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映画のコトやら何やら綴りませう
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昨今動物愛護の団体などが動物を食べるな、捕鯨反対、とまぁいろいろ大変なわけですが、2ちゃんねるでこんなスレを見つけてちょっとトホホな気分に。

「魚は友達。食べ物ではない!」動物愛護団体が看板を設置。
http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1124481177/

要するに魚だって知的な動物だから食べてはいかん、と言うわけです。
こうなってくると何を食べて生きればいいのか困ってしまいますね。そのうちに「植物は友達、野菜を食べるな!」とか言い出しそうですし。
で、やがては政府から配給される動物でも植物でも無い怪しげな食品を食べることに・・・

って、それって「ソイレントグリーン」SOYLENT GREEN(1973)やん!

「ソイレントグリーン」は名匠リチャード・フライシャー監督、チャールトン・ヘストン主演によるSF大作。
人口の爆発的増加と食糧危機に襲われる近未来の管理社会を描いた重い作品です。

'70年代のSF映画って、こういうタイプの作品が不思議と多かったような気がします。まぁ物の本などではベトナム戦争を引きずるアメリカの暗い影、なんて解説されたりするわけですが。同時に管理社会=共産主義への恐怖と反発なんてのが色濃く反映されているのでしょう。
同様の世界を描いた作品に、
「赤ちゃんよ永遠に」Z.P.G.(1971)
大気汚染で人々がドームの中で暮らす時代。人口増加を食い止めるため政府による出産禁止令が出されていた。主人公夫婦はそれでも周りに隠れて赤ん坊を産み育てようとするが・・・。
「THX-1138」THX 1138(1971)
学生時代の短編映画がフランシス・フォード・コッポラに見いだされ、長編作品としてリメイクされた「スターウォーズ」のジョージ・ルーカスのデビュー作。すべてが白で統一され、コンピューターに管理された地下都市。感情を抑制する投薬で人間性を失い、ただ機械のように働き続ける人々。しかし投薬をせず、徐々に人間性を取り戻す主人公はこの世界からの脱出をはかる。
「デス・レース2000年」DEATH RACE 2000(1975)
かのロジャー・コーマン制作の近未来アクション。管理社会に生きる市民の楽しみはデスレースと呼ばれる殺人カーレースだった。フランケンシュタインはデスレースのヒーローという立場を利用して・・・。
「2300年未来への旅」LOGAN'S RUN(1976)
戦争により地上は荒廃し、人々は地下都市で暮らしている。限られた空間での人口を抑制するため、市民は30歳になると安楽死させられるのだ。体制側の人間だったローガンもまた30歳を目前に控えていたが、その制度に疑問を持ち理想郷を求めて都市からの脱出をはかる。

といった感じで、体制側の陰謀を暴く「ソイレントグリーン」を別にすればたいていの場合は主人公が新天地を目指しての脱出行という展開になります。
いずれも子供の頃に見た作品ですが、中でも最も衝撃を受けたのは「赤ちゃんよ永遠に」でした。
汚染された大気の中、防ガスマスクを付けて外出する人々。深い霧のようなスモッグの向こうにぼんやりと浮かぶドーム群。子供の欲しい家庭に配られる画一的な機械仕掛けの赤ん坊たち。それらすべてのビジュアルが恐ろしく、そして衝撃的なラストまで、私にとって忘れ得ぬ作品となっています。

さて、'70年代も終わりに近づくとこうした重苦しくも暗い未来を描く社会派的な作品は影を潜めていきます。陽気な宇宙戦争「スターウォーズ」(1977)や未来への希望に満ちた「スタートレック」(1979)のような作品に飲み込まれていってしまったのでしょうか。
しかし近未来を描いた作品は形を変えて生き続けます。
例えば「マッドマックス」MAD MAX(1979)シリーズ。
戦争によって荒廃した大地。力こそがすべて。そこからは体制への恐怖brazil01や社会派的な思想は徐々に抜け落ち、ただただ派手なアクション映画として系譜されていきます。だだっ広い荒野でロケをするだけで大きなセットも要らないそうした設定は、かつての動物パニックのブームと同様に低予算で作れるSFアクションのジャンルとして無数に同種の作品を生み出して行くことになるのです。

その他好きな近未来管理社会SF。
「未来世紀ブラジル」BRAZIL(1985)
テリー・ギリアム監督の異色SF。まぁこの監督の作品はいつも異色ですが(笑)。
「理想郷伝説」(1981)
risou01risou02  「帝都物語」(1988)を始め、今や「リング」(1998)や「呪怨」(2002)などをプロデュースしてJホラーブームを生み出した一瀬隆重氏がアマチュア時代に8mmで撮った作品。ストーリー的には「THX-1138」と「2300年未来への旅」を足したようなものでオリジナリティは薄いけれど、小細工を労せずこの題材を真っ正面から撮り切った力量は大した物かと思います。アマチュア8mm作品ながらスタッフの豪華さ、また石坂浩二氏や西條康彦氏などの出演も目を引きます。

そう言えば、つい最近もこうした近未来管理社会SFを見たのでした。
「リベリオン」EQUILIBRIUM(2002)
設定についてはまさに'70年代の同種の作品の焼き直しで新味はありません。が、この映画の肝は何と言っても格闘術「ガン=カタ」によるアクションシーンでしょう。どちらかと言えば重苦しい内容の映画ですが、しかし楽しい楽しい(笑)。これだけで一見の価値ありかと。

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