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映画のコトやら何やら綴りませう
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その昔、と言っても'80年代に入った頃でしたか、まだレンタルビデオなんてものが普及してない頃、特撮映画や怪奇映画のファンにとって大変ありがたかったのが企画モノのオールナイト上映会やファンクラブ等の自主上映会でした。関西にはその頃特撮モノや怪奇モノのマニアで有名な芦屋小雁師匠が主催する「モンスターズ」というファンクラブがあり、定期的に行われる上映会では日本未公開の作品が次々上映され大層ありがたく思ったものでした。
本作も初見はこうした上映会であったと記憶します。

「水爆と深海の怪物」(1955)
IT CAME FROM BENEATH THE SEA

と言ってもその頃の上映会では輸入盤の8mmフィルムでの上映が普通で当然字幕も無く、本作に関しては短縮版ということもあって内容が理解できたとは言い難く、ただただ巨大なモンスターによる大都市襲撃を楽しんでいたものでした。
最近になってようやくノーカットでの視聴ができ、そのストレートな展開とダイナミックな特撮に感動を新たにしました。

本作の見所はと言うともちろんレイ・ハリーハウゼンによる人形アニメーション特撮。子供の頃に頻繁にTVで放送され、繰り返し見た「アルゴ探検隊の大冒険」(1963)や「SF巨大生物の島」(1961)「恐竜100万年」(1966)、そして「シンドバッド」のシリーズ。これらの特撮を担当していたのもハリーハウゼンでした。
東宝怪獣映画のぬいぐるみ特撮とはまた違う、人形アニメならではの繊細で驚異的な動きは(どちらが優れているとかではなく)怪獣少年たちの心を掴んでいたのでした。
本作「水爆と深海の怪物」は、そのハリーハウゼンの比較的初期の作品となります。

深海に眠っていた怪物が核実験により凶暴化して大都市を襲うが、軍と科学者が協力してこれを撃退する。

なんとも単純明快で'50年代頃に山ほど作られたモンスター映画のパターンそのままです。しかし本作を凡百の同類作と異にしているのはハリーハウゼンの特撮ゆえでありましょう。
最新鋭の原子力潜水艦が未知の巨大生物に襲われる序盤から、海面に現れる巨大な触手によって次々と船が沈められていく中盤まで、物語はサスペンスフルで怪獣映画の王道であります。そしてついにサンフランシスコにやって来た怪物は金門橋に触手を絡めながら全身を現します。巨大なタコ。それも低予算の為に足が6本しかないという曰く付きのタコ怪獣です。
異形の巨大なタコが金門橋に絡みつき、これを破壊していくスペクタクルシーンの見事さ。予算不足のためでもあろうし、まだハリーハウゼンの腕が完成されてないためでもあろう、後の作品ほど洗練はされていないけれどその荒々しい動きが怪物の異質な存在感を高める効果ともなっています。

陸に上がって街の人々を襲う終盤は金門橋のシーンに比べると動きも少なくやや残念な出来ですね。科学陣の協力によって新兵器を完成させ怪物を倒すクライマックスは、ちょっと東宝特撮映画的展開でしょうか。人間を餌として食べる怪物の恐ろしさを強調していただけに、このラストには拍手喝采というところです(笑)。

ところで、この手の巨大モンスター映画では核実験を怪物を生み出す原因としている作品がやたらと多いわけですが、本作では軍の偉いさんの「またか。何でも水爆実験の責任か」なんて台詞が皮肉が効いていて面白いですね。

さてさて、こうしてレイ・ハリーハウゼンの名前が出てくると他にも語りたくなる作品がいろいろとありますね。またそこらへんも追々。

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