[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
1977年に公開されたイタリアの怪奇映画「サスペリア」。その原色に彩られ、計算され尽くされた映像と音楽。あえて毒々しいまでに作り物めかせた作風の、ファンタジックなびっくり箱は本当に衝撃でした。
その翌年に公開された「サスペリアpart2」(1975)は邦題とは違って実際には「サスペリア」の前作にあたる作品ですが、ここでも完成度の高いミステリー・ホラーを見事に作り出していました。
イタリアンホラーの巨匠ダリオ・アルジェント。
完璧主義者アルジェント監督のデビュー作であり、そして傑作「サスペリアpart2」のオリジナルとも言われる作品がこの・・・
「歓びの毒牙(きば)」L' UCCELLO DALLE PLUME DI CRISTALLO(1969)
それまで脚本家として活躍していたアルジェントは新たに書き上げた本作の脚本を気に入った余り、他者の手に委ねるのを嫌って自分自身で監督することにしたと言います。
なるほど、確かに面白い。主人公が偶然事件を目撃してしまったことから連続殺人に巻き込まれていく展開はサスペンスホラーの常道ではありますが、その中に組み込まれた様々な仕掛けや、荒削りながら後のアルジェントの作風を思わせる映像が緊張感を途切れさせることなく観る者を映画の中へと引き込んでいきます。
冒頭、イタリアを訪れていたアメリカ人作家が女が革手袋の男に襲われているところを目撃します。すぐさま助けに入ろうとしたところで2重のガラス扉の間に閉じこめられ、血を流して苦しむ女性をただ見ているしかない主人公。この設定の面白さ。
主人公を演じるトニー・ムサンテとアルジェント監督はとにかく撮影の間中対立していたと言います。自分の脚本を完璧と信じて変更は不必要と考えていたアルジェント。その後の作品でも常に映画のすべてを自身でコントロールするアルジェントにとって、なにかと独自の解釈を作品に付け加えようとする役者は不愉快な存在だったのでしょう。そしてアルジェントはそんなムサンテをガラスの檻の中に閉じこめ、事件をただ傍観するしかない立場に追い込む前出のシーンを撮ったとドキュメンタリー「鮮血のイリュージョン」(1986)で語っていたのを思い出します。役者との対立があのユニークな構図を産んだとするなら、なんとも愉快な気分になります。
しかし残念に思えるのは不要とも思えるシーンが散見出来ることでしょうか。これは後の「サスペリア」等、無駄をそぎ落とした作品群を見ているために余計そう思えるのでしょう。はたして監督自身がこのデビュー作をどう評価していたのかは分かりませんが、後に「サスペリアpart2」という類似の作品をあえて撮ったという事実があります。アルジェントが本作の脚本を気に入っていたことは確かです。でもだからこそ、より完成された演出力によってもう一度撮りたいと思ったとしても不思議はないと思えるのです。
と言うことで、本作と「サスペリアpart2」の似てるところ~(笑)。
主人公が偶然事件を目撃し、興味を持って自ら調査を始めることで犯人から狙われることとなる。
主人公は最初に目撃した事件現場で、何か重要なことを目にしていたがそれが何か思い出せない。
子供が描いたような不気味な殺人の絵が、過去に起こったある事件を暗示していた。
ある人物が犯行を自白して死んでいく。しかしそれは真犯人を守るための愛ゆえの行為だった。
本作で余計に感じたシーンは見事に排除され、「サスペリアpart2」は優れたミステリー作品であり優れたホラー作品として完成したのでした。
この「歓びの毒牙(きば)」という作品があったからこそアルジェントは監督としてやっていく自信を付け、そして後に数々の傑作を生み出してイタリアホラー界の帝王とまで呼ばれることとなりました。優れた映像感覚を持った数々のアルジェント作品。そしてその原点である本作にも、後のアルジェント作品を彷彿とさせるエッセンスは詰め込まれているのでした。
