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旅の途中、病に倒れるゲルダ。薬草を探しに一人森に入ったラギもまた熱を出し、崖から転落してしまうのだった。二人が危機に陥っていた同じ頃、カイは女王の城で楽しそうに歌いながらパズルに熱中していた。
なんかこう、仕方ないとはいえ毎週のゲルダの苦労の旅を見ているとカイの脳天気さにハラ立ってきますな(笑)。まぁ旅の終わりに、人間的に大きく成長したゲルダと成長のない(と言うかむしろ退化している?)カイがどんな再会を果たすのか楽しみであります。
さて今回はいろいろと物語の核心に迫る内容でありました。
ゲルダが語る英雄ホルガーの伝説が雪の女王のホルガーへの思慕の情とリンクし、また女王と(風の化身改め)愚か者との因縁も少し明らかになりました。一方ラギの辛い過去も語られました。予想はされていましたがやはり部下達を死なせてしまったその時、ラギは雪の女王と出会っていたのですね。ラギの旅の最終的な目的は、やはり雪の女王に再び相まみえることなのでしょうか。女王もまたラギのことを気にしている様子。ラギと英雄ホルガーの関係は? 狼ホルガーは単に英雄の名を付けられただけなのか? ラギと女王の再会もまた楽しみになってきました。
それにしても初期には完璧超人にも思えたラギが徐々に人間的な弱さを見せていってくれているのがとても良いですね。かつてゲルダに言った励ましの言葉、それは本当は自分に向かって言っていたのだ。ゲルダという旅の仲間を得るまで、ラギの心情はいかばかりだったのか。ラギもまた、これまでに登場した街の人々と同様にゲルダによって救われていたのでしょう。
でもってエンドクレジットでも「風の化身」から「愚か者」にクラスチェンジしていた雪の女王因縁の敵。コッチの戦いの結末もどうなりますか。しかし女王の城を守る結界と巨大な対空砲の群れ。まるで光子力研究所みたいでいいなぁ(笑)。予想外の物理的(に見える)な攻撃に笑ってしまいました。
さて、本シリーズは全39話でしたっけ。2/3が終了したわけですが、物語はいよいよ終盤戦。この後登場が待たれる盗賊の娘話もあるし期待です。まぁ、これだけ面白い作品の終わりが近づきつつあるというのは寂しくもあるのですが。
しかし、今日のはそんなあからさまな泣きのドラマでは無かったはずなのになんだかジンときました。ゲルダの優しさと力強さ、ラギの思いやりの心、見ていて泣けてくるのですよねぇ。演出の上手さもあるのでしょうけど・・・なんかこう優しさに飢えているのかなぁ・・・(苦笑)。
ジブリ作品、「千と千尋の神隠し」(2001)以降劇場に観に行かなくなりました。まぁそれは作品云々の問題よりも、今のジブリの拝金主義的な部分が気に入らないというのが大きいです。例えば今回出た「ハウルの動く城」のDVDにやたらとヴァージョンが多く(5種類? 6種類?)、本編ディスクの仕様も一部違っているので全ヴァージョン&特典全てを見ようと思ったら2種類は買わないといけないようになってるとか、「千と千尋の神隠し」のDVDは明らかに色がおかしいのに異常なしと言い切るとか。公開数日で制作費を回収して大儲けしているのにジブリ作品のDVDの値段設定がやたらと高いというのも、どこまで儲けたいのかと言いたくもなります。
特に、「千と千尋の神隠し」に関しては大好きな作品だけにDVD買ってもいいと思っていただけに、あの赤い画面には盛大にガッカリさせてもらいました。綺麗な画面で出し直してくれればこんどこそ飼いたいと思うのですが、近所のレコード店にいまだ「猫の恩返し」(2002)の劇場割引券付き初版が売っていたりするので無理でしょうね。
「千と千尋」のDVDって(赤いにもかかわらず)めちゃくちゃ売れたはずなんですけど、いったいどれだけ作っていたのかと。
明らかな不良品を売ったり、同じ作品をいろいろなヴァージョンで売ったり、それでも熱心なファンは買っちゃうんですよね。こうしたジブリ信者宮崎信者をお金としか見ていないやり方には腹立たしさを感じます。まぁ、信者と書いて儲けと読んでいるのかもしれませんが(笑)。
