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映画のコトやら何やら綴りませう
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ネットで「一番怖いホラー映画は?」なんてBBSなどを見ると必ず一度は名前が挙げられる作品。でまぁ昔、10年くらい前の「映画秘宝」かなんか映画雑誌で名前を見て以来気にはなっていたのですが、この作品が本来「ギニー・ビッグ」シリーズの一編として作られたというのも耳にしていたのでなかなか見る勇気がありませんでした。
「ギニー・ビッグ」シリーズと言うと覚えている方もいるでしょうけど、あの連続幼女殺人犯の宮崎勤が所持していたことで一躍有名になったビデオ用作品です。あの時はあたかもホラー映画やそのファンが悪の権化のように扱われて閉口したものですが、特にその残虐な内容から象徴的に扱われたのが「ギニー・ピッグ」でありました。もっとも宮崎勤が持っていたのは残虐性が問題になったシリーズ第1~2作ではなくコメディタッチの第4作目のみであり、彼のビデオコレクションの大部分はアニメを録画したものだったわけで、まぁホラー映画は連続殺人の理由付けに体よく使われた格好で今も昔もマスコミの強引なやり口は変わりませんな。一昨年だったかの事件でフィギュア萌え族なんてアホな言葉を作ったジャーナリストさんも謝罪することもなく今でも普通に活躍されていますしね。

さておき、

「ギニー・ピッグ」の1~2作と言うのは上でも言いました通り残虐な内容で有名でありまして、まぁ拉致監禁された女性が散々拷問され痛めつけられたあげく生きたまま全身バラバラにされ内蔵引きずり出されて殺されるというような内容で、特にストーリーもなくただただグロ描写を映し続ける疑似スナッフビデオみたいなものです。と言うか、そういうモノらしいです。私は実際には見ていません。ホラー映画は好きですけどグロ系は苦手なんですよね。
で、宮崎事件の影響でタイトルを変更したとは言え本作もそういうシリーズの一編として作られたと思うと、どんなに怖い作品か確認したいと思いつつも手が出せない、所謂「見たいけど見たくない」作品となっていたわけです。
でも一度は見ておかなくちゃという思いと、それとシリーズ初期作品のような直接的なグロ描写は控えめで精神的なグロさ中心だという意見もあり、それならばと勇気を振り絞って見てみましたよ。
主演している、まだそんなに有名でない時代の佐野史郎氏の狂気の演技というのもずっと気になってましたしね。

「LSD ラッキー・スカイ・ダイヤモンド」(1990)

結論から言いますと、怖さという点についてはさほどでもありませんでした。ただ確かに病的とも言えるグロテスクな作品ではあります。

どこかの廃墟の一室のような広い部屋。そこにはベッドと医療器具とおぼしき物が置かれている。ベッドに横たわっている女性、洋子は奇怪な幻覚を見続けている。点滴のボトルや二つに割ったメロンの中には無数のゴカイが詰まっている。部屋の中にはオブジェのごとく内蔵が吊され、あちこちの壁からは血が溢れ出る。そして洋子の股間からは自らの内蔵が溢れ落ちて床にビチヤビチャとまき散らされる。
絶叫と共に目覚める洋子の側には彼女の恋人だという医者と、姉を名乗る一人の女。二人は脳に異常を持った洋子の治療と看護に当たっていると言うが、洋子にはその記憶も二人に対する見覚えも無かった。優しげに治療と称しながら異常な言動を繰り返す二人。一方洋子には断片的な記憶がフラッシュバックのように甦りつつあった。
やがて医者は洋子の脳手術を執り行うと宣言する。奇妙な赤い薬液を強引に飲まされて手術台に横たえられる洋子。医者は洋子の頭部をメスで切り開き、むき出された脳に電極を差し込むと電流によって反応する洋子の体に興奮しながら女にフェラチオさせるのだった。
手術を終え、元のベッドの上で目覚めた洋子は激しい頭痛の中で記憶を取り戻していた。この二人が自分を拉致してここに連れてきたのだ。必死に暴れて逃げようとする洋子に女が激昂して叫んだ。「こんなに心配して世話しているのに!」女は手にメスを握ると洋子の腹に何度も突き立て続けた。
血塗れのまま放置された洋子は腹からこぼれる内臓を手で押さえ、激痛に耐えながら部屋からの脱出を試みた。再び襲ってくる女。激しい乱闘の末女を返り討ちにした洋子は部屋を出て薄暗い廊下を進む。廊下のその先に大きなダンボール箱があった。突然、そのダンボールを突き破るようにして医者が飛び出してきた。
顔面を白塗りにし、ダンボール箱を着た医者は手にパン切りナイフを持って洋子に襲いかかるのだった。

この後医者に扮する佐野史郎氏の狂気の暴走が始まるわけですが、まぁ文章で説明するよりは興味有る人には実際に見てほしいと思いますのでストーリー紹介はここまで。

まぁ奇怪な作品ですね。登場人物は3人のみ。そしてその3人全員がキチガイという、見終わった後になんともイヤ~な気分が残る作品です。
洋子役の網浜直子さんは今でもTVドラマなどで活躍されていますが、さすがに上手い方です。姉を名乗る女には中村れい子さん。役を作りすぎなのか大根なのか、こちらの狂気演技は今一つ。そして佐野史郎氏の鬼気迫る狂気。やりすぎ感もあるものの、ちょっとスゴいです。

ただこの作品をもう一つ評価しづらいのは物語の面白さや役者さんの頑張りに比べて演出の稚拙さでしょうか。幻覚とも悪夢ともつかない描写を手持ちカメラを適当に揺らすだけで表現するなど、どうにも褒められない映像演出で締まりません。低予算ゆえのビデオ撮りや全体の安っぽさは仕方ないとしても、その安っぽさを異様なリアル感に転嫁することに成功した作品はいくらでもあります。例えば最初のVシネマ版の「呪怨」(1999)とかですね。それが出来なかったのは勿体ないと思わされます。本作がグロさはともかくとして、さほど怖くなかったというのもそこらあたりの問題が大きかったかと。

まぁでも、本作は60分ほどの作品ですがその中に幻覚と狂気の世界を作り出すことにある程度成功しているのは評価できます。インディーズ作品くささすら感じる強引豪快な展開もまずは良し。グロ耐性のある方なら一見の価値はあるかもしれないですね。
ちなみに私はグロ耐性が弱いので、内蔵描写や序盤のビン詰めメロン詰めのゴカイあたりはちょっとキツかったですね(笑)。特に蟲系は苦手なもので。

あ、本作はエロ描写はほとんどありませんがその内容ゆえに成人指定になっていますので、レンタルする際にはご注意くださいね。

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