まーそれはそれとして・・・「オペラ座/血の喝采」(1988)以降のアルジェント作品は、映像的にはともかく作品としては正直言ってあまり面白くないのですけどね。
放送記録:2005年8月19日AM2:25~4:15関西TV(野球中継延長により15分押し)
今日8月13日の朝刊を見て、しばし呆然。
石井輝男監督、肺ガンにより死去。
新東宝で監督デビュー、「鋼鉄の巨人(スーパージャイアンツ)」(1957)シリーズ等を撮る。新東宝の没落を前に東映に移動。「ギャング」シリーズ、「網走番外地」
(1965)シリーズなどを撮って人気を博した後、「徳川女刑罰史」(1968)等のいわゆる東映ポルノ、異常性愛シリーズなども手がける。
その頃の代表作・・・と言うか異色作に「江戸川乱歩全集/恐怖奇形人間」(1969)や「怪談昇り竜」(1970) 、「直撃!地獄拳」(1974)など。
ありとあらゆるジャンルの作品を常に高い水準で作り続け、近代邦画史と共に歩み続けた監督でした。と同時に近年においても精力的に新作を撮り続けた監督でした。
「つげ義春ワールド/ゲンセンカン主人」(1993)
「無頼平野」(1995)
「ねじ式」(1998)
「地獄」(1999)
「盲獣VS一寸法師」(2001)
まだまだお元気で、独特の冷めた語り口の新作がまたいずれ観られると思っていただけに残念でなりません。また日本映画を代表する優れた本当の映画人を失ってしまいました。
享年81歳。ご冥福をお祈りいたします。
「網走番外地」の石井輝男監督死去
http://www.nikkansports.com/ns/entertainment/f-et-tp0-050812-0012.html
さて、「ジョーズ」(1975)の大ヒットを受け、パニック映画ブームは動物パニック映画ブームへと姿を変えていきます。大災害を描くため大仕掛けの特撮やセットが必要な災害パニック映画に比べ、低予算で作りやすいというのも大きな理由だったのでしょう。
また「エクソシスト」(1973)以降のオカルト映画ブームに合わせてホラー仕立てにしやすいというのも制作側としてはメリットがあったような気がします。
「タワーリング・インフェルノ」(1974)の後、TVムービーの制作などをしていたアレンはこの動物パニックブームに突如として参入します。
(4)1978~:迷走の時代
「スウォーム」THE SWARM(1978)
南米の殺人蜂が大挙して大都市を襲うパニック・スペクタクル作品。
それまでにも蜂の襲撃を描いた映画はありましたが、パニックブームの頂点を極めたアレンとしては意地もあったのかこれをオールスターキャストの超大作として完成させます。
なるほど、原発が爆発し大都市が蜂の群れの猛威にさらされ、軍の火炎放射器部隊と蜂の群れとの戦いが描かれ・・・と、それまでの低予算動物パニックものでは見たことのないスケールの大きな物語が展開します。しかし、この映画全体に漂う緊張感の無さは何でしょうか。ヒロインが蜂の毒に犯されて幻覚を見るシーンにしろ、蜂を研究する博士が無意味に自分の体で人体実験して死んでしまうシーンにしても、そこからは監督が意図するような蜂への恐怖は喚起されることなく、ただ馬鹿馬鹿しい見せ物に終始します。
列車が転覆したり原発が爆発する本来なら大きな見せ場になるはずのシーンも、あまりに編集が悪くいったい画面上で何が起こったのか瞬間的に分からず緊張感を削がれます。さらにそれによる被害を映像で見せることなくTVキャスターの台詞だけで語るなど、何のためのスペクタクルシーンなのか。