どうしてファンをないがしろにするような体質になってしまったのか。同じく拝金主義に染まっている今のディズニーの影響か、あるいはあの目立ちたがりの胡散臭い鈴木某プロデューサーに問題あるのかなぁと思ったり。宮崎監督自身はそういったことには首を突っ込まず、ただ自分が作りたい作品を自由に作れる環境さえあれば満足なんだろうなぁ。まぁあくまで想像です(笑)。でも本当にファンを大事にする気持ちがあるのなら今の体質を変えていって欲しいと、これはファンの一人として願います。
で、
「ハウルの動く城」(2004)
HOWL'S MOVING CASTLE
劇場公開時あまり良い評判を聞かなかったもので、まぁTV放送かレンタルでいいかという感じで見逃していたのですが、この度DVDが出ましたので鑑賞。普通に面白く見ることができました。
公開前から心配されていた木村拓哉さんと倍賞千恵子さんの声の出演は思っていたより悪くありませんでした。映像も「千と千尋」ほどの密度は感じられないものの流石という感じ。CGモーフィングの多用が少しばかり気になりましたが。物語も原作ファンには不評だと聞きますが、原作未読者の私としてはこれはこれで良しといったところです。
ただ、見終わっての印象は「記憶に残らない作品だなぁ」でした。
自分に自信の持てない少女ソフィと子供の心のまま成長した魔法使いの青年ハウルの恋を中心に据えた物語は良かったと思います。しかしその恋も、二人を取り巻くドラマも全ての描写が薄く説得力を持たすに至っていません。主人公二人を含む登場人物全般に渡って心情描写が(おそらくはあえて)ほとんど描かれないのも演出としてはわかるのですが、映像でそれをカバーするところまで至っていないのも厳しいところです。だからソフィの恋愛感情が唐突にも見えるし、物語後半それぞれに呪いの魔法をかけられた人々が共同生活し、最終的に互いの呪いをとき合う本来なら感動的な展開にもカタルシスはありません。ドラマの重要なバックグラウンドである戦争に関しても踏み込みが甘く、おそらくすさまじい数の戦死者(それも多くの一般市民を巻き込んでの)を出しているだろうにその痛みは伝わってこず、戦争ごっこにしか見えません。(だいたいラストのサリマンの「戦争をやめましょう」って台詞は何なのか。そんなに軽い描写をされると物語の色づけ程度のものとしか見れなくなりますって)
まぁ監督としてはそういう部分はどうでもよかったのだと思いますが。
深みはないがサラリと見られる映画。見ている間はそれなりに満足できて、その後記憶から消えていく映画。そんなタイプの映画ですし、それでいいとも思います。宮崎監督としてはある種今までと違う脱構築な作品を作りたかったのだろうなぁ。でも、正直言ってあまり成功はしていなかったようです。
近年過去の名作漫画やアニメを実写映画化するというパターンが増えていますね。日本映画界の深刻なネタ切れを現していると同時に、ハリウッドでもアメコミヒーローの映画化が相次いでいるのでウチでもマネしようというさもしい根性が見え隠れします。
いや、別に漫画の実写映画化自体に文句を言うつもりはありません、完成した映画が面白くさえあれば。しかし昨年のあの衝撃の「デビルマン」(2004)を例に挙げるまでもなく、その手の作品で成功したという話は聞こえてきません。
昨年は一応元永井豪信者として「デビルマン」と「キューティハニー」だけは観ましたが、どうにも心寂しくなるばかりでした。それでも「キューティハニー」はなんとか面白い物を作ろうという熱意は認めてあげたいと思います。その熱意が実を結んでいたとは言えないものの。「デビルマン」は・・・まぁすでにあちこちのレビューやブログなどで書き尽くされていますので、ここでくどくど語ることもないですかね。
今年春に公開された「鉄人28号」(2005)も酷かったそうですね。私は予告編を見た段階で見る気が失せてしまったのですが。「RED SHADOW/赤影」(2001)なんていうのもありましたが、故横山光輝先生もこと実写映画化に関しては不遇でしたね。
