古城の有る風景

台風一過、また暑い日が戻って参りましたね。

ところで数日前にこのブログに変なタイトルを付けました。
森の中にひっそりと佇む古城・・・そして裏寂れた寒村・・・自分の映画に関する記憶を思い浮かべる時、かならず出てくるのがそんな風景です。それは幼い頃TVで熱心に見ていたハマープロの怪奇映画に必ず出てくる風景でした。そこにはドラキュラ伯爵が潜み、フランケンシュタイン男爵が奇怪な実験を行い、狼男やミイラ怪人、蛇女や妖女ゴーゴン、吸血ゾンビ・・・様々な怪物が徘徊していたのです。
決して潤沢な予算では無かったろう中で、ハマープロ作品のそうした美術やセットは本当に見事でした。中川信夫監督作品を始めとする新東宝作品の美術とも通じるものですが、スタッフの熱意こそがそうした完成度を高める要因だったのだろうと今にして思います。
どこからか聞こえる狼の遠吠え。昼なお暗い森のその奥、月明かりに照らし出されそそり立つ黒く古びた城・・・。
そんな悪夢ともつかない不思議な風景の、ある種愛すべき記憶を込めて。

奥目の八ちゃんこと岡八郎さんが26日に亡くなられました。
かつての吉本新喜劇ファンとしては忘れ得ぬコメディアンでした。67歳、早すぎる死は残念でなりません。ご冥福を。