監督はアーウィン・アレン本人。アレンは'50~60年代に複数の作品で監督を務め、また「タワーリング・インフェルノ」ではアクション監督も兼任していました。それだけに演出には自身があったのかもしれませんが、残念ながら本作に見るべき点はありませんでした。
そして科学者と軍人との対立をダラダラと描いて退屈なドラマを生み出した脚本はスターリング・シリファント。シリファントは「ホセイドン・アドベンチャー」「タワーリング・インフェルノ」に引き続いてのアレンとのコンビでしたが、前2作に比べてあまりにあまりな出来ではありました。
主演マイケル・ケイン、ヒロインにキャサリン・ロス、軍司令官リチャード・ウィドマーク、老博士ヘンリー・フォンダ、その他オリヴィア・デ・ハヴィランド、リチャード・チェンバレン、ホセ・ファーラー等々というオールスターキャストが余りに勿体ない作品でありました。
もっとも、そういうダメなところも含めてなかなか愛すべき作品ではあるのですけどね(笑)。しかし次なる作品はどうにも褒めようのない作品でありました。
「スウォーム」が作品的にも興行的にも失敗に終わり、アレンは大ヒット作品の続編という安全策に出ます。しかしその頃「スターウォーズ」(1977)が空前の大ヒットを飛ばし、世の中は一大SFブームが巻き起こっていました。アレンは本来自身が得意としていたSFブームの中、どうにもピント外れな作品を送り出すのでした。
「ポセイドン・アドベンチャー2」BEYOND THE POSEIDON ADVENTURE(1979)
パニックブームを作り出した大ヒット作の続編です。話題性においては満点とアレンは思っていたのかもしれません。
しかし、この続編はパニック映画ではありませんでした。
転覆した豪華客船ポセイドン号には、実は秘密裏にプルトニュウムが搭載されていたという驚くべき新事実にまず観客は唖然とさせられます。そしてそのプルトニウムの回収に来た犯罪組織と、難破船に残された金目の物を盗みに(主人公曰く法律上の問題ないらしい)来たサルベージ船の連中とがポセイドン号を舞台に派手に撃ち合いを始めるのでした。
・・・もはや海洋アクション映画であり、「ポセイドン・アドベンチャー」の続編である必然性もありませんね。
監督は「スウォーム」に続いてアレン自身。例によって緊張感のないアクションと面白くないドラマがダラダラ続きます。上下逆さまになってる船内で何故か書類棚がまともに立っていたりと、ドラマの都合上としか思えないご都合主義なシーンなどもトホホ感を盛り上げます。
主演のサルベージ船船長には、やはり前作に引き続いてのマイケル・ケイン。組織のリーダーにテリー・サバラス。個人的には好きな配役ではありますが、オールスターキャストに関しても徐々に小振りになってきているのがもの悲しい気分にさせてくれるのでした。
当然のように期待の大作「ポセイドン・アドベンチャー2」は失敗に終わりました。そこでアレンは「ホセイドン・アドベンチャー」「タワーリング・インフェルノ」のような本格的な災害パニック大作を蘇らせようと考えたのでしょうか。
正直言ってアレンは自分を見失っていたのではないかという気がしてなりません。もはやパニックブームなど遠い昔に終わったSFブームのまっただ中で、アレンは空虚で時代錯誤な一作を送り出すのでした。
この項続く。すいません、次で終わりです(^^:
公開当時ウェス・クレイヴン監督の「スクリーム」(1996)と同じ脚本家の作品ということで話題になった映画(と言うか、それくらいしか話題が無かった)。
ということで・・・
「ラストサマー」I KNOW WHAT YOU DID LAST SUMMER(1997)
この映画、以前TVで放送された時に一度見てはいるのですが、その頃はサラ・ミシェル・ゲラー(TVシリーズ「バフィー/恋する十字架」やハリウッド版「THE JUON/呪怨」(2004)に出演)の名前すら知らなかったので今回改めて再見。でもそれで同時に、この映画がまるで新味の無い退屈な映画と言うことも再認識してしまいました(笑)。