こういう例を見聞きする度に思うのは、どうしてせっかくの優れた原作を変にねじ曲げ、原作ファンが嘆くような映画を作るのだろう。原作ファンを捨ててでも映画独自の面白さを追求した結果だと言うならまだ理解も出来ますが、まぁそういった気概を感じるような作品にも出会えませんね。せいぜい原作の知名度は利用したいけれど原作通りには撮りたくないというつまらないプライドを感じるくらいでしょうか。
さて、ここ数年手塚治虫の原作が次々TVアニメ化されています。フジTVの「鉄腕アトム」、NHKの「火の鳥」、読売TVの「ブラックジャック」。いずれも海外への輸出も見込んでか手塚の知名度目的だけの安易な企画で、原作への敬意が感じられないそれぞれの原作ファンとしてはどうにも納得のいかない作品に仕上がっています。事に現在放送中の「ブラックジャック」は息子の手塚真が監督をしているだけに苛立ちもひとしおだったり。アマチュア時代の監督作や役者としての手塚真は好きだっただけに、今その手塚真が父親の作品をぶち壊している光景を毎週見せられるのは悲しくなってしまいます。
石ノ森章太郎の息子といい黒澤明の息子といい、父親が偉大すぎるといろいろとアレだなぁと思ってしまいますね。
さてさて、前置きが長くなってしまいましたが、私もやはり大好きな手塚治虫の傑作「どろろ」が実写映画化だそうです。
ええとなになに、百鬼丸に妻夫木聡、どろろ役には・・・柴咲コウ・・・
○| ̄|_
手塚漫画「どろろ」妻夫木&柴咲で実写映画化
http://www.yomiuri.co.jp/hochi/geinou/nov/o20051116_30.htm
まぁ最近は「アッと驚くどんでん返し」と言いますか、ラストのワンアイデアだけで作られた映画って多いですね。いかに上手く観客を騙して引っ張り、いかに上手くラストでひっくり返すか、安易な企画であるだけに監督の腕が物を言うジャンルであると思います。その点昨日名前を挙げたデヴィッド・フィンチャーやシャマラン監督などは堂に入った者です。他監督の作品だと現在続編が公開中の「SAW」(2004)なども上手く作っていました。
アッと驚く予想を覆す結末。それが衝撃的なら衝撃的なほど良し。しかしヘタするとそれまで築いてきた作品世界をぶち壊すことにもなりかねない諸刃の剣。そんなジャンルです。
で、一方能力に欠ける監督が同じ事をしようとすると、まさしく取って付けたラストに観客は別の意味で唖然とすることになります。
昨夜せっかくタイトルを上げたので、そんな2作品をご紹介(笑)。
「宇宙から来たツタンカーメン」TIME WALKER(1982)
ビデオタイトルは「宇宙からのツタンカーメン」でしたかね。
私もそうですが、かつて「日曜洋画劇場」で放送され、その衝撃のラストに視聴者を唖然とさせた伝説の一作。どうにも褒めようのない凡作であるにもかかわらず、否応なく忘れ得ぬ一本となってしまった人も数知れず(笑)。
ドラマの基本は所謂「ミイラ男」物ホラーの常道に乗って展開します。王家の墓から発掘された棺がアメリカの大学の研究室に運ばれ、内部調査のためにX線を照射したところ当然ながらミイラが蘇ります。そして棺にはめ込まれていた宝石を盗んだ学生を追って夜の構内を徘徊しながら次々と殺人を繰り返していくのです。一方盗んだ学生は宝石を彼女や友人にプレゼントするのですが、宝石に触れた者はその部分から緑色の苔が生え、やがて全身が苔に覆われていくのでした。
というわけで映像はチープだし演出はどうにも冴えませんが、物語は実にオーソドックスな「ミイラ男」譚であります。もしこのまま終わっていれば平凡な出来のB級ホラーとして忘れ去られていたことでしょう。
さあ、クライマックスです(笑)。
主人公である好青年が、ついにミイラ男によって追いつめられます。とその時、突如ミイラ男の全身が光に包まれたのです。そして光の中から現れたのはグレイタイプとウルトラマンを足したようなどことなく格好の良い宇宙人だったのです!
