョーズ」らしいサスペンスフルな一編でありました。
昔・・・まぁ今もですが、電車に乗って窓の外に広がる街並みをボーっと見ている時、ふと空想することがあります。それは彼方の空に(パル版の)円盤形ウォーマシンが浮かび、街並みを破壊していく光景。その円盤が今作のトライポッドに置き換わった光景を空想することも今後増えそうです(笑)。
まぁそれはそれとして、やっぱり原作ままの映像化が見たいという気持ちはますます大きくなっています。でも3度目の映画化となると当分は無理でしょうねぇ。
ついでに「宇宙戦争」と言えばこれも見ておきたい1作。
「アメリカが震撼した夜」
昔NHKで放送されましたが、オーソン・ウェルズ劇団による「宇宙戦争」のラジオドラマがあまりにリアルだったために街がパニックに襲われたという事実を元にしたTVムービーです。やたらと面白かった作品ですので、またいずれ語りたいところです。しかしいまだソフト化されてないのは許し難いなぁ。
まぁしかし、思えば今回のルーカスの「エピソード3」とスピルバーグの「宇宙戦争」。1977年に同じ二人が「スター・ウォーズ」と「未知との遭遇」でSFブームを巻き起こした時のことを彷彿とさせますね。なんだか懐かしい気分でした。
劇場予告でピーター・ジャクソンの「キングコング」と、「銀河ヒッチハイク・ガイド」の予告をやっていました。
リメイクすると聞いた時には今更「キングコング」?と思ったものですが、実際に画面を見るとワクワクしてきます。今回の「宇宙戦争」や1976年版の「キングコング」と違って、オリジナルの「キングコング」(1933)をかなり忠実にリメイクしてそうなところが興味深いです。
そして「銀河ヒッチハイク・ガイド」と言えば学生時代に読みふけった傑作コメディSF小説。映画化しているとは聞いていましたが、かなり本格的な大作っぽいので楽しみですね。
「宇宙戦争」鑑賞劇場記録:大阪梅田・ブルク7・シアター4
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