でもね、この映画を見ているとすごく懐かしく思えるのです。
とにかくオリジナリティが皆無でただただオーソドックスな展開には、有る意味安心して見ることが出来ます。本作の一番の特徴である犯人から「去年の夏お前が何をしたか知っている(原題)」という手紙が送られてくるという設定もウィリアム・キャッスル監督の未公開作「I SAW WHAT YOU DID」(1965)からタイトルごといただいてるわけですし、まぁ(「スクリーム」を見てもわかる通り)熱心なホラーマニアによる原点回帰的な一作といったところでしょう。
犯人の動機付けがはちゃめちゃなところも、復讐が目的なのに関係ない人間もバコバコ殺すところも、そしてラストのありがち過ぎるビックリシーンまで実に心のこもった丁寧な作りであると言えます。だからと言ってそれで面白くなるとは限らないのが辛いところですが(笑)。
だけど・・・この手のナイフキリングムービーは「13日の金曜日」(1980)のヒット以降、どんどん派手にショーアップされてきたわけですが、ここまでオーソドックスな作りは逆に今の観客には新鮮に映るかもしれませんね。
来週は引き続いて「ラストサマー2」(1997)の放送ですか。これも1作目に劣らずアレな作品ですが・・・でもまた見てしまいそうな予感が・・・(笑)。
さて、肝心のサラ・ミシェル・ゲラーですが、本作のヒロインが始終不機嫌そうな顔でぶー垂れてるのに比べると可愛げのある女の子役であったと思いますよ。実際見終わった後に印象に残るのもヒロインのジェニファー・ラヴ・ヒューイットよりもサラの方でしょう。
本作で殺されてしまったために続編に出演出来なかったのは残念でしたね。いやいや、本人のキャリアにとってはむしろ良かった気もしますが(笑)。
ところで主演作の「THE JUON/呪怨」ですが、DVDが出ていたので見ました。いろいろと賛否あった作品ですが、なかなか悪くない映画だと思いました。これについてもまたいずれ。
放送記録:2005年8月4日PM9:00~10:54TV大阪木曜洋画劇場
見ようかどうしようか・・・しばし迷いつつ見てしまいました。
先週に続いての第2弾!
「ラストサマー2」I STILL KNOW WHAT YOU DID LAST SUMMER(1998)
しかし、何度も途中で挫折しそうに・・・(笑)。
まぁ過去に1度見たことがあるのも原因の一つですが、それ以上にとにかく退屈。前作同様古典的なホラー映画パターンを守ったオーソドックスな作りではあるのですが、しかしこの退屈さは前作を大きく上回ります。前作から一新したスタッフの皆さんの能力のたまものでしょうか。
クイズで当たった南の島への旅行に友達と共に出かける、前作で生き残っていた主人公。しかし当然その旅行は殺人鬼の罠で、激しい嵐が吹き荒れる中で次々と殺人が行われるのであった。
シーズンオフの寂れた島のホテル、次々登場することごとく怪しげな登場人物達、とまぁ舞台設定はいかにもホラーしていていいんですけどね。でも相変わらずこの犯人、人殺し過ぎ。ジェイソンみたいな無差別殺人鬼ならともかく、一応主人公に対する復讐が目的なのにまたしても無関係な人々を理由もなく殺していきます。ホテルの従業員に観光客相手の商売人・・・もう島の住人を皆殺しにしようかという勢いです。犯人の復讐譚という設定があるだけに違和感ありまくりです。
制作者側の言い分としては「狂人のやることですから(笑)」てなところなんでしょうけど、殺人シーンの数の多さで見せるのではなく、ドラマで楽しませ、また怖がらせてほしいところですね。そもそも前作の設定からしてムチャでしたんで、その後を次いだ本作の脚本家さんとしては大変だったのかもしれませんが。