そっ、と主人公に向けて指先を伸ばす宇宙人。この後何をすればいいのか、もちろん主人公も分かっています(笑)。主人公の人差し指も伸ばされ、感動的な音楽と共に指先と指先が触れあった次の瞬間、宇宙人は光となって空の彼方に飛び去っていったのでした。
エリオット、じゃなくて主人公は散々ぱら仲間の学生が殺されたのも忘れて微笑みを浮かべながら夜空を見上げます。なぜ宇宙人がミイラにされ(しかも生きたままか?)王家の墓に埋まっていたのか。あの苔の生える宝石は何だったのか。そんなことはもはやどうでもいいことでした。ただまったく違った種族間でも分かり合える、そのことが素晴らしい感動を生んでいたのです。
ふと、主人公は異星人と触れた指に目を落とします。その指先からは緑の苔が生え始めていました。
で、悲鳴と共にジ・エンド。
どうしてこんなオチになるのかまったく分かりません。おそらく登場人物たちにも分からないことでしょう。でもなんだか凄いモノを見たような気になるのが不思議です(笑)。
ところでこれだけの衝撃のオチを用意しているにもかかわらず、邦題でネタバレをしちゃってるのが頂けませんね。原題のTIME WALKERは(この映画にはもったいないくらい)洒落たタイトルだと思うのですが。
「ザ・ダーク」THE DARK(1979)
監督は悪名高きジョン・バッド・カードス。ところでこの映画、ものの本などでは元々トビー・フーパーが監督していて撮影も進んでいたところ、突然監督が降りたか降ろされたかでカードス監督が後を引き次いだと書いてあったりするのだけど、本当かなぁ。
とある都会の一角、公園には大勢のホームレス達がたむろする。そんな街で仕事帰りのOLなどが次々惨殺される連続殺人事件が起こります。これはおそらくホームレスの仕業だろう(ひどい決め付け(笑))と捜査を開始する警察。一方娘を殺された作家も独自に犯人を突き止めようと行動を開始。しかし必死の捜査にも関わらず、警察をあざ笑うかのように犯行は続くのです。
とまあ、ここまでは良くあるタイプの安い犯罪ホラーのパターンです。まぁ「宇宙から来たツタンカーメン」の繰り返しになりますがチープな雰囲気と酷い演出、退屈な展開にさえ目をつぶれば見れないこともありません。
さあ、クライマックスです。
さて、ついに新たな犯行がパトロール中の警官に目撃される日が来ました。て、いままで1時間以上ダラダラやっていた地道な捜査はまったく無意味?
まぁとにかく警官隊によって犯人のホームレスは廃ビルみたいなところに追いつめられていきます。ついに逮捕か。じりじりと包囲を狭めながら誰もがそう思ったとき、突如ホームレスは目から赤い怪光線を発射し始めたのです!
そう、殺人鬼の正体は宇宙人だったのです。スゲー。宇宙人が何のためにホームレスに変装してまで殺人を犯していたのか分かりませんが、もしかしたらプレデターみたいに人間狩りをしに来ていたのかもしれませんね。そのわりに夜道で女ばかり襲っていたあたりショボいプレデターですけど。
ともあれ拳銃も効かず、殺人ホームレスが目から放つ怪光線によって警官隊は次々と殺されていきます。はたしてどうなるのか―――。
ええと・・・最後はどうなったのか良く覚えていません(笑)。宇宙人は宇宙へ逃げ去っていったか、火を点けられて燃え上がったか、なんかそんなことだったと思いますが。
今回ご紹介の2本、どちらも20年くらい前に見たっきりですので記憶違いもあるかもしれませんが、そこは一つご勘弁ください。
まず最初に、
当ブログでは場合にもよりますが基本的にはネタバレしまくりです。
まぁウチで扱うのは古い作品が多いので問題ないと思うのですが、本作は本年6月に公開されレンタルが始まったばかりの新作でもありますし一応記しておきます。
「フォーガットン」THE FORGOTTEN(2004)
公開当時TVのCMでやたらと見ましたね。
一児の母である主人公の回りから我が子の存在した証拠が消えていく。回りの人々の記憶からも消えている。愛する息子の存在が徐々に消えていく恐怖―――。
と言うような感じのCMで、なかなかに怖そうなサスペンス・スリラー映画として興味を引かれました。おそらくその背後には組織的陰謀があるのだろうなぁ、いわゆる巻き込まれ型のサスペンスか。それにしても家族写真から子供の姿だけが消え失せるというのはどういうトリックと説明するのだろう。
面白そうとは思いつつ「見たい映画優先順位」的には後ろの方に置かれていた本作ですが、最近妙な噂(笑)を聞いて俄然興味が沸いてきました。
「フォーガットン」のオチは「サイン」だよ。
「サイン」(2002)と言うとシャマラン監督のアレですよね。と言うことは・・・「フォーガットン」の黒幕もアレなのか!?