しかしまぁ、映画本編よりも予告の方がはるかに面白いというのは流石「木曜洋画劇場」クオリティですねぇ(笑)。
そのおかげでいつも騙されてしまうわけですが・・・。
放送記録:2005年8月11日PM9:00~10:54TV大阪木曜洋画劇場
話変わって・・・
このブログではなるべく政治的な話は書かないようにしようと思っているのですが、ちょっと感心したのでこれだけご紹介。
mumurブログ「中核派に特攻してきました」
http://blog.livedoor.jp/mumur/archives/50002309.html
いま揉めている杉並区の教科書採択問題で、つくる会の歴史教科書採択反対活動の中心的団体「杉並親の会」が過激派「中核派」の関連組織であるという噂は以前から出ていましたが、ここまではっきりと認めさせたのは初めてではないかと。
mumur氏の勇気に敬服いたします。
今日8月12日、杉並区役所で教科書採択の決議が行われます。それに合わせて、前回4日同様に2ちゃんねる大規模off板中心に「「つくる会」歴史教科書反対派の人間の鎖をさらに囲むOFF!」が行われるようですね。
私が見たところではつくる会の教科書に問題があるようには思いませんでしたが、個人的感情を抜きにしても過激派テロ組織と繋がった思想団体が一般市民の顔をして、数を頼んで「特定の教科書を採択しないよう」に働きかける行為は納得いくものではありません。
というわけで、このoffに参加される東京の皆さんには頑張って欲しいですね。ただし相手が相手だけに危険のない程度に。
offについて、またこれまでの流れについて詳しくはこちらなどを。
「つくる会」歴史教科書反対派の人間の鎖をさらに囲むOFF!まとめサイト
とりかご~ガノタフィリピン戦線「ザビ家。OFF応援演説」
そーいえば東京のことはあまり知らなかったのですが、ちょくちょく名前を耳にする「都革新(都政を改革する会)」というのも「中核派」の下部組織だったのですねぇ。
代表者からして国際法上日本の領土と認められている竹島や尖閣諸島を堂々と韓国中国の領土と発言しているのですから呆れてしまいます。
「連帯の闘いを訴え、とりわけ「つくる会」教科書の採択阻止を訴える都革新の長谷川代表」
こういう所からも議員さんが出たりしているわけで、みんなもっと危機感を持たなくちゃいけないですね。
昨日書き忘れていましたが、「ポセイドン・アドベンチャー」(1972)がウォルフガング・ペーターゼン監督の手によってリメイクされてますね。
http://www.imdb.com/title/tt0409182/
「Poseidon」のタイトルで来年5月でしたかに全米公開予定です。
あのパニック超大作が今の技術で蘇る。それはもちろん楽しみではあります。
でも・・・
「ポセイドン・アドベンチャー」は完成された映画でした。リメイク作品がどのようなドラマを作ろうとオリジナルを超えることは不可能に思えます。俳優にしても結構良い役者さんを集めているとは思いますが、やはりオリジナルのキャストに比べると小振りに思えます。唯一オリジナルを超えられる部分があるとすれば特撮シーンくらいなものでしょう。
その特撮シーンにしても昨今のCGを多用した特撮がもう一つ好きになれない私からすれば、オリジナルのアナログなミニチュアワークの方がよほどそそられてしまうわけなのですが。
まぁ私の特撮への嗜好は別にしても、オリジナルを超えることがまず出来ないだろうリメイク作を作ることに対して、どうにも興味をそそられないわけなんです。
何と言いますか最近のハリウッド映画はリメイクだらけですな。
ブーム・・・と言えば聞こえが良いですが、まぁやたらとアナクロな設定のSF大作が多いのも含めて単なるネタ不足の結果ですね。
で、そもそもそういう場合のオリジナル作品というのはリメイク作品として選ばれるくらいですから、ヒット作、評価の高い作品であるわけで、そうなると余計リメイク作への評価は厳しくなる傾向でしょう。
実際、オリジナルを超えたと思えるようなリメイク作品にはついぞ出合ったことがりません。
昨年は'70年代を代表する2本のホラー映画のリメイク作品が公開されました。
「ゾンビ」(1978)のリメイク、「ドーン・オブ・ザ・デッド」(2004)。
「悪魔のいけにえ」(1974)のリメイク、「テキサス・チェーンソウ」(2004)。
どちらも現代風にスピーディなホラー作品には仕上がり、単純なホラーとしては楽しめるものでした。しかしそうするために、オリジナルにあったエッセンスがごっそりと犠牲にならざるを得ませんでした。
ディズニーもリメイクが多くなってきましたね。
公開中の「ハービー/機械じかけのキューピット」(2005)など、オリジナルの「ラブ・バッグ」(1969)が傑作かつ大好きな作品だけに怖くて見れません(笑)。
やはり1961年の傑作をリメイクした「フラバー」(1997)も悲しくなるような出来でしたしね。![]()
ネタ不足のハリウッドは他国の作品へも手を伸ばし始め、日本から「リング」(1998)、「呪怨」(2002)、「仄暗い水の底から」(2001)といったJホラーが次々とリメイクされていきました。韓国映画「ボイス」(2002)のリメイク権をスピルバーグが買い取ったことも話題になりましたね。
その他「オーメン」(1976)や「悪魔の棲む家」(1979)のリメイクも進行中と聞きます。
そうそう、「死霊のえじき」(1985)のリメイクも作っているんでしたっけ(ロメロ監督による正当続編「ランド・オブ・ザ・デッド」(2005)とは関係ありません)。
過去の名作のリメイクがされるその度に、オリジナル作品が好きならば好きなほど大きな失望を受けることになってしまいます。そしてそんな辛いリメイクブームはまだまだ続くのです・・・。
ちなみに今一番不安なリメイク作は・・・
「THE FOG」
http://www.sonypictures.com/movies/thefog/site/
オリジナルの「ザ・フォッグ」(1979)がジョン・カーペンター監督の最高傑作と信じ、大好きな身としてはもう心配で心配で・・・。
もちろん見なければ済む話ではあるのですが、見なけりゃ見ないで気になってしまうのが困ったところです(苦笑)。
ついでに、
日本でも過去のTVアニメやドラマのリメイク映画化の流れが大きくなってきてますね。日本でもネタ不足は大きいのでしょうけど、安易な作品が増えている感が強いのが気になるところです。
いまや伝説と言える昨年の「デビルマン」(2004)とか、「キューティ・ハニー」(2004)に「鉄人28号」(2005)、「タッチ」(2005)。映画作品のリメイクでも「戦国自衛隊1549」(2005)に「日本沈没」のリメイクもあるそうですね。
そもそも各社の子供向け看板番組が相も変わらず「ゴジラ」とか「仮面ライダー」とか「ウルトラマン」とかである時点で先の展望が見えてこないのが寂しいところです。安定路線もいいし、そういう収益の見込めるタイトルでないと制作費が出にくい事情もわかるのですけどね。
でもって、今更こういう懐古企画が出てくるわけだ。うーむ。
「仮面ライダー THE FIRST」
http://www.maskedrider1st.jp/index.html
そう言えばこの間TVで見た「着信アリ」(2004)が菊川怜主演でTVドラマ化だそうで。この企画にもうーむ。
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2005/08/10/05.html
6日分の続きです。
(3)1972~:パニック超大作の時代