本格的なサスペンス・スリラーと予想していた本作ですが、その話が本当なら予想外のバカ映画なのかもしれない・・・と言うことで、急遽優先順位を繰り上げて見てしまいましたよ(笑)。
オープニングタイトル、冬枯れのNYの街を真上から舐めていく空撮が美しい。やがて空撮がいつの間にかクレーン撮影に切り替わってカメラが地上へと舞い降りる。うん、なかなか期待させる良い出だし。この映画の監督ジョセフ・ルーベンさん、調べてみると'70年代から監督しているベテランなんですね。作品数があまりないのと、これと言った代表作がないのが辛いところですが。
子供達の乗った飛行機が墜落。その事故で一人息子を失ったテリーは1年以上が過ぎた今でもショックから立ち直れず精神科医のカウンセリングに通う毎日。やがて彼女の周りで奇妙なことが。家族写真から息子の姿だけが消え、続いてアルバムやビデオまで消えていく。夫や精神科医は元々子供など居なかった、病んでいたテリーの精神が回復しつつあるのだと言い出す。思わず家を飛び出したテリーは同じ事故で娘を失った男アッシュを訪ねるが、彼もまた娘の事を覚えていないと言う。なんとか娘の記憶を取り戻すアッシュ。何故みんなが子供の記憶を失ったのか、そのことを調べ始める二人は国家安全保障局の調査官に追われることとなるのだった。
映画前半はまさしく予告編通りのサスペンス展開です。ヒッチコック作品かフィンチャー監督の「ゲーム」(1998)を思わせる、周りが誰も信じられない疑心暗鬼型スリラーといったところでしょうか。ただそれらの作品に比べると本作の脚本は随分と淡泊で、主人公テリーも悩むより行動というタイプなので設定の割に軽い作品という印象を受けます。まぁスピーディな展開は現代の観客には合っているのでしょうね。国家的陰謀も感じさせ、まずまずの恐怖感も与えてくれる前半の展開と言えます。
数々の謎を、はたしてどのように見事に解きほぐしてくれるのか、監督の手腕に期待が寄せられます。
ところが後半、物語は徐々にタガが外れ始めます。
だいたい何の伏線もなく主人公が突然「こんなこと人間に出来るわけ無い。犯人は○○だわ」とか言い出したかと思うと、何のひねりもなくその通りでしたというトボケた展開は何だろう。前半の幾多の謎は全て、アレが黒幕だから仕方ないよね、で済まされちゃいますし。て言うか、アレが犯人と分かった時点でみんな考えるのやめてますし。
面白いのは主人公に協力しようという人物が出てくると、突然その人物はバビューンと空の彼方に飛んでいってしまいます。いやマジで(笑)。人の記憶を簡単に操作できる能力を持ちながら、どうしてそんな派手なことをしなくちゃならないのか分かりません。まぁそれより、そのシーンの特撮映像(て言うかCGですが)の見事さと、それに反して画面的マヌケさが相まって愉快なシーンに仕上がっています。
さて、ついにアッシュまでもがバビューンされ、テリーは単身アレと対峙することに。アレの目的は子供の記憶を親から消し、親子の絆を断ち切る実験だったのだ!
なーんやそれ!
しかしテリーの息子への愛は強く、実験に失敗したアレは仲間によって粛正されてしまうのでした。
まぁアレによる侵略SFのジャンルでは古典的な設定ですね。超越した技術だか能力だかを持ちながらやたらと回りくどいアレの行動といい、取って付けたようなハッピーエンドといい、ルーベン監督の仕事は実に丁重な仕事をしていると言えます。
嫌いじゃないですよ、こういう映画。
でも、このバカSF映画をあたかも本格サスペンス映画のように見せかけた予告は詐欺だなぁとは思います(笑)。劇場まで観に行って唖然とした人は多いのではないかなぁ。そういう意味でも確かに「サイン」と似ていますね。
ところで、「犯人の正体は実はアレだった」てな(ある意味不誠実な(笑))映画は過去にもいろいろありますが、特にその突拍子もないどんでん返しで記憶に残っている作品が2本あります。
「宇宙から来たツタンカーメン」(1982)と「ザ・ダーク」(1979)です。
共に箸にも棒にもかからない作品ではありますが、しかし忘れたくても忘れられない(笑)愛すべきクズ映画なんですよねぇ。
ここ数年、漫画雑誌というものをすっかり買うことがなくなりました。気に入った作品のみ立ち読みするくらいですね。そんなわけですっかり新たな作品の新規開拓を怠ってしまっているわけで、おかげで購入する単行本の数も減りました。
でまぁ、それでも新規開拓の一環として、アニメ作品で気に入ったのがあると原作にも手を出してみるというのがあります。比較的最近ので言えば「ブリーチ」「金色のガッシュ」「エアマスター」「焼きたてじゃパン」あたりですか。しかし最近これら4作品がことごとく原作の展開がグタグタになりつつあります。やっぱ長く続くとダメになっていく確率が上がりますわな。そうそう面白いネタが無限に溢れ出るわけでもないし、特にアニメ化すると作者の忙しさもハンパではなくなりますし。
それでも「金色のガッシュ」はかなり健闘している方でしょう。「エアマスター」はそれでも時々光る回がありますし、終わりも近いようなので見事なラストを期待しています。現状最悪なのは「ブリーチ」ですかね。その場その場の見せ場にばかり気を遣って全体の整合性を放棄しているぽいのが辛いところ。て言いますか、過去に自分の描いたことを忘れてるんじゃないかなぁと思うこともしばしば。とにかく「完全催眠」の一言でそれまでの伏線を全てうやむやにしてくれた衝撃以来、なかば惰性で読んでますけどね。ああ、アニメの方でももうすぐですか、完全催眠。アレをアニメ化しなくちゃいけないとはアニメスタッフも大変だなぁ(笑)。
で、何か新たに面白い漫画を読みたいなぁと思っていたところで以前に友人から薦められていた「史上最強の弟子ケンイチ」を読んでみました。本屋でも単行本を見かけて気にはなっていたんですよね、あの表紙を飾るレオタード姿の巨乳少女に(笑)。正直言ってエロい体型の萌え系少女格闘漫画みたいなありがちなものだと興味ないなぁって思っていましたが、いやいや予想とは違ってその上面白いじゃない。一気に17巻まで読破し、前身に当たる「戦え!梁山泊 史上最強の弟子」全5巻まで読んでしまいました。
正義感はあるけれど気が弱いいじめられっ子の少年が一念発起してとある武術道場に入門し、才能の無さを努力でカバーしながら地獄の特訓を耐えつつ強くなっていくという物語。と、こうして書いてみるとこれもわりとありがちっぽいですが、とにかくどの登場人物もキャラがしっかり立っていて物語をぐいぐい引っ張っていっているのがイイ。特に弟子ケンイチに師弟愛を注ぎながら死ぬ寸前までの地獄の特訓を繰り返す「史上最強」の師匠連中の立ちまくったキャラが最高に楽しいのですね。
ギャグのテンポもいいしキャラも魅力的で、これはなかなかいい作品に巡り会えたなぁ、と。
なんだか単行本も売れていて人気は結構あるそうで、それはそれで喜ばしいわけですが、そうなるといずれアニメ化するだろうことがちょっと心配ですね。もちろんしっかりとしたアニメを作ってくれればそれはもちろん嬉しいのですが、そのことをきっかけに上記作品達のように変なことにならないでくれればいいのですが。
ところで女性キャラもそれぞれ魅力的なわけですが、私的にはケンイチの妹ほのかちゃん、女師匠しぐれさんが特によろしいです(笑)。
さてさてさて、ゲルダとラギがたどり着いたのは300年前に双方の軍が全滅するという激戦があった古戦場跡。そこで見つけた遺骨にゲルダは一輪の花を手向けるのだった。
というわけで昨日の、
「雪の女王」第25話「王家の鍵」
古戦場後の星降る丘で一夜を過ごすことになったゲルダが体験する一夜の夢。300年経った今でも亡霊となって戦い続ける兵士達。ゲルダの手向けによって魂を蘇らせ、王妃の待つ城への帰還を、そして延々と続く戦いを終わらせようとする国王の亡霊。
成仏できずに彷徨い、果てしなく戦いを続ける兵士達の物語はどこか日本の昔話を思い起こさせ、哀しみをたたえます。例えば「耳なし芳一」のように怪談話でありながら、その果てしない哀しみの歴史を思うと胸を打たれてしまうのです。兄弟でありながら戦わねばならなかったという部分でもその思いを深くします。
今回のエピソードがこういう話になったのも、現在放送中のNHK大河ドラマが「義経」ということと無関係ではありますまい。
第23話に続いてラギが肝心なときに眠りこけるという小ネタに始まり、降るような星の中で静かに戦い続ける亡霊達の幻想的な風景。幾度殺されても蘇り、愛する妻の待つ城を目指す弟王。妻を失った哀しみ、自分に対して憎しみを向ける兄との終わりのない死闘。そしてゲルダのもたらしたヒントによって300年に及ぶ戦いはついに終わりを迎えます。それは、美しくも哀しい物語でありました。
それにしても王様、ゲルダへのお礼があれだけとはケチりすぎ(笑)。もう少しゲルダの旅へのヒントをくれてもいいのにね。それに兄の最後の言葉、「また生まれ変わっても面白いことしようぜ」ってさわやかに言うのも唐突すぎて笑えました。もっともそういう唐突って部分が「雪の女王」が物語の整合性がないって言われることの多い理由でしょうけど、まぁ出崎監督もそう言われることは承知の上で楽しんで作っているのでしょうし、まぁ私自身もそう言う部分も込みで楽しんでいますよ(笑)。
さて次週は「ホルガー伝説」。パーティの中でも最も頼りになる狼ホルガーがどのような活躍をするのか楽しみであると共に、いよいよラギと雪の女王の因縁が語られそうなので期待です。
しかし・・・ここんとこどうにも「雪の女王」感想ブログになりつつあるので、もうちょっとなんとかせんといかんなぁ、と。
さて本日の「雪の女王」第24話は、アンデルセン童話の中でも「マッチ売りの少女」と並んで有名な、
「人魚姫」
でありました。
内容に置いても「マッチ売りの少女」同様に悲劇性の強いお話なので、正直かなり覚悟して見ましたよ(笑)。
まぁ最近はこうした作品の結末をハッピーエンドに書き換える絵本とか映画とか多いですが、例えばディズニーの「リトル・マーメイド」(1989)などあれはあれで大好きな映画ではありますが、原作の結末を書き換えてしまうことに不満を持つ人がいることも理解できます。
で、今日の「雪の女王」版「人魚姫」ですが、上手いなぁって思いました。
オリジナルの「人魚姫」を昔話として紹介し、そのエッセンスを留めつつ新しい人魚姫の物語を作り上げます。
そしてオリジナル通りの悲劇的結末をここでも迎えるのかと思わせておいて、一転しての幸せな結末。過去の人魚姫像とはまったく違うリリーの陽気で寂しげで不思議なキャラクター、住人のほとんど描かれない街の風景、昔話の人魚姫が王子の元で暮らしたのだろう今は廃墟となった城・・・どこか現実味の無い描写の積み重ねがクライマックスの難破船が海に飲み込まれていくスペクタクルかつ幻想的な映像を盛り上げていく、この演出の妙にも感心しきり。
本筋外の楽しいシーンも多くありました。
昔話の「人魚姫」を、微妙にハイテクな人形劇で語るハンス(南に行くと言っていたけど、またそのうち何事も無かったようにゲルダの前に現れるのだろうなぁハンスさん(笑))。ゲルダに怒られて焦るラギ。昔話と違って妙に軽い性格の魔女。
こうした愉快なシーンに笑わされながら・・・ゲルダの優しさリリーの優しさに、やはり今回も泣かされてしまったのでした。
ところで話変わって、
故ピーター・セラーズの人気シリーズでありました「ピンク・パンサー」がリメイクされたんだそうな。主演はスティーヴ・マーティン。なるほど、セラーズに代わる俳優など居るはずもないわけですが、それでもスティーヴ・マーティンという配役はなかなかいい線かと。私的にはオリジナル版を見ていられればそれだけで満足なんでリメイクする意義はあまり感じられませんが、それはそれとしてどんな出来になってるのかは多少の興味はありますね。
まぁこれを期に、またセラーズの諸作品が再び注目される日が来ればいいなぁとかも思ったり。
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