'60年代、TVの普及によってハリウッドの映画産業は危機的状況に陥っていました。しかしそんな中、20世紀FOX社を蘇らせたのがアレン制作の「ポセイドン・アドベンチャー」(1972)だったといいます。
「ポセイドン・アドベンチャー」THE POSEIDON ADVENTURE(1972)
大津波によって転覆、上下逆さまになった豪華客船からの脱出を描くパニック巨編です。
すべてが逆さまになった船内を船底に向かって「上って」いくというユニークなシチュエーション。そして様々な危機が次々と行く手を阻むスリリングな脚本を、目を見張る豪華な船内セットや当時としては見事と言える特撮、そして重量感のあるオールスターキャストがしっかりと支えます。
この作品の大ヒットによって、時代はパニック映画ブームを迎えることになるのでした。そしてアレンは、パニック映画の金字塔とも言える作品に着手します。
「タワーリング・インフェルノ」THE TOWERING INFERNO(1974)
当時、20世紀FOX社とワーナー・ブラザーズ社は「The Glass Inferno」「The Tower」という2冊の小説の映画化権をそれぞれに持ち、パニック映画ブームに乗って映画化の企画を進めていました。しかしどちらの小説も高層ビルでの火災を扱った内容であり、このままでは互いの客を食い合うのは確実。そこでアーウィン・アレンが2つの企画をまとめ上げ、1本の映画として制作。ここにハリウッドの2大メジャー制作会社の史上初の共同制作が実現しました。
2本分の予算をつぎ込んだ文字通りの超大作。
業火に焼かれる地上138階建ての超高層ビル、グラスタワー。このグラスタワーの巨大感を実現するため実に33メートルの高さのミニチュアセットが建てられ、57もの豪華な内部セットがスタジオ内に組み立てられました。アレンは「ポセイドン・アドベンチャー」のスタッフを再結集し、「ポセイドン・アドベンチャー」を上回るオールスターキャストをもってこの作品を空前のパニック大作として完成させたのでした。
危険な超高層ビル火災に果敢に挑む消防隊長にスティーヴ・マックィーン。
手抜き工事が原因とはいえ、グラスタワーを設計した責任から救助にあたる設計士にポール・ニューマン。
この二人を中心に、逃げまどう人々や命がけの消火活動に従事する消防士たち、様々な人間ドラマが見事に描き出されていきます。特撮や特殊効果も素晴らしいけれど、こうしたドラマこそがこの映画の魅力を大きく引き上げていました。
「ポセイドン・アドベンチャー」で自ら作り上げたパニック超大作ブームの中、アーウィン・アレンは「タワーリング・インフェルノ」で頂点に君臨しました。しかし・・・これが自身の最後の絶頂期となるとは神ならぬアレンに分かろうはずもありません。
スティーヴン・スピルバーグ監督の「ジョーズ」(1995)の記録的大ヒットにより、時代は災害パニック映画ブームから動物パニック映画全盛時代へと向かっていました。
この項続く。
B級SFの帝王、B級ホラーの巨匠・・・その名を語られる時、とにかく「B級」という部分が強調される監督ロジャー・コーマン。しかしこの場合の「B級」は決して揶揄するような意味合いではなく、常に低予算短期間でありながら並以上の水準作品を作り続ける氏に対しての一種尊敬の念のようなものが込められていると思うのです。
そしてそんなコーマン監督が早撮りの手腕を遺憾なく発揮したのがこの・・・
「古城の亡霊」THE TERROR(1963)
部隊からはぐれたフランス人青年将校が出会った一人の美女。だが近くに住む老婆は若い女など付近には住んでいないと言う。果たしてあれは幻だったのだろうか。女の幻影を追って、青年は崖の上に建つ古城へと向かうのだった。
夜な夜なさまよい歩く美女は幻なのか、それとも亡霊なのか。古城の隠し扉の向こう、地下に隠されたものとは何か。古城の主が心に秘めた秘密とは?
古城の主に扮するのは、かの古典「フランケンシュタイン」(1933)で人造人間を演じて一躍人気スターとなったボリス・カーロフ。
奇怪な出来事に翻弄されつつも古城の謎を解き明かしていく青年将校に、無名時代のジャック・ニコルソン。
ところでこの映画の凄いところは、当初制作が予定されていたものでは無いというところなのです。
当時ロジャー・コーマン監督はエドガー・アラン・ポーの原作を次々と映画化し、好評を博していました。「アッシャー家の惨劇」(1960)「恐怖の振子」(1961)「黒猫の怨霊」(1962)「姦婦の生き埋葬」(1962)等々。これらの作品の脚本の多くをリチャード・マシスンが書いていたことも見過ごせない事実ですね。そしてポーの「大鴉」を元にしたコメディタッチの作品「忍者と悪女」(1963)を撮ったのですが、同作品に出演していたボリス・カーロフの契約期間がまだ3日ほど残っていたことでコーマンはもう1本映画を撮ろうと考えます。まぁコーマンはこういうこと度々やってます(笑)。脚本を急遽新たに用意し、「忍者と悪女」の室内セットなどを使い回し、ニコルソンを始め出演者やスタッフが駆け回って衣装や小道具を揃え、そして実に2日間でこの「古城と亡霊」を撮り上げたのでした。
たとえすでにセットやキャストが揃っていたからと言って、この映画を準備期間も含めて2日で撮ったというのは驚異です。しっかりとしたドラマ作り、切り立った崖の上に佇む古城や湿り気さえ感じられる不気味な墓場といった見事な美術と、そこには安っぽさなどは微塵も無く確かな演出力がありました。
この映画に描かれるおどろおどろしくも不気味なシーンの数々は、今の目で見るなら怖くはありません。
しかし・・・
冒頭の謎の美女との幻想的な邂逅からクライマックスの地下の巨大聖堂が雪崩れ込む海水に飲み込まれていく予想外の大スペクタクルシーンまで、この映画は実に心地良くゴシックホラーの世界に引き込んでくれたのでした。
ところでロジャー・コーマン組と言えばジェームズ・キャメロンやジョー・ダンテを始め多くの名監督やスターを輩出したことでも有名ですが、本作でも若かりし頃のフランシス・フォード・コッポラやピーター・ボグダノビッチ、ジャック・ヒルと言った面々がスタッフに加わっています。想像するまでもなく、低賃金でこき使われていたのでしょう(笑)。
余談。
本作を含めコーマン作品の多くが大蔵映画によって日本で配給されました。この大蔵映画の社長が今や伝説とも言える大蔵貢。大蔵貢は大蔵映画を立ち上げる前、倒産寸前の新東宝の社長に就任し、社員スタッフの反感を買いながらエログロ路線を推し進めて新東宝を(一時的にせよ)立て直した人物です。
映画とは何よりもまず娯楽であると、その手法は良かれ悪しかれそういう信念には共感を覚えます。そのB級娯楽指向の部分で日本のコーマンとも思える大蔵貢の、その興味深い人物像もまた語ってみたいところではあります。
さらにところでアニメ「雪の女王」、今日も良かったですね。作画はヒドかったですが(笑)。
出崎監督の切れた演出が大爆発で、不自然なほどに幸せな物語を盛り上げてくれていました。心地良いですよ。
先週の「赤い靴」についても少し。
原作のように両脚を切り落とされないのは甘いのではないかというような意見をちらほらと目にしましたが、自分の罪の身代わりに父親が命を落とすというのは自分自身が罰を受けることよりもキツいことではないかな、と私的には思えます。まぁアニメ的に残酷描写が出来ないことでの変更なんでしょうけどね。
優しい人々の心温まる幸せアニメと思って見続けている「雪の女王」ですが、こういう話がポンと投げ込まれると想像以上にショッキングですね。
まぁアンデルセン作品には他にも残酷な話はありますから、このアニメでどのように描かれるか楽しみではあります。
| 02 | 2026/03 | 04 |
| S | M | T | W | T | F | S |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
| 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
| 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
| 29 | 30 | 31 |
・落合寿和の字幕翻訳日記
・一瀬隆重公式ブログ
・前田有一の超映画批評
・痛いニュース(ノ∀`)
・25 o'clock
・mumurブルログ
・とりかご
・中国毒